後期最初の授業ということで、今までの内容の総括っぽい 質問を交えながらの授業。
単純リストでは、中央値の参照がO(N)であるため、 そのままでは2分探索法のような処理はできない。
そこで、データと2つの枝からなるノードを作り、 データより小さい値を要素にもつ枝を左に、 大きいものは右枝に格納し、この状態がどこでも成り立つようにする。この方式は、2分木(2分探索木)と呼ばれる。
struct Tree { int data ; struct Tree* left ; struct Tree* right ; } ; struct Tree* tcons( int v , struct Tree* l , struct Tree* r ) { struct Tree* n ; n = (struct Tree*)malloc( sizeof( struct Tree ) ) ; if ( n != NULL ) { n->data = v ; n->left = l ; n->right = r ; } return n ; } int find( struct Tree* p , int key ) { while( p != NULL ) if ( p->data == key ) return 1 ; else if ( p->data < key ) p = p->left ; else p = p->right ; } return 0 ; } void main() { struct Tree* top = tcons( 53 , tcons( 28 , tcons( 14 , NULL , NULL ) , tcons( 40 , NULL , NULL ) ) , tcons( 80 , tcons( 63 , NULL , NULL ) , tcons( 91 , NULL , NULL ) ) ) ; if ( find( top , 80 ) ) printf( "find 80\n" ) ; }
この方式であれば、m段のピラミッド状の木であれば、データ件数 N = 2m-1となり、 m段が綺麗に充填されていれば、最悪の場合のループ回数がmであることから、 処理速度は、O(log(N))となる。
データの挿入では、NULLが入った末端まで辿り着いて、新しい枝を挿入することから、 挿入場所の決定(O(log N)),枝追加(O(1))の時間であり、配列(O(N))などに比べても高速となる。 ただし、このデータのような data 部が小さい場合には、data 1件につき2本のポインタを 使用することから、メモリの使用効率は良くない。
ヒープ
2分木とおなじ考え方で、配列の添字をうまくつかった方式にヒープがある。 この方式では、前述の2分探索木のデータを、配列に以下のように格納する。
添字 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
データ | 53 | 28 | 80 | 14 | 40 | 63 | 91 |
この方式を取れば、i番目の要素の左枝は(i*2+1) , 右枝は(i*2+2)といった 簡単な計算で求められる。この方式であれば、ポインタは不要となる。 ただし、新たなデータの挿入処理では、段の上からデータを入れ替えを繰り返すなどの 処理が必要となる。
次回には、このデータを操作するための処理で、再帰呼び出しなどを用いる事例を紹介。