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UMLの概要と構造図
前回の授業でUMLの概要について説明を行ったが、専攻科の休講日だったようなので、UMLの概要をおさらいした後、UMLの構造図の説明を行う。
UML(Unified Modeling Language)記法が生まれるまで
巨大なプロジェクトでプログラムを作る場合、対象となるシステムを概念として表現する場合、オブジェクト指向分析(OOA: Object Oriented Analysis)やオブジェクト指向設計(OOD: Object Oriented Design)とよばれるソフトウェア開発方法が重要となる。(総称して OOAD – Object Oriented Analysis and Design)
これらの開発方法をとる場合、(1)自分自身で考えを整理したり、(2)グループで設計を検討したり、(3)ユーザに仕様を説明したりといった作業が行われる。この時に、自分自身あるいはチームメンバーあるいはクライアントに直感的に図を用いて説明する。この時の図の書き方を標準化したものが UML であり、(a)処理の流れを説明するための振る舞い図(以前であればフローチャートやPAD)と、(b)データ構造を説明するための構造図を用いる。
UMLは、ランボーによるOMT(Object Modeling Technique どちらかというとOOA中心)と、 ヤコブソンによるオブジェクト指向ソフトウェア工学(OOSE)を元に1990年頃に 発生し、ブーチのBooch法(どちらかというとOOD中心)の考えをまとめ、 UML(Unified Modeling Language)としてでてきた。
UMLでよく使われる図を列記すると、以下の物が挙げられる。
- 構造図
- クラス図
- コンポーネント図
- 配置図
- オブジェクト図
- パッケージ図
- 振る舞い図
- アクティビティ図
- ユースケース図
- ステートチャート図(状態遷移図)
- 相互作用図
- シーケンス図
- コミュニケーション図(コラボレーション図)
UMLを正しく使うことができるようになれば、UMLで仕様書を書けばそれがそのままプログラムになることが理想的な姿かもしれない。ソフトウェア開発やソフトウェアの保守にソフトウェアツールを利用することは、CASE(Computer Aided Software Engineering)と呼ばれ、そのようなツールをCASEツールと呼ぶ。地元福井の永和システムマネジメントでは、astar* というCASEツールを開発している。
UMLの構造図の書き方の説明。 詳しくは、参考ページのUML入門などが、分かりやすい。
クラス図
クラス図は、構造図の中の基本的な図で、 枠の中に、上段:クラス名、中段:属性(要素)、下段:メソッド(関数)を記載する。 属性やメソッドの可視性を示す場合は、”-“:private、”+”:public、”#”:protected 可視性に応じて、”+-#”などを記載する。
関連
クラスが他のクラスと関係がある場合には、その関係の意味に応じて、直線や矢印で結ぶ。
(a)関連(association):単純に関係がある場合、
(b)集約(aggregation):部品として持つが、弱い結びつき。関係先が消滅しても別に存在可能。(has-a)
(c)コンポジション(composition):部品として持つが強い結びつき。関係先と一緒に消滅。(has-a)
(d)依存(dependency):依存関係にあるだけ
(e)派生(generalization):派生・継承した関係(is-a)
(f)実現(realization): Javaでのinterfaceによる多重継承
上図の例では、乗り物クラスVehicleから自動車Carが派生し(CarからVehicleへの三角矢印―▷)、 自動車は、エンジン(Engine)を部品として持つ(EngineからCarへのひし形矢印―◆)。エンジンは車体と一緒に廃棄なら、コンポジション(C++であれば部品の実体を持つ)で実装する。
自動車は、同じく車輪(Wheel)を4つ持つが、自動車を廃棄してもタイヤは別に使うかもしれないので、集約(部品への参照を持つ)で実装する(WheelからCarへのひし形矢印―◇)。 集約で実装する場合は、C++などであれば、ポインタで部品を持ち、部品の廃棄(delete)は、別に行うことになる。
Javaなどのプログラム言語では、オブジェクトはデータの実体へのポインタで扱われるため、コンポジションと集約を区別して表現することは少ない。
is-a 、has-a の関係
