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澤井先生を偲ぶ

昨日、公私ともに大変お世話になった澤井先生がお亡くなりになったとの連絡が入った。私が高専に入ってプログラミングにのめり込み、就職の際に高専に誘って頂いた。

仕事でも、色々と迷惑をかけ、大変世話になっていた。

4月ころに退官する先生へのOB会の勧誘で来られている際にお会いしたけど、肺疾患の酸素ボンベを持ち歩いていて、体調も良くなかった様だった。

澤井先生は、福井高専の発足当初から電気科で教えられていて、コンピュータの発達と共に、プログラミング、計算機構成論といった授業を担当し、澤井先生にFORTRANを習い、AND-OR,JK-FFで頭をパンクさせた人も数多いことでしょう。そして、電子情報工学科設立と共に学科を移り、数多い「電子情報卒業生」を送り出してくれた先生でした…。

集合とリスト処理

リスト構造は、必要に応じてメモリを確保するデータ構造であり、データ件数に依存しないプログラム が記述できる。その応用として、集合処理を考えてみる。

2進数を用いた集合計算

リストによる集合の前に、もっと簡単な集合処理を考える。データ件数の上限が少ない場合には、「2進数の列」の各ビットを集合の各要素に対応づけし、要素の有無を0/1で表現する。この方法を用いるとC言語のビット演算命令で 和集合、積集合を計算できるので、処理が極めて簡単になる。

以下のプログラムは、0〜31の数字を2進数の各ビットに対応付けし、 ba = {1,2,3} , bb = {2,4,6} , bc= {4,6,9} を要素として持つ集合で、ba ∩ bb , bb ∩ bc の計算を行う例である。

void bit_print( unsigned int x ) {
   for( int i = 0 ; i < 32 ; i++ )
      if ( (x & (1 << i)) != 0 )
         printf( "%d " , i ) ;
   printf( "\n" ) ;
}
void main() {     // 98,7654,3210
   // ba = {1,2,3} = 00,0000,1110
   unsigned int ba = (1<<1) | (1<<2) | (1<<3) ;
   // bb = {2,4,6} = 00,0101,0100
   unsigned int bb = (1<<2) | (1<<4) | (1<<6) ;
   // bc = {4,6,9} = 10,0101,0000
   unsigned int bc = (1<<4) | (1<<6) | (1<<9) ;

   bit_print( ba & bb ) ; // ba ∩ bb = {2}                 
   bit_print( bb & bc ) ; // bb ∩ bc = {4,6}
   bit_print( ba | bc ) ; // ba ∪ bc = {1,2,3,4,6,9}
}

このような、2進数を用いた処理で有名なものとして、エラトステネスのふるいによる素数計算がある。このアルゴリズムでは、各bitを整数に対応付けし、素数で無いと判断した2進数の各桁に1の目印をつけていく方式である。

unsigned int prime = 0 ;
void filter() {
   for( int i = 2 ; i < 32 ; i++ ) {
      if ( (prime & (1 << i)) == 0 ) {
         // iの倍数には、非素数の目印をつける
         for( int j = 2*i ; j < 32 ; j += i )
            prime |= (1 << j) ;
      }
   }
   for( int i = 2 ; i < 32 ; i++ ) {
      // 目印のついていない数は素数
      if ( (prime & (1 << i)) == 0 )
         printf( "%d\n" , i ) ;
   }
}

リスト処理による積集合

前述の方法は、リストに含まれる/含まれないを、2進数の0/1で表現する方式である。しかし、2進数であれば、unsigned int で 32要素、unsigned long long int で 64 要素が上限となってしまう。 (32bitコンピュータ,gccの場合)

しかし、リスト構造であれば、リストの要素として扱うことで、要素件数は自由に扱える。また、今までの授業で説明してきた cons() などを使って表現すれば、簡単なプログラムでリストの処理が記述できる。

// 先週までに説明してきたリスト構造と補助関数
struct List {
   int     data ;
   struct List* next ;
} ;
struct List* cons( int x , struct List* n ) {
   struct List* ans ;
   ans = (struct List*)malloc( sizeof( struct List ) ) ;
   if ( ans != NULL ) {
      ans->data = x ;
      ans->next = n ;
   }
   return ans ;
}
void print( struct List* p ) {
   for( ; p != NULL ; p = p->next ) {
      printf( "%d " , p->data ) ;
   }
   printf( "\n" ) ;
}
int find( struct List* p , int key ) {
   for( ; p != NULL ; p = p->next )
      if ( p->data == key )
         return 1 ;
   return 0 ;
}

