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2013年10月6日(第341回)
- 鯖江CM対象応募について
- まるよし Train Pops ~ 国語と遊ぼう! 第25便 「外国語と外来語」
- ベトナムの話
担当:前田勝(4EI)、山野(2C)、西(教員)
構造体
後期の中間試験までで、構造体について説明の予定。
構造体がなかったら
構造体がない場合、同じようなデータが複数現れると、 配列にしたりすることになるが、そのバリエーションでは、 単純に配列にするだけでは不十分となる。
#define SIZE 50 char name[ SIZE ][ 20 ] ; int math[ SIZE ] ; int sci[ SIZE ] ; int eng[ SIZE ] ; // 複数の学科 char m_name[ SIZE ][ 20 ] ; int m_math[ SIZE ] ; : int ei_name[ SIZE ][ 20 ] ; int ei_math[ SIZE ] ; :
m_name , ei_name といった名前を使い分ける必要があり、 同じような処理をまとめることが難しい。
構造体を使う
複数の異なるデータを、1つの型としてまとめるものが、 構造体。最近のオブジェクト指向では、構造体の概念を 拡張したものなので、必ず使えるようになっておく必要あり。
struct Student { char name[ 20 ] ; int math ; int sci ; int eng ; } ; struct Student saitoh ; struct Student data[ 50 ] ; saitoh.math = 80 ; strcpy( saitoh.name , "t-saitoh" ) ; strcpy( data[ 0 ].name , "aoyama" ) ; data[ 0 ].eng = 90 ;
基本は、構造体変数名.要素名 で参照すれば、普通の変数と同じ。
構造体は入れ子にすることもできる。
struct Birthday { int year ; int month ; int day ; } ; struct Person { char name[ 20 ] ; int age ; struct Birthday bday ; } ; struct Person saitoh = { "t-saitoh" , 48 , { 1965 , 2 , 7 } } ;
このように、データ構造をブロック化することを、データの構造化と呼ぶ。 同じように、if (…) { while(…) { … } } といった、ような 入れ子にすることは、手続きの構造化と呼ばれる。 この2つの構造化を合わせて、構造化プログラミングと呼ぶ。
2分探索木
後期最初の授業ということで、今までの内容の総括っぽい 質問を交えながらの授業。
単純リストでは、中央値の参照がO(N)であるため、 そのままでは2分探索法のような処理はできない。
そこで、データと2つの枝からなるノードを作り、 データより小さい値を要素にもつ枝を左に、 大きいものは右枝に格納し、この状態がどこでも成り立つようにする。この方式は、2分木(2分探索木)と呼ばれる。
struct Tree { int data ; struct Tree* left ; struct Tree* right ; } ; struct Tree* tcons( int v , struct Tree* l , struct Tree* r ) { struct Tree* n ; n = (struct Tree*)malloc( sizeof( struct Tree ) ) ; if ( n != NULL ) { n->data = v ; n->left = l ; n->right = r ; } return n ; } int find( struct Tree* p , int key ) { while( p != NULL ) if ( p->data == key ) return 1 ; else if ( p->data < key ) p = p->left ; else p = p->right ; } return 0 ; } void main() { struct Tree* top = tcons( 53 , tcons( 28 , tcons( 14 , NULL , NULL ) , tcons( 40 , NULL , NULL ) ) , tcons( 80 , tcons( 63 , NULL , NULL ) , tcons( 91 , NULL , NULL ) ) ) ; if ( find( top , 80 ) ) printf( "find 80\n" ) ; }