前の課題でのカモノハシクラスで、羽や足の情報をどう扱うべきかで、悩んだ場合と同じように、 クラスの設計を行う場合には、部品として持つのか、継承として機能を持つのか悩む場合がある。 この場合には、“is-a”の関係、“has-a”の関係で考えると、部品なのか継承なのか判断しやすい。
たとえば、上の乗り物(Vehicle)クラスと、車(Car)のクラスは、”Car is-a Vehicle” といえるので、is-a の関係。 “Car is-a Engine”と表現すると、おかしいことが判る。 車(Car)とエンジン(Engine)のクラスは、”Car has-a Engine”といえるので、has-a の関係となる。 このことから、CarはVehicleからの派生であり、Carの属性としてEngineを部品として持つ設計となる。
ER図
UMLではないが、オブジェクト図に近いものとしてER図がある。これはリレーショナルデータベースの設計が正しいか確認しながら設計するための図で、Entity(実体)とRelation(関連)を相互に線で結んだもので、最近のER図の書き方は、かなりクラス図の書き方に似ている。
オブジェクト図
クラス図だけで表現すると、複雑なクラス関係では、イメージが分かりづらい場合がでてくる。 この場合、具体的な値を図に書き込んだオブジェクトで表現すると、説明がしやすい場合がある。 このように具体的な値で記述するクラス図は、オブジェクト図と言う。 書き方としては、クラス名の下に下線を引き、中段の属性の所には具体的な値を書き込んで示す。
その他の構造図
パッケージ図
パッケージ図は、クラス図をパッケージ毎に分類して記載する図。 パッケージのグループを、フォルダのような図で記載する。

IT専科から引用
コンポーネント図とコンポジット構造図
コンポジット構造図は、クラスやコンポーネントの内部構造を示すもので、コンポーネント図は、複数のクラスで構成される処理に、 インタフェースを用意し、あたかも1つのクラスのように扱ったもの。 接続するインタフェースを飴玉と飴玉を受けるクチのイメージで、提供側を◯───で表し、要求側を⊃──で表す。

IT専科から引用
配置図
配置図は、システムのハードウェア構成や通信経路などを表現するための図。 ハードウェアは直方体の絵で表現し、 デバイスの説明は、”≪device≫”などを示し、実行環境には、”≪executionEnvironment≫” などの目印で表現する。

IT専科から引用
派生や集約と多重継承
派生や継承について、一通りの説明が終わったので、データ構造(クラスの構造)の定義の方法にも様々な考え方があり、どのように実装すべきかの問題点を考えるための説明を行う。その中で特殊な継承の問題についても解説する。
動物・鳥類・哺乳類クラス
派生や継承を使うと、親子関係のあるデータ構造をうまく表現できることを、ここまでの授業で示してきた。
しかしながら、以下に述べるような例では、問題が発生する。
// 動物クラス class Animal { private: char name[ 10 ] ; public: Animal( const char s[] ) { strcpy( name , s ) ; } const char* get_name() const { return name ; } virtual void move() = 0 ; virtual void birth() = 0 ; } ; // 鳥類クラス class Bird : public Animal { public: Bird( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s fry.\n" , get_name() ) ; } virtual void birth() { printf( "%s lay egg.\n" , get_name() ) ; } } ; // 哺乳類クラス class Mammal : public Animal { public: Mammal( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s walk.\n" , get_name() ) ; } virtual void birth() { printf( "%s lay baby.\n" , get_name() ) ; } } ; int main() { Bird chiken( "piyo" ) ; chiken.move() ; chiken.birth() ; Mammal cat( "tama" ) ; cat.move() ; cat.birth() ; return 0 ; }
ここで、カモノハシを作るのであれば、どうすれば良いだろうか?
