UMLの構造図の書き方の説明。 詳しくは、参考ページのUML入門などが、分かりやすい。
クラス図
クラス図は、構造図の中の基本的な図で、 枠の中に、上段:クラス名、中段:属性(要素)、下段:メソッド(関数)を記載する。 属性やメソッドの可視性を示す場合は、”-“:private、”+”:public、”#”:protected 可視性に応じて、”+-#”などを記載する。
関連
クラスが他のクラスと関係がある場合には、その関係の意味に応じて、直線や矢印で結ぶ。
(a)関連(association):単純に関係がある場合、
(b)集約(aggregation):部品として持つが、弱い結びつき。関係先が消滅しても別に存在可能。(has-a)
(c)コンポジション(composition):部品として持つが強い結びつき。関係先と一緒に消滅。(has-a)
(d)依存(dependency):依存関係にあるだけ
(e)派生(generalization):派生・継承した関係(is-a)
(f)実現(realization): Javaでのinterfaceによる多重継承
上図の例では、乗り物クラスVehicleから自動車Carが派生し(CarからVehicleへの三角矢印―▷)、 自動車は、エンジン(Engine)を部品として持つ(EngineからCarへのひし形矢印―◆)。エンジンは車体と一緒に廃棄なら、コンポジション(C++であれば部品の実体を持つ)で実装する。
自動車は、同じく車輪(Wheel)を4つ持つが、自動車を廃棄してもタイヤは別に使うかもしれないので、集約(部品への参照を持つ)で実装する。 集約で実装する場合は、C++などであれば、ポインタで部品を持ち、部品の廃棄(delete)は、別に行うことになる。
is-a 、has-a の関係
前の課題でのカモノハシクラスで、羽や足の情報をどう扱うべきかで、悩んだ場合と同じように、 クラスの設計を行う場合には、部品として持つのか、継承として機能を持つのか悩む場合がある。 この場合には、“is-a”の関係、“has-a”の関係で考えると、部品なのか継承なのか判断しやすい。
たとえば、上の乗り物(Vehicle)クラスと、車(Car)のクラスは、”Car is-a Vehicle” といえるので、is-a の関係。 “Car is-a Engine”と表現すると、おかしいことが判る。 車(Car)とエンジン(Engine)のクラスは、”Car has-a Engine”といえるので、has-a の関係となる。 このことから、CarはVehicleからの派生であり、Carの属性としてEngineを部品として持つ設計となる。
オブジェクト図
クラス図だけで表現すると、複雑なクラス関係では、イメージが分かりづらい場合がでてくる。 この場合、具体的な値を図に書き込んだオブジェクトで表現すると、説明がしやすい場合がある。 このように具体的な値で記述するクラス図は、オブジェクト図と言う。 書き方としては、クラス名の下に下線を引き、中段の属性の所には具体的な値を書き込んで示す。
その他の構成図
その他の構成図としては、コンポーネント図(物理的な構成要素から、システムの構造を表現する図)、 配置図(ハードウェアとアプリケーションの関係を図示したもの)、パッケージ図(パッケージ同士の関係をグループ化した図) なども用いる。