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UMLと振る舞い図

前回の講義で説明した構造図に続いて、処理の流れを説明するための振る舞い図の説明。

講義の後半は、UML作成のレポートの課題時間とする。

振る舞い図

参考資料をもとに振る舞い図の説明を行う。

ユースケース図

ユーザなど外部からの要求に対する、システムの振る舞いを表現するための活用事例や機能を表す図がユースケース図。 システムを構築する際に、最初に記述するUMLであり、システムに対する処理要件の全体像や機能を理解するために記述する。 ユーザや外部のシステムは、アクターとよび人形の絵で示す。楕円でシステムに対する具体的な処理をユースケースとして楕円で記述する。 関連する複数のユースケースをまとめて、サブジェクトとして示す場合もある。

上記の例は、学生が受講登録をして、授業に参加し、テストを受けるという様を表現したユースケース図である。また、下記の例にて、私自身が児童の保護システムを構築した際のユースケース図を示す。このように、システムの機能がどういったものがあるのかを網羅的に説明する際にユースケース図がよく使われる。

アクティビティ図

処理順序を記述するための図にはフローチャートがあるが、上から下に処理順序を記述するため、縦長の図になりやすい。また、四角枠の中に複雑なことを書けないので、UMLではアクティビティ図を用いる。

上記のアクティビティ図は、朝起きて出勤するまでの処理の流れを記述したものである。フローチャートと違い上から下に延びる図に限らず左右に広げて記載してある。

初期状態●から、終了状態◉までの手順を示すためのものがアクティビティ図。 フローチャートに無い表現として、複数の処理を並行処理する場合には、フォークノードで複数の処理を併記し、最終的に1つの処理になる部分をジョインノードで示す。 通常の処理は、角丸の長方形で示し、条件分岐(デシジョンノード)や合流(マージノード)はひし形で示す。

ステートチャート図(状態遷移図)

ステートチャート図は、処理内部での状態遷移を示すための図。 1つの状態を長丸長方形で示し、初期状態●から終了状態◉までを結ぶ。 1つの状態から、なんらかの状態で他の状態に遷移する場合は、分岐条件となる契機(タイミング)とその条件、およびその効果(出力)を「契機[条件]/効果」で矢印に併記する。 複数の状態をグループ化して表す場合もある。

上記のステートチャート図は、普通高校と高専の入学から卒業就職までを記載したものである。

シーケンス図

複数のオブジェクトが相互にやり取りをしながら処理が進むようなもののタイミングを記述するためのものがシーケンス図という。 上部の長方形にクラス/オブジェクトを示し、その下に縦軸にて時系列の処理の流れの線(Life Line)を描く。 オブジェクトがアクティブな状態は、縦長の長方形で示し、そのLife Line間を、やり取り(メッセージ)の線で相互に結ぶ。 メッセージは、相手側からの返答を待つような同期メッセージは、黒塗り三角矢印で示す。 返答を待たない非同期メッセージは矢印で示し、返答は破線で示す。

上のシーケンス図は、顧客が店員と対応しながらPOS端末でお金の出し入れをする様を表現したものとなっている。

コミュニケーション図

クラスやオブジェクトの間の処理とその応答(相互作用)と関連の両方を表現する図。

応答を待つ同期メッセージは -▶︎、非同期メッセージは→で表す。複数のオブジェクト間のやりとりの相互作用を表現する。

タイミング図

タイミング図は、クラスやオブジェクトの時間と共に状態がどのように遷移するのかを表現する図。

状態変化の発生するタイミングや、時間的な遅れや時間的な制約を図で明記するために使われる。

IT専科・UML入門より引用


UMLで人に説明する図の書き方として紹介してきたけど、よく現場で使われる図としては、ポンチ絵も名前だけは紹介したい。

ポンチ絵

ポンチ絵は、元々は風刺画のような漫画のことをであったが、最近ではビジネススの世界では「構想図」の意味で使われる。 製図の下書きとして作成するものや、イラストや図を使って概要をまとめた企画書などのことを言う。UMLのような書式のルールがある訳ではなく、相手に如何に印象付けるかが基本であり、ポンチ絵1つで企画の是非がきまったりもする。

# プレゼンで文字密度の高いポンチ絵で説明されると、時として細かい所が読めずにイライラすることもある。

製図の下書きとしてのポンチ絵

イラストや図で概要をまとめた企画書としてのポンチ絵