鳥類・哺乳類とは別にカモノハシを作る(いちばん無難な方法)
class SeaBream : public Animal { public: Mammal( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s walk.\n" , get_name() ) ; } virtual void birth() { printf( "%s lay egg.\n" , get_name() ) ; } } ;
この例では、簡単な処理だが、move() の中身が複雑であれば、改めて move() を宣言するのではなく、継承するだけの書き方ができないだろうか?
多重継承を使う方法(ダイヤモンド型継承が発生する)
C++ には、複数のクラスから、派生する多重継承という機能がある。であれば、鳥類と哺乳類から進化したのだから、以下のように書きたい。
// 多重継承 鳥(Bird)と哺乳類(Mammal) から SeaBeam を作る class SeaBream : public Bird , public Mammal { // } ;
しかし、カモノハシに move() を呼び出すと、鳥類の move() と哺乳類の move() のどちらを動かすか曖昧になる。
また「派生」は、基底クラスと派生クラスの両方のデータを持つデータ構造を作る。このため、単純に多重継承を行うと、カモノハシのクラスでは、派生クラスは親クラスのデータ領域と、派生クラスのデータ領域を持つため、鳥類の name[] と、哺乳類の name[] を二つ持つことになる。多重継承による”ダイヤモンド型継承”の問題
足と羽のクラスを作る場合(本来は多重継承で実装すべきではない)
以下に、足と羽のクラスを作ったうえで、多重継承を行うプログラム例を示す。
しかし、この例では、相変わらずカモノハシのクラスを多重継承で実装すると、ダイヤモンド型継承の問題が残る。
class Animal { private: char name[ 10 ] ; public: Animal( const char s[] ) { strcpy( name , s ) ; } const char* get_name() const { return name ; } virtual void move() = 0 ; } ; // 羽 class Wing { public: const char* move_method() { return "fly" ; } } ; // class Leg { public: const char* move_method() { return "walk" ; } } ; class Bird : public Animal , public Wind { public: Bird( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s %s.\n" , get_name() , move_method() ) ; } } ; class Mammal : public Animal , public Leg { public: Mammal( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s %s.\n" , get_name() , move_method() ) ; } } ;
継承を使うべきか、部品として持つべきか
ただし、ここで述べた方式は、UML による設計の際に改めて説明を行うが、is-a , has-a の関係でいうなら、
- Bird is a Animal. – 鳥は動物である。
- “Bird has a Animal” はおかしい。
- 鳥は、動物から派生させるのが正しい。
- Bird has a Wing. – 鳥は羽をもつ。
- “Bird is a Wing” はおかしい。
- 鳥は、羽を部品として持つべき。
であることから、Wing は 継承で実装するのではなく、集約もしくはコンポジションのような部品として実装すべきである。
このカモノハシ問題をどうしても多重継承で実装したいのなら、C++では、以下のような方法で、ダイヤモンド型の継承問題を解決できる。