例えば、積集合(a ∩ b)を求めるのであれば、リストa の各要素が、リストb の中に含まれるか find 関数でチェックし、 両方に含まれたものだけを、ans に加えていく…という考えでプログラムを作ると以下のようになる。

// 集合積の計算
struct List* set_prod( struct List* a , struct List* b ) {
   struct List* ans = NULL ;
   for( ; a != NULL ; a = a->next ) {
      // aの要素がbにも含まれていたら、ansに加える
      if ( find( b , a->data ) )
         ans = cons( a->data , ans ) ;
   }
   return ans ;
}
void main() {
   struct List* a = cons( 1, cons( 2, cons( 3, NULL ) ) ) ;
   struct List* b = cons( 2, cons( 4, cons( 6, NULL ) ) ) ;
   struct List* c = cons( 4, cons( 6, cons( 9, NULL ) ) ) ;
   print( set_prod( a , b ) ) ;
   print( set_prod( b , c ) ) ;
}

例題として、和集合差集合などを考えてみよう。

リストの共有と削除の問題

リスト処理では、mallocを使うが、メモリリークをさせないためには、使用後のリストの廃棄は重要である。リストの全要素を捨てる処理であれば、以下のようになるであろう。

void list_free( struct List* p ) {
   while( p != NULL ) {
      struct List* d = p ;
      p = p->next ;
      free( d ) ; // 順序に注意
   }
}

一方、前説明の和集合(a ∪ b)のプログラムを以下のように作った場合、list_freeの処理は問題となる。

// 集合和
struct List* set_union( struct List*a, struct List*b ) {
   struct List* ans = b ;
   for( ; a != NULL ; a = a->next )
      if ( !find( b , a->data ) )
         ans = cons( a->data , ans ) ;
   return ans ;
}
void main() {
   struct List*a = cons( 1, cons( 2, cons( 3, NULL ) ) ) ;
   struct List*b = cons( 2, cons( 3, cons( 4, NULL ) ) ) ;
   struct List*c = set_union( a , b ) ;
   // a,b,cを使った処理
   // 処理が終わったので、a,b,cを捨てる
   list_free( a ) ;
   list_free( b ) ;
   list_free( c ) ;
   // c = { 1 , (bのリスト) }
   // (b)の部分は先のlist_free(b)で解放済み
}

このような、リストb,リストcで共有されている部分があると、データの廃棄処理をどのように記述すべきなのか、問題となる。

これらの解決方法としては、(1) set_union() の最初で、ans=b となっている部分を別にコピーしておく、(2) 参照カウンタ法を用いる、(3) ガベージコレクタのある言語を用いる…などがある。(2),(3)は後期授業で改めて解説を行う。

struct List* copy( struct List*p ) {
   struct List*ans = NULL ;
   for( ; p != NULL ; p = p->next )
      ans = cons( p->data , ans ) ;
   return ans ;
}
struct List* set_union( struct List*a, struct List* b ) {
   struct List* ans = copy( b ) ;
    :
}

オブジェクト指向プログラミング2018全講義録

  1. オブジェクト指向(2018) / ガイダンス
  2. 引数渡しと構造体からオブジェクト指向へ
  3. コンストラクタと複素数クラスと隠蔽化
  4. 複素数とクラス・隠蔽化の演習
  5. 派生と継承
  6. 仮想関数
  7. 図形と仮想関数の継承方法
  8. UMLの概要
  9. UMLと構造図
  10. UML振る舞い図
  11. オブジェクト指向とソフトウェア工学

スタックと待ち行列

計算処理中に一時的なデータの保存として、stackとqueueがよく利用されるが、それを配列を使って記述したり、任意の大きさにできるリストを用いて記述する。

# 授業は、前回の演習時間が不十分だったので、前半講義、後半演習時間。

スタック

一時的な値の記憶によく利用されるスタックは、一般的にLIFO( Last In First out )と呼ばれる。配列を使って記述すると以下のようになるであろう。

