待ち行列(QUEUE)、2進数を使った集合
前回の授業でStack(LIFO)を説明したので、 今日はQueue(FIFO)を説明する。
待ち行列Queue
待ち行列(Queue)は、FIFO(First In First Out)を配列で実装する場合、 一般的には、以下のようになる。 ただしエラー対策は記載していないので、要注意。
int que[ 100 ] ; int wp = 0 ; // 書き込み用ポインタ int rp = 0 ; // 読み出し用ポインタ void put( int x ) { que[ wp ] = x ; wp = (wp + 1) % 100 ; // 循環させる } int get() { int ans = que[ rp ] ; rp = (rp + 1) % 100 ; // 循環させる return ans ; }
このような配列の領域を使い切ったら、先頭から再利用するような方法は、 リングバッファなどと呼ばれる。 このような待ち行列は、キー入力バッファや、プロセス待ち行列などに よく利用される。 しかし、このプログラムでも、配列サイズ以上の データは保存できないので、 リストを用いる。
struct List* top = NULL ; struct List** tail = &top ; void put( int x ) { *tail = cons( x , NULL ) ; tail = &( (*tail)->next ) ; } int get() { int ans = top->data ; struct List* del = top ; top = top->next ; free( del ) ; return ans ; }
ただし、このプログラムは、 常に1件以上データがリストに入っている場合は 問題がないが、 get() を実行して、データ件数が0件になると、 tail の指す先が おかしくなるので注意が必要。
また、待ち行列では、先頭ポインタと末尾ポインタの2つが必要であるが、 リスト構造の末尾のNULLを、先頭データを指すようにする循環リストと する場合も多い。 特に、プロセス待ち行列を実装するときのラウンドロビン方式 などでは、 末尾まで処理が及んだ次は先頭に戻って処理を行うため、 循環リストは都合がいい。
集合と2進数
集合を扱うプログラムでもリスト構造はよく利用される。 しかし、対比のためにまずは、2進数を使った集合処理を考える。
// 数学的な集合計算 A = { 1,2,3,5,7 } B = { 1,2,4,8 } A∩B = { 1,2 } // 積集合 A∪B = { 1,2,3,4,5,7,8 } // 和集合 A-B = { 3,5,7 } // 差集合
この例のような数値の集合であれば、2進数を使ったテクニックで簡単。
int a = (1<<1) | (1<<2) | (1<<3) | (1<<5) | (1<<7) ; int b = (1<<1) | (1<<2) | (1<<4) | (1<<8) ; int a_cap_b = a & b ; int a_cup_b = a | b ; int n = 値 ; // nがaに含まれるか? if ( a & (1<<n) != 0 ) nがaに含まれる ;