class Animal { private: char name[ 10 ] ; public: Animal( const char s[] ) { strcpy( name , s ) ; } const char* get_name() const { return name ; } virtual void move() = 0 ; virtual void birth() = 0 ; } ; // 鳥類クラス class Bird : public virtual Animal { public: Bird( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s fry.\n" , get_name() ) ; } virtual void birth() { printf( "%s lay egg.\n" , get_name() ) ; } } ; // 哺乳類クラス class Mammal : public virtual Animal { public: Mammal( const char s[] ) : Animal( s ) {} virtual void move() { printf( "%s walk.\n" , get_name() ) ; } virtual void birth() { printf( "%s lay baby.\n" , get_name() ) ; } } ; class SeaBream : public virtual Bird , virtual Mammal { public: SeaBream( const char s[] ) : Animal( s ) {} void move() { Mammal::move() ; } void birth() { Bird::birth() ; } } ;
ただし、多重継承は親クラスの情報と、メソッドを継承する。この場合、通常だと name[] を二つ持つことになるので、問題が発生する。そこで、親クラスの継承に virtual を指定することで、ダイヤモンド型継承の 2つの属性をうまく処理してくれるようになる。
しかし、多重継承は処理の曖昧さや効率の悪さもあることから、採用されていないオブジェクト指向言語も多い。特に Java は、多重継承を使えない。その代わりに interface という機能が使えるようになっている。
多重継承を使える CLOS や Python では、適用するメソッドやインスタンス変数の曖昧さについては親クラスへの優先度を明確にできる機能がある。曖昧さの問題を避けるのであればクラス限定子”::”を使うべきである。
UMLと構造図
前回の説明のUMLのできたころの話を踏まえ、UMLの中のプログラムの構造図の説明を行う。
UML(Unified Modeling Language)記法が生まれるまで
巨大なプロジェクトでプログラムを作る場合、対象となるシステムを概念として表現する場合、オブジェクト指向分析(OOA: Object Oriented Analysis)やオブジェクト指向設計(OOD: Object Oriented Design)とよばれるソフトウェア開発方法が重要となる。(総称して OOAD – Object Oriented Analysis and Design)
これらの開発方法をとる場合、(1)自分自身で考えを整理したり、(2)グループで設計を検討したり、(3)ユーザに仕様を説明したりといった作業が行われる。この時に、自分自身あるいはチームメンバーあるいはクライアントに直感的に図を用いて説明する。この時の図の書き方を標準化したものが UML であり、(a)処理の流れを説明するための振る舞い図(以前であればフローチャートやPAD)と、(b)データ構造を説明するための構造図を用いる。
UMLは、ランボーによるOMT(Object Modeling Technique どちらかというとOOA中心)と、 ヤコブソンによるオブジェクト指向ソフトウェア工学(OOSE)を元に1990年頃に 発生し、ブーチのBooch法(どちらかというとOOD中心)の考えをまとめ、 UML(Unified Modeling Language)としてでてきた。
UMLでよく使われる図を列記すると、以下の物が挙げられる。
- 構造図
- クラス図
- コンポーネント図
- 配置図
- オブジェクト図
- パッケージ図
- 振る舞い図
- アクティビティ図
- ユースケース図
- ステートチャート図(状態遷移図)
- 相互作用図
- シーケンス図
- コミュニケーション図(コラボレーション図)
UMLを正しく使うことができるようになれば、UMLで仕様書を書けばそれがそのままプログラムになることが理想的な姿かもしれない。ソフトウェア開発やソフトウェアの保守にソフトウェアツールを利用することは、CASE(Computer Aided Software Engineering)と呼ばれ、そのようなツールをCASEツールと呼ぶ。地元福井の永和システムマネジメントでは、astar* というCASEツールを開発している。