#define STACK_SIZE 32
int stack[ STACK_SIZE ] ;
int sp = 0 ;

void push( int x ) {
    stack[ sp++ ] = x ;
}
int pop() {
    return stack[ --sp ] ;
}
void main() {
    push( 1 ) ; push( 2 ) ; push( 3 ) ;
    printf( "%d\n" , pop() ) ; // 3
    printf( "%d\n" , pop() ) ; // 2
    printf( "%d\n" , pop() ) ; // 1
}

しかし、この中にSTACK_SIZE以上のデータは貯えられない。同じ処理をリストを使って記述すれば、ヒープメモリを使い切るまで使うことができるだろう。

struct List* stack = NULL ;

void push( int x ) {
    stack = cons( x , stack ) ;
}
int pop() {
    int ans = stack->data ;
    struct List* d = stack ;
    stack = stack->next ;
    free( d ) ;
    return ans ;
}

キュー(QUEUE)

2つの処理の間でデータを受け渡す際に、その間に入って一時的にデータを蓄えるためには、待ち行列(キュー)がよく利用される。 FIFO(First In First Out)

配列にデータを入れる場所(wp)と取り出す場所のポインタ(rp)を使って蓄えれば良いが、配列サイズを超えることができないので、データを取り出したあとの場所を循環して用いるリングバッファは以下のようなコードで示される。

#define QUEUE_SIZE 32
int queue[ QUEUE_SIZE ] ;
int wp = 0 ;
int rp = 0 ;

void put( int x ) {
    queue[ wp++ ] = x ;
    if ( wp >= QUEUE_SIZE )
        wp = 0 ;
}
int get() {
    int ans = queue[ rp++ ] ;
    if ( rp >= QUEUE_SIZE )
        rp = 0 ;
    return ans ;
}
void main() {
    put( 1 ) ; put( 2 ) ; put( 3 ) ;
    printf( "%d\n" , get() ) ; // 1
    printf( "%d\n" , get() ) ; // 2
    printf( "%d\n" , get() ) ; // 3
}

このようなデータ構造も、get() の実行が滞るようであれば、wp が rp に循環して追いついてしまう。
そこで、このプログラムもリストを使って記述すると以下のようになる。

struct List* queue = NULL ;
struct List** tail = &queue ;

void put( int x ) {
    *tail = cons( x , NULL ) ;
    tail = &( (*tail)->next ) ;
}
int get() {
    int ans = queue->data ;
    struct List* d = queue ;
    queue = queue->next ;
    free( d ) ;
    return ans ;
}

ただし、上記のプログラムは、データ格納後にget()で全データを取り出してしまうと、tail ポインタが正しい位置になっていないため、おかしな状態になってしまう。
また、このプログラムでは、rp,wp の2つのポインタで管理することになるが、 2重管理を防ぐために、リストの先頭と末尾を1つのセルで管理する循環リストが使われることが多い。

情報制御基礎2018全講義録

  1. 制御構文について
  2. 大域変数・局所変数・スコープ
  3. 実数の注意点
  4. 実数の注意点・回答編
  5. 実数の扱い・レポート-No.1
  6. 入出力リダイレクト
  7. 入出力と変数・レポートNo.2
  8. D/A変換回路とA/D変換回路
  9. 移動平均の処理
  10. 移動平均のプログラム
  11. 様々な移動平均
  12. 様々な移動平均・レポート-No.3
  13. 変化の検出・差分処理
  14. 差分計算・レポート-No.4
  15. 制御工学とまとめ

オブジェクト指向とソフトウェア工学

オブジェクト指向プログラミングの最後の総括として、 ソフトウェア工学との説明を行う。

トップダウン設計とウォーターフォール型開発

ソフトウェア工学でプログラムの開発において、一般的なサイクルとしては、 専攻科などではどこでも出てくるPDCAサイクル(Plan, Do, Check, Action)が行われる。 この時、プログラム開発の流れとして、大企業でのプログラム開発では一般的に、 トップダウン設計とウォーターフォール型開発が行われる。

