オムニホイールでやってはいけないこと
歯みがきロボコンでは、オムニホイールの車体を今年も参戦させる予定。 昨年よりさらなる応用ということで、今年は反射型光センサーを前4個、後2個にしてみた。
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エントリーしている学生さんに応用してもらうための、 サンプルプログラムを書いてみた。 しかし、思ったほどプログラム通り動いてくれない。 色々実験して解ったのは、「車体の重心と歪みの影響」が重要であること。
車体の重心と歪みの影響
一昨年度の画像処理のロボットでも、プログラムの通りに動かないトラブルがあった。 この時の問題点は、重心と駆動輪の関係。 この時の車体は、前に2つの駆動モータと後ろに2つのキャスターを積んでいたが、 車体に歪みがあると、4つのタイヤの接地圧力に偏りが発生し、 駆動輪の片側が空すべりが発生しやすい。 そこで昨年度の車体では、車体の重心を駆動輪側に寄せた。 これにより空すべりはキャスター側で発生するため、車体はスムーズに動くようになった。
o---o o---o キャスター | | |(W)| (W)重心 # | | # # | | # #=M(W)M=# #=M M=# 駆動輪 # |___| # # |___| # 良い例 悪い例
オムニホイールでも同様で、車体に歪みがあると、4つのタイヤの接地圧力に偏りが発生し、 空すべりが発生しやすい。高価なウレタンフォームのタイヤを使えばある程度は改善するとは 思われるが、歪みが大きければたとえウレタンでも空すべりは発生するだろう。
今日、試作で作った車体では、オムニホイール上に制御部を乗せる時に、 オムニホイールの取り付けてある板と、制御部の板をスペーサを挟んで外れにくいように ネジ止めした。 しかし、ネジ穴の位置の微妙なズレから、オムニホイールの板を微妙に歪ませてしまった。 このため移動方向にムラが発生し、プログラムでの回転方向どおりに動いてくれなかった。
ということで、オムニホイールのロボットでやってはいけないこと。
- オムニホイールの板と制御部の板を、歪むような強い力でネジ止めしてはいけない。
- 対角の2つのタイヤを動かし、逆対角を止めるようなプログラムは書いてはいけない。 車体の歪みによっては、回転を止めている逆対角の車輪で接地している状態になり、 空回りが発生する。
前-止 転-止 左-左 |〇| |〇| |〇| 前-止 止-転 止-止 良い例 悪い例 良い例
オムニホイール車体の実験動画
歯みがきロボコンにエントリーのオムニホイール車体の動作チェック。 ターゲット前で、近づきつつ左右にスライドして、 数回のスライドの後に後方に戻る処理で繰り返し。
方向を変えずに左右に動いたりできるのは、オムニホイールならでは… また、後方にもセンサーをつけてあるのでバックしたりも簡単。