UMLの構造図の書き方の説明。 詳しくは、参考ページのUML入門などが、分かりやすい。
クラス図
クラス図は、構造図の中の基本的な図で、 枠の中に、上段:クラス名、中段:属性(要素)、下段:メソッド(関数)を記載する。 属性やメソッドの可視性を示す場合は、”-“:private、”+”:public、”#”:protected 可視性に応じて、”+-#”などを記載する。
関連
クラスが他のクラスと関係がある場合には、その関係の意味に応じて、直線や矢印で結ぶ。
(a)関連(association):単純に関係がある場合、
(b)集約(aggregation):部品として持つが、弱い結びつき。関係先が消滅しても別に存在可能。(has-a)
(c)コンポジション(composition):部品として持つが強い結びつき。関係先と一緒に消滅。(has-a)
(d)依存(dependency):依存関係にあるだけ
(e)派生(generalization):派生・継承した関係(is-a)
(f)実現(realization): Javaでのinterfaceによる多重継承
上図の例では、乗り物クラスVehicleから自動車Carが派生し(CarからVehicleへの三角矢印―▷)、 自動車は、エンジン(Engine)を部品として持つ(EngineからCarへのひし形矢印―◆)。エンジンは車体と一緒に廃棄なら、コンポジション(C++であれば部品の実体を持つ)で実装する。
自動車は、同じく車輪(Wheel)を4つ持つが、自動車を廃棄してもタイヤは別に使うかもしれないので、集約(部品への参照を持つ)で実装する(WheelからCarへのひし形矢印―◇)。 集約で実装する場合は、C++などであれば、ポインタで部品を持ち、部品の廃棄(delete)は、別に行うことになる。
Javaなどのプログラム言語では、オブジェクトはデータの実体へのポインタで扱われるため、コンポジションと集約を区別して表現することは少ない。
is-a 、has-a の関係
前の課題でのカモノハシクラスで、羽や足の情報をどう扱うべきかで、悩んだ場合と同じように、 クラスの設計を行う場合には、部品として持つのか、継承として機能を持つのか悩む場合がある。 この場合には、“is-a”の関係、“has-a”の関係で考えると、部品なのか継承なのか判断しやすい。
たとえば、上の乗り物(Vehicle)クラスと、車(Car)のクラスは、”Car is-a Vehicle” といえるので、is-a の関係。 “Car is-a Engine”と表現すると、おかしいことが判る。 車(Car)とエンジン(Engine)のクラスは、”Car has-a Engine”といえるので、has-a の関係となる。 このことから、CarはVehicleからの派生であり、Carの属性としてEngineを部品として持つ設計となる。
オブジェクト図
クラス図だけで表現すると、複雑なクラス関係では、イメージが分かりづらい場合がでてくる。 この場合、具体的な値を図に書き込んだオブジェクトで表現すると、説明がしやすい場合がある。 このように具体的な値で記述するクラス図は、オブジェクト図と言う。 書き方としては、クラス名の下に下線を引き、中段の属性の所には具体的な値を書き込んで示す。
パッケージ図
パッケージ図は、クラス図をパッケージ毎に分類して記載する図。 パッケージのグループを、フォルダのような図で記載する。

IT専科から引用
コンポーネント図とコンポジット構造図
コンポジット構造図は、クラスやコンポーネントの内部構造を示すもので、コンポーネント図は、複数のクラスで構成される処理に、 インタフェースを用意し、あたかも1つのクラスのように扱ったもの。 接続するインタフェースを飴玉と飴玉を受けるクチのイメージで、提供側を◯───で表し、要求側を⊃──で表す。

IT専科から引用
配置図
配置図は、システムのハードウェア構成や通信経路などを表現するための図。 ハードウェアは直方体の絵で表現し、 デバイスの説明は、”≪device≫”などを示し、実行環境には、”≪executionEnvironment≫” などの目印で表現する。

IT専科から引用
UMLと構造図
UMLの構造図の書き方の説明。 詳しくは、参考ページのUML入門などが、分かりやすい。
クラス図
クラス図は、構造図の中の基本的な図で、 枠の中に、上段:クラス名、中段:属性(要素)、下段:メソッド(関数)を記載する。 属性やメソッドの可視性を示す場合は、”-“:private、”+”:public、”#”:protected 可視性に応じて、”+-#”などを記載する。
関連