トップダウン設計では、全体の設計(Plan)を受け、プログラムのコーディング(Do)を行い、 動作検証(Check)をうけ、最終的に利用者に納品し使ってもらう(Action)…の中で、 開発が行われる。設計の中身も機能仕様や動作仕様…といった細かなフェーズになることも多い。 この場合、コーディングの際に設計の不備が見つかり設計のやり直しが発生すれば、 全行程の遅延となることから、前段階では完璧な動作が必要となる。 このような、上位設計から下流工程にむけ設計する方法は、トップダウン設計などと呼ばれる。また、処理は前段階へのフィードバック無しで次工程へ流れ、 川の流れが下流に向かう状態にたとえ、ウォーターフォールモデルと呼ばれる。

引用:Think IT 第2回開発プロセスモデル

このウォーターフォールモデルに沿った開発では、横軸時間、縦軸工程とした ガントチャートなどを描きながら進捗管理が行われる。

引用:Wikipedia ガントチャート

一方、チェック工程(テスト工程)では、 要件定義を満たしているかチェックしたり、設計を満たすかといったチェックが存在し、 テストの前工程にそれぞれ対応したチェックが存在する。 その各工程に対応したテストを経て最終製品となる様は、V字モデルと呼ばれる。

引用:@IT Eclipseテストツール活用の基礎知識

しかし、ウォーターフォールモデルでは、前段階の設計の不備があっても前工程に戻るという考えをとらないため、全体のPDCAサイクルが終わって次のPDCAサイクルまで問題が残ってしまう。 巨大プロジェクトで大量の人が動いているだから、簡単に方針が揺らいでもトラブルの元にしかならないことから、こういった手法は大人数巨大プロジェクトでのやり方。

ボトムアップ設計とアジャイル開発

少人数でプログラムを作っている時(あるいはプロトタイプ的な開発)には、 部品となる部分を完成させ、それを組合せて全体像を組み上げる手法もとられる。 この方法は、ボトムアップ設計と呼ばれる。このような設計は場当たり的な開発となる場合があり設計の見直しも発生しやすい。

また、ウォーターフォールモデルでは、前工程の不備をタイムリーに見直すことができないが、 少人数開発では適宜前工程の見直しが可能となる。 特にオブジェクト指向プログラミングを実践して隠蔽化が正しく行われていれば、 オブジェクト指向によるライブラリの利用者への影響を最小にしながら、ライブラリの内部設計の見直しも可能となる。 このような外部からの見た挙動を変えることなく内部構造の改善を行うことリファクタリングと呼ばれる。

一方、プログラム開発で、ある程度の規模のプログラムを作る際、最終目標の全機能を実装したものを 目標に作っていると、全体像が見えずプログラマーの達成感も得られないことから、 機能の一部分だけ完成させ、次々と機能を実装し完成に近づける方式もとられる。 この方式では、機能の一部分の実装までが1つのPDCAサイクルとみなされ、 このPDCAサイクルを何度も回して機能を増やしながら完成形に近づける方式とも言える。 このような開発方式は、アジャイルソフトウェア開発と呼ぶ。 一つのPDCAサイクルは、アジャイル開発では反復(イテレーション)と呼ばれ、 短い開発単位を繰り返し製品を作っていく。この方法では、一度の反復後の実装を顧客に見てもらい、 顧客とプログラマーが一体となって開発が行われる。

引用:コベルコシステム

エクストリームプログラミング

アジャイル開発を行うためのプログラミングスタイルとして、 エクストリームプログラミング(Xp)という考え方も提唱されている。 Xpでは、5つの価値(コミュニケーション,シンプル,フィードバック,勇気,尊重)を基本とし、 開発のためのプラクティス(習慣,実践)として、 テスト駆動開発(コーディングでは最初に機能をテストするためのプログラムを書き、そのテストが通るようにプログラムを書くことで,こまめにテストしながら開発を行う)や、 ペアプログラミング(2人ペアで開発し、コーディングを行う人とそのチェックを行う人で役割分担をし、 一定期間毎にその役割を交代する)などの方式が取られることが多い。

リーン開発は、品質の良いものを作る中で無駄の排除を目的とし、本当にその機能は必要かを疑いながら、優先順位をつけ実装し、その実装が使われているのか・有効に機能しているのかを評価ながら開発をすすめる。

伽藍とバザール

これは、通常のソフトウェア開発の理論とは異なるが、重要な開発手法の概念なので「伽藍とバザール」を紹介する。

伽藍とは、優美な寺院のことであり、その設計・開発は、優れた設計・優れた技術者により作られた完璧な実装を意味している。バザールは有象無象の人の集まりの中で作られていくものを意味している。

