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SQLの応用的な使い方

SQLの応用として、比較演算子以外のin,between,like等の説明、 集約関数、副問合せ、ソートとグループ化について説明する。

比較と集約関数

where句に指定できる、2項演算子でない比較演算子

  • A in ( a,b,c… )
    メンバー比較()の中に A が含まれているか?
  • A between B and C
    値Aが、B~Cの間の値か判定
  • A like B
    正規表現っぽい"_"⇒任意の1文字、"%"⇒任意の0文字以上で、 文字列マッチング
  • A is null
    NULLかどうかをチェックする。

雑談: in,between,like といった演算子は、英語処理記述でCOBOLっぽさが全開。 ということで、COBOL等は、埋め込み型SQLによって通常のCOBOL処理の中で、SQLがそのまま使えたりすることを紹介。 教科書では、埋め込み型SQLインタフェースを持つ言語の中に、PL/I が紹介されている。 個人的に最初のプログラム言語が PL/I であっただけに、久々にみた言語名で懐かしさ全開。

select句に記載できる、集約関数

  • COUNT(),SUM(),AVG(),MAX(),MIN()
    関数の処理は名前どおりだし、特に説明はいらんだろう。

副問合せとソートとグループ化

where句の()の中に、別途SQLを実行するように、SQL命令を書くことができる。 副問合せを先に実行してから主問合せをするもの、

select S.業者名, S.所在
from S
where S.業者名 in
( select SG.業者番号 from SG
where SG.商品番号 = 'G2' and SG.在庫量 >= 200 ) ;

()の中の副問合せは、from句の S と無関係なので 先に副問合せを実行し、その結果の中に S.業者名 が 含まれるのかを判定される。

主問合せの中から何度も副問合せを実行する2つの方法がある。

select G.商品名, G.色, G.価格
from G
where 'S4' in
( select SG.業者番号 from SG
where SG.商品番号 = G.商品番号 ) ;

G.商品番号は、主問合せの中の from 句の G でレコードを変化させながら、副問合せを呼び出す。

並び替え:データベースのデータは、2分探索木やらハッシュやらの手法で保存されており、 検索結果は、登録順序毎に出力される訳ではない。だからこそ、表示順序などが 問題になるのであれば、"order by カラム {ASC|DESC}"で、ソートができる。

グループ化:指定されたカラムについて、同じ値を持つレコードをグループ化することができる。 having 句は、特定のグループを選択するための条件。 指定されたカラム別に、テーブルを一旦作ってから、having句内部の評価を行う。 この中に集約関数を使えるところがキモ。

集合計算:2つのSQL問合せ結果を集合とみなして、集合和(union)/集合差(except)/集合積(intersection)をとることができる。SQL_A union SQL_B みたいな使い方。

昨年度の非常勤講師の方の進行とずれが出てきたため、シラバスを書き換える。 JABEE的にも次回講義の時に説明が必要。

2分木の応用

2分木データ構造の応用として、意思決定木と2項演算子による式の表現を説明する。

意思決定木

質問を繰り返した後に、その結果を示すような意思決定木を、 2分木で表現する事例を紹介する。進路決定の時期の4年生というのもあって、 勉強好き?もっと勉強したい?といったようなネタで、例を示す。

0911190006_409x245.png

プログラム例として、以下のようなものを示す。

char input[ 10 ] ;
struct DTree* p = 何らかの木の生成 ;
// 質問を繰り返す。
while( p->yes != NULL || p->no != NULL ) {
printf( "%s¥n" , p->mes ) ;
scanf( "%s" , input ) ; // 質問への回答を入力
if ( strcmp( input , "yes" ) == 0 )
p = p->yes ;
else
p = p->no ;
}
// 枝の末端であれば、結論を表示する。
printf( "あなたは... %s¥n" , p->mes ) ;

2分木を用いた式の表現

式を表現する手法として、演算子の優先順位を()で表現しないのであれば、 式を逆ポーランド記法に変換しておけば、スタックなどを用いてその処理は容易。 しかしながら、木を用いれば演算式を表現することもできる。 これに合わせて、演算子には単項演算子、2項演算子、3項演算子(?:演算子)が あることを説明する。また、"1+2+3"は"(1+2)+3" , "a=b=c=0" は "a=(b=(c=0))" として扱われ、左結合演算子や右結合演算子の2種類がある。 "1+2"中置記法、"+,1,2"前置記法、"1,2,+"後置記法といった、表現法を説明する。

0911190006_217x184.png

struct Expr {
int  value ;
char op ; // 演算子は1文字だけを考慮
struct Expr* left ;
struct Expr* right ;
} ;
// 整数値の木の生成関数
struct Expr* Integer( int x ) {
struct Expr* ans=(struct Expr*)malloc(sizeof(struct Expr)) ;
if ( ans != NULL ) {
ans->value = x ;
ans->left = ans->right = NULL ;
}
return ans ;
}
// 演算子の木の生成関数
struct Expr* Operator(char op,struct Expr*l,struct Expr*r) {
struct Expr* ans=(struct Expr*)malloc(sizeof(struct Expr)) ;
if ( ans != NULL ) {
ans->op = op ;
ans->left = l ;
ans->right = r ;
}
return ans ;
}
void main() {
struct Expr* e   // 2分木の式 1+2*3
= Operator( '+' , Integer( 1 ) ,
Operator('*' , Integer( 2 ) , Integer( 3 ) ) ) ;
// 式の値を評価したい
printf( "%d" , eval( e ) ) ;
}
int eval( struct Expr* p ) {
if ( p->left == NULL && p->right == NULL ) {
return p->value ;  // 枝の末端なら定数値
} else {
switch( p->op ) {  // 再帰呼び出しで右辺左辺を計算
case '+' : return eval(p->left)+eval(p->right) ;
case '*' : return eval(p->left)*eval(p->right) ;
}
}
}

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