クラスが他のクラスと関係がある場合には、その関係の意味に応じて、直線や矢印で結ぶ。
(a)関連(association):単純に関係がある場合、
(b)集約(aggregation):部品として持つが、弱い結びつき。関係先が消滅しても別に存在可能。
(c)コンポジション(composition):部品として持つが強い結びつき。関係先と一緒に消滅。
(d)依存(dependency):依存関係にあるだけ
(e)派生(generalization):派生・継承した関係
(f)実現(realization): Javaでのinterfaceによる多重継承
上図の例では、乗り物クラスVehicleから自動車がCarが派生し、 自動車は、エンジン(Engine)を部品として持つ。エンジンは車体と一緒に廃棄なら、コンポジション(部品の実体を持つ)で実装する。
自動車は、同じく車輪(Wheel)を4つ持つが、自動車を廃棄してもタイヤは別に使うかもしれないので、集約(部品への参照を持つ)で実装する。 集約で実装する場合は、C++などであれば、ポインタで部品を持ち、部品の廃棄(delete)は、別に行うことになる。
is-a 、has-a の関係
前の課題でのカモノハシクラスで、羽や足の情報をどう扱うべきかで、悩んだ場合と同じように、 クラスの設計を行う場合には、部品として持つのか、継承として機能を持つのか悩む場合がある。 この場合には、“is-a”の関係、“has-a”の関係で考えると、部品なのか継承なのか判断しやすい。
たとえば、上の乗り物(Vehicle)クラスと、車(Car)のクラスは、”Car is-a Vehicle” といえるので、is-a の関係。 “Car is-a Engine”と表現すると、おかしいことが判る。 車(Car)とエンジン(Engine)のクラスは、”Car has-a Engine”といえるので、has-a の関係となる。 このことから、CarはVehicleからの派生であり、Carの属性としてEngineを部品として持つ設計となる。
オブジェクト図
クラス図だけで表現すると、複雑なクラス関係では、イメージが分かりづらい場合がでてくる。 この場合、具体的な値を図に書き込んだオブジェクトで表現すると、説明がしやすい場合がある。 このように具体的な値で記述するクラス図は、オブジェクト図と言う。 書き方としては、クラス名の下に下線を引き、中段の属性の所には具体的な値を書き込んで示す。
その他の構成図
その他の構成図としては、コンポーネント図(物理的な構成要素から、システムの構造を表現する図)、 配置図(ハードウェアとアプリケーションの関係を図示したもの)、パッケージ図(パッケージ同士の関係をグループ化した図) なども用いる。
UMLと構造図
UMLの構造図の書き方の説明。 詳しくは、参考ページのUML入門などが、分かりやすい。
雑談
UMLは、プログラムを図によってイメージを説明するために作られたが、プログラムに対する説明はコメントで書くことの方が多いだろう。このプログラムの説明の究極の姿として、
とWEBがある。
は、数式などを意味的に記述したものを数学的な書式で表示するためのツールであり、これを開発したクヌースは、そのドキュメントをEWBによって記載している。WEBは、プログラムの説明を記載したドキュメントであり、この中に説明を交えたプログラムを記載する。このドキュメントをツールにかけることで、綺麗にレイアウトしたドキュメントや、プログラムのソースコードを取り出すことができる。
クラス図
クラス図は、構造図の中の基本的な図で、 枠の中に、上段:クラス名、中段:属性(要素)、下段:メソッド(関数)を記載する。 属性やメソッドの可視性を示す場合は、”-“:private、”+”:public、”#”:protected 可視性に応じて、”+-#”などを記載する。
関連
クラスが他のクラスと関係がある場合には、その関係の意味に応じて、直線や矢印で結ぶ。
(a)関連:単純に関係がある場合、
(b)集約:部品として持つが、弱い結びつき。関係先が消滅しても別に存在可能。
(c)コンポジション:部品として持つが強い結びつき。関係先と一緒に消滅。
(d)依存:依存関係にあるだけ
(e)派生:派生・継承した関係
(f)実現: Javaでのinterfaceによる多重継承
上図の例では、乗り物クラスVehicleから自動車がCarが派生し、 自動車は、エンジン(Engine)を部品として持つ。エンジンは車体と一緒に廃棄なら、コンポジションで実装する。
自動車は、同じく車輪(Wheel)を4つ持つが、自動車を廃棄してもタイヤは別に使うかもしれないので、集約で実装する。 集約で実装する場合は、C++などであれば、ポインタで部品を持ち、部品の廃棄(delete)は、別に行うことになる。