たとえば、伽藍方式の代表格である Microsoft の製品は、優秀なプロダクトだろうが、中身の設計情報などを普通の人は見ることはできない。これに対しバザール方式の代表格の Linux は、インターネット上にソースコードが公開され、誰もがソースコードに触れプログラムを改良してもいい。その中で、新しい便利な機能を追加しインターネットに公開されれば、良いコードは生き残り、悪いコードは淘汰されていく。

バザール方式は、オープンソースライセンスにより成り立っていて、このライセンスが適用されていれば、改良した機能はインターネットに公開する義務を引き継ぐ。このライセンスの代表格が、GNU パブリックライセンス(GPL)であり、公開の義務の範囲により、BSD ライセンスApacheライセンスといった違いがある。

制御工学とまとめ

情報制御基礎の授業を通して、入力値を制御するため、コンピュータを使う場合の数値処理の基礎的な話として、信号の平滑化や差分について説明をしてきた。実際には、入力値を制御に利用する場合には、数学的バックグラウンドも必要となる。

制御工学の概要

以下に、制御工学ではどのようなことを行うのか、概要を述べる。
ここで紹介する制御理論は、古典制御理論と呼ばれる。

制御工学では、入力値と、何らかの処理を施し出力値が得られるシステムで、どのように制御するかを考える。

例えば、電気ポットの温度制御をする場合、設定温度の値を入力値(x)とし、何らかの処理を行い、出力となるヒーターの電流を制御し、最終的には温度(y)が測定される。ヒーターは、設定温度(x)と温度計の値(y)の差に応じて電流量を変化させる。このように一般的な制御では、最終的な温度が入力に戻っている。このように目標値に近づけるために、目標値との差をとって制御することをフィードバック制御という。


入力と出力で制御された波形の例を示す。

この波形では、黒のように入力値が変化した場合、それに追いつこうと出力が変化する。(1)理想的には、速やかに追いつく赤のように変化したい。しかし、(2)変化への制動が大きい過制動(青点線)では、目標値に追いつくまでに時間がかかる。(3)一方ずれに対して制御が激しいと目標値を追い越したり、増えすぎ分を減らしすぎたり変動する過制御(赤点線)となる。

PID制御

目標値、出力、ずれ(偏差)、制御量とした時、基本的なフィードバック制御として偏差の使い方によってP動作,I動作,D動作がある。参考 Wikipedia PID制御

比例制御(P制御)

偏差に比例した制御(Kは比例ゲイン)

積分制御(I制御)

偏差のある状態が長い時間続く場合、入力値の変化を大きくすることで目標値に近づけるための制御。(Kは積分ゲイン)

微分制御(D制御)

急激な出力値の変化が起こった場合、その変化の大きさに応じて妨げようとする制御。(Kは微分ゲイン)

PID制御

上記のI制御やD制御だけでは、安定することはなく、これらを組み合わせたPID制御を行う。

この中で、の値は、制御が最も安定するように調整を行うものであり、数値シミュレーションや、ステップ応答を与えた時の時間的変化を測定して調整を行う。

差分計算・レポート-No.4

前回の「差分」の講義における、波形データから、山の数をカウントする処理を記述せよ。

# 授業では結果が「4つの山」としていたが、計算方法が明記されていれば、異なる結果でもよい。

処理は、C言語などのプログラムで記述しても、表計算ソフトでの式による計算でも良い。表計算ソフトを用いる場合は、どのような式を入れてあるか具体的な式について明記してあること。

レポートでは、計算方法が判るプログラムリスト(もしくは表計算ソフトの式がわかるもの)と、その説明。および結果(全データでなくても良く、山としてカウントした部分の近辺のデータ)と、考察を記述すること。

UML振る舞い図

参考資料図をもとに振る舞い図の説明を行う。

ユースケース図

1507131131_211x192.png

ユーザなど外部からの要求に対する、システムの振る舞いを表現するための活用事例を表す図がユースケース図。 システムを構築する際に、最初に記述するUMLであり、システムに対する処理要件の全体像を理解するために記述する。 ユーザや外部のシステムは、アクターとよび人形の絵で示す。楕円でシステムに対する具体的な処理をユースケースとして記述する。 関連する複数のユースケースをまとめて、サブジェクトとして示す場合もある。

