ファイル処理に関する説明が終わったので、 ファイル処理の演習を行う。 演習にあたって、バッファオーバフローの危険性やその対応方法などの説明も行う。
演習とファイル入出力
演習は、ファイルの入出力であることから、あらかじめ作っておいたデータファイルを 読み込み、何らかの加工を加えてファイルに出力とする。 データは、名前+点数5科目、名前+身長体重、名前+生年月日より、 出席番号に応じて課題に取り組む。
ファイル入力+出力の処理の大まかは、以下のとおりになるだろう。
FILE* fp_in ; FILE* fp_out ; if ( (fp_in = fopen( "..." , "rt" )) != NULL ) { if ( (fp_out = fopen( "..." , "wt" )) != NULL ) { while( fscanf( fp_in , .... ) != ... ) { fprintf( fp_out , .... ) ; } fclose( fp_out ) ; } fclose( fp_in ) ; }
安全な入力
ファイルの説明にあたり、scanf() の %s , %d の入力の仕組みとして、 「基本は空白があれば読み飛ばし、空白を見つけるまでをデータとして格納」 といった説明を、ファイルポインタ(FILE*という意味でなく、ファイル上の読み書き位置の意味)を交えながら解説する。
char str[ 10 ] ; scanf( "%s" , str ) ;
安全な入力対策として、上記のような入力は、10文字以上のデータを与えた場合、 危険であることを説明する。 特に、文字配列が局所変数であれば、近辺にある"関数からの戻り番地"も破壊される 可能性がある。さらに配列をはみ出す領域に、悪意のあるプログラム(機械語)を配置し、 関数戻り番地をそのプログラムに合わせることができれば、悪意のあるプログラムを 起動できることを説明する。(一般的にバッファオーバフローと呼ばれる)
このため、バッファオーバフローを起こさないためにも、入力文字制限の 可能な fgets() を使用するなどのテクニックも紹介する。
FILE* fp ; // 何らかのファイル char buff[ 100 ] ; while( fgets( buff , sizeof( buff ) , fp ) != NULL ) { char name[ 100 ] ; int data ; if ( sscanf( buff , "%s%d" , name , &data ) == 2 ) { // name,dataを使った処理 } }