is-a 、has-a の関係
前の課題でのFigureクラスで、Color 情報をどう扱うべきかで、悩んだ場合と同じように、 クラスの設計を行う場合には、部品として持つのか、継承として機能を持つのか悩む場合がある。 この場合には、“is-a”の関係、“has-a”の関係で考えると、部品なのか継承なのか判断しやすい。
たとえば、上の乗り物(Vehicle)クラスと、車(Car)のクラスは、”Car is-a Vehicle” といえるので、is-a の関係。 “Car is-a Engine”と表現すると、おかしいことが判る。 車(Car)とエンジン(Engine)のクラスは、”Car has-a Engine”といえるので、has-a の関係となる。 このことから、CarはVehicleからの派生であり、Carの属性としてEngineを部品として持つ設計となる。
オブジェクト図
クラス図だけで表現すると、複雑なクラス関係では、イメージが分かりづらい場合がでてくる。 この場合、具体的な値を図に書き込んだオブジェクトで表現すると、説明がしやすい場合がある。 このように具体的な値で記述するクラス図は、オブジェクト図と言う。 書き方としては、クラス名の下に下線を引き、中段の属性の所には具体的な値を書き込んで示す。
その他の構成図
その他の構成図としては、コンポーネント図(物理的な構成要素から、システムの構造を表現する図)、 配置図(ハードウェアとアプリケーションの関係を図示したもの)、パッケージ図(パッケージ同士の関係をグループ化した図) なども用いる。
UMLと構造図
UMLの構造図の書き方の説明。 詳しくは、参考ページのUML入門などが、分かりやすい。
クラス図
クラス図は、構造図の中の基本的な図で、 枠の中に、上段:クラス名、中段:属性(要素)、下段:メソッド(関数)を記載する。 属性やメソッドの可視性を示す場合は、”-“:private、”+”:public、”#”:protected 可視性に応じて、”+-#”などを記載する。
関連
クラスが他のクラスと関係がある場合には、その関係の意味に応じて、直線や矢印で結ぶ。
(a)関連:単純に関係がある場合、
(b)集約:部品として持つが、弱い結びつき。関係先が消滅しても別に存在可能。
(c)コンポジション:部品として持つが強い結びつき。関係先と一緒に消滅。
(d)依存:依存関係にあるだけ
(e)派生:派生・継承した関係
(f)実現: Javaでのinterfaceによる多重継承
上図の例では、乗り物クラスVehicleから自動車がCarが派生し、 自動車は、エンジン(Engine)を部品として持つ。エンジンは車体と一緒に廃棄なら、コンポジションで実装する。
自動車は、同じく車輪(Wheel)を4つ持つが、自動車を廃棄してもタイヤは別に使うかもしれないので、集約で実装する。 集約で実装する場合は、C++などであれば、ポインタで部品を持ち、部品の廃棄(delete)は、別に行うことになる。
is-a 、has-a の関係
前の課題でのFigureクラスで、Color 情報をどう扱うべきかで、悩んだ場合と同じように、 クラスの設計を行う場合には、部品として持つのか、継承として機能を持つのか悩む場合がある。 この場合には、“is-a”の関係、“has-a”の関係で考えると、部品なのか継承なのか判断しやすい。
たとえば、上の乗り物(Vehicle)クラスと、車(Car)のクラスは、”Car is-a Vehicle” といえるので、is-a の関係。 “Car is-a Engine”と表現すると、おかしいことが判る。 車(Car)とエンジン(Engine)のクラスは、”Car has-a Engine”といえるので、has-a の関係となる。 このことから、CarはVehicleからの派生であり、Carの属性としてEngineを部品として持つ設計となる。
オブジェクト図
クラス図だけで表現すると、複雑なクラス関係では、イメージが分かりづらい場合がでてくる。 この場合、具体的な値を図に書き込んだオブジェクトで表現すると、説明がしやすい場合がある。 このように具体的な値で記述するクラス図は、オブジェクト図と言う。 書き方としては、クラス名の下に下線を引き、中段の属性の所には具体的な値を書き込んで示す。
その他の構成図
その他の構成図としては、コンポーネント図(物理的な構成要素から、システムの構造を表現する図)、 配置図(ハードウェアとアプリケーションの関係を図示したもの)、パッケージ図(パッケージ同士の関係をグループ化した図) なども用いる。