アクティビティ図

処理順序を記述するための図にはフローチャートがあるが、上から下に処理順序を記述するため、縦長の図になりやすい。また、四角枠の中に複雑なことを書けないので、UMLではアクティビティ図を用いる。

初期状態から、終了状態までの手順を示すためのがアクティビティ図。 複数の処理を並行処理する場合には、フォークノードで複数の処理を併記し、最終的に1つの処理になる部分をマージノードで示す。 通常の処理は、角丸の長方形で示し、条件分岐はひし形で示す。

ステートチャート図(状態遷移図)

ステートチャート図は、処理内部での状態遷移を示すための図。 1つの状態を長丸長方形で示し、初期状態から終了状態までを結ぶ。 1つの状態から、なんらかの状態で他の状態に遷移する場合は、分岐条件となる契機(タイミング)とその条件、およびその効果(出力)を「契機[条件]/効果」で矢印に併記する。 複数の状態をグループ化して表す場合もある。

シーケンス図

複数のオブジェクトが相互にやり取りをしながら処理が進むようなものを記述するためのものがシーケンス図。 上部の長方形にクラス/オブジェクトを示し、その下に時系列の処理の流れの線(Life Line)を描く。 オブジェクトがアクティブな状態は、縦長の長方形で示し、そのLife Line間を、やり取り(メッセージ)の線で相互に結ぶ。 メッセージは、相手側からの返答を待つような同期メッセージは、黒塗り三角矢印で示す。 返答を待たない非同期メッセージは矢印で示し、返答は破線で示す。

コミュニケーション図

クラスやオブジェクトの間の処理とその応答(相互作用)と関連の両方を表現する図。

リスト追加処理

最初のリスト生成の説明では、補助関数 cons を用いて、直接リストを生成していた。
しかし、実際にはデータを入力しながらの処理となるであろう。

最も単純なリスト挿入

struct List* top = NULL ;

int main() {
   int x ;
   while( scanf( "%d" , &x ) == 1 ) {
      top = cons( x , top ) ;
   }
   print( top ) ; // 前回示したリスト全要素表示
   return 0 ;
}

ここで示したコードは、新しい要素を先頭に挿入していく処理となる。このため、作られたリストは、与えられた要素順とは逆順となる。この方法は、リストを管理するポインタが1つで分かりやすい。

要素を末尾に追加

前に示した方法は、逆順になるので、与えられた要素が末尾に追加する方法を示す。

struct List* top = NULL ;
struct List** tail = &top ;

int main() {
   int x ;
   while( scanf( "%d" , &x ) == 1 ) {
      *tail = cons( x , NULL ) ;
      tail = &((*tail)->next) ;
   }
   print( top ) ; // 前回示したリスト全要素表示
   return 0 ;
}

この方法は、次回にデータを追加する場所(末尾だからNULLが入っている)を覚える方式である。ただし、リストへのポインタのポインタを使う方法なので、少しプログラムがわかりづらいかもしれない。

レポート課題

以下に示すようなデータを扱うリスト構造を作り、そのリストを扱うプログラムを作成せよ。
( 出席番号 % 3 ) + 1 の番号の課題に取り組むこと。

  1. 名前と誕生日(指定した開始月日・終了月日の範囲のデータのみ表示)
  2. 名前と身長・体重(指定したBMI指数以上(もしくは以下)のデータのみ表示)
  3. 名前と学科と学年と学籍番号(指定した学籍番号などで検索)

このようなプログラムを作るのであれば、以下の例を参考に。

struct NameAgeList {
   char                name[ 20 ] ; // 名前
   int                 age ;        // 年齢
   struct NameAgeList* next ;       // 次のデータへのポインタ
} ;
struct NameAgeList* na_cons( char* nm, int ag,
                             struct NameAgeList*p )
{  struct NameAgeList* ans ;
   ans = (struct NameAgeList*)malloc(
               sizeof( struct NameAgeList ) ) ;
   if ( ans != NULL ) {
      strcpy( ans->name , nm ) ;
      ans->age  = ag ;
      ans->next = p ;
   }
   return ans ;
}