この方式であれば、m段のピラミッド状の木であれば、データ件数 N = 2m-1となり、 m段が綺麗に充填されていれば、最悪の場合のループ回数がmであることから、 処理速度は、O(log(N))となる。
データの挿入では、NULLが入った末端まで辿り着いて、新しい枝を挿入することから、 挿入場所の決定(O(log N)),枝追加(O(1))の時間であり、配列(O(N))などに比べても高速となる。 ただし、このデータのような data 部が小さい場合には、data 1件につき2本のポインタを 使用することから、メモリの使用効率は良くない。
ヒープ
2分木とおなじ考え方で、配列の添字をうまくつかった方式にヒープがある。 この方式では、前述の2分探索木のデータを、配列に以下のように格納する。
添字 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
データ | 53 | 28 | 80 | 14 | 40 | 63 | 91 |
この方式を取れば、i番目の要素の左枝は(i*2+1) , 右枝は(i*2+2)といった 簡単な計算で求められる。この方式であれば、ポインタは不要となる。 ただし、新たなデータの挿入処理では、段の上からデータを入れ替えを繰り返すなどの 処理が必要となる。
次回には、このデータを操作するための処理で、再帰呼び出しなどを用いる事例を紹介。
texlive-full でかっ
紀要の原稿の修正で、ファイルを触ったら、 epsファイルの位置がずれるトラブル。
いろいろ試したけど、うまくいかない。 以前は動いていたので、texlive の更新 のトラブルと考え、ひとまず texlive 関連を アンインストールし、stable にて再インストール。
# aptitude remove texlive # aptitude install texlive/stable
すりゃいいんだろうけど、どれ消す、どれ入れるだ、 選択肢を選ぶのが大変なので、一時的に apt-source から testing,unstable を消して インストールを行う。
データベースのガイダンスと導入話
インターネットの情報量
最初に、インターネットで扱われる情報が増加しているという点で、 世界中の情報量を説明。Googleが推測するインターネットの情報量は、 2010年度では281EB(エクサバイト10^18,kMGTP*E*ZY)で、この時点で 55倍/6年だったらしい。 約2倍/年とすれば、2013年は、2ZB(ゼタバイト)程かな。
ちなみに人間の脳は、大脳皮質だけで16TB、脳全体と遺伝情報も含めると230TB程らしい。
Webシステムとデータベース
データベースが情報共有のために重要な技術であり、 Webシステムの中での使われ方 ということで、 サーチエンジンの話(設立当初のYahooのユーザ登録型)や、 Google に代表されるクローラ・ロボットによるサーチエンジンの説明を行う。 これに伴い、データは巨大化し、大量のユーザを抱える現在、 データ検索を極めて短い時間で返答することの難しさを説明する。
このため、一般的なWebシステムでは、Webサーバを負荷分散目的で大量に配置し、 その後段にスレーブデータベースが待機し、 その後段にさらにマスターデータベースが 並ぶという3段スキーマ構成の説明などを行う。 また、最近のIT産業では、システム構築からサービス開始までを短期間に行うために、 LAMP (Linux+Apache+MySQL+PHP) といった構成が多いことなども紹介。
さらに、普及しているリレーショナルデータベースシステムの名称として、 Oracle, MySQL, PostgreSQL, SQLite, BerkleyDB などを紹介し、 ネットワーク型、ファイル型 の違いやSQLを使うもの使わない物などがあることも紹介。 最近では、巨大なデータベースを分散システム上に作る必要から、NoSQLなどと呼ばれる 手法も使われている。
データベースが無かったら…
C言語レベルの簡単な演習でデータベースっぽいことをする時は、 fscanf+fprintfだろうけど、大量データを永続的に扱いたいのであれば、 全データ読み込み&全データ出力のプログラムを書くのが簡単。 でも、データ量が増えれば、修正・追加のあった部分だけ書きこむ必要が出てくる。 しかしながら、1行1件のデータであれば1行の長さが変化するとダメ。 こういう場合には、1件のデータ長を固定として、lseek+fwrite+freadを使って ランダムアクセスのプログラムを書くことになる。
しかし、こういうプログラムは1件のデータ長が変化すれば、 プログラムの修正も大変。 さらに、複数の並行処理で書き換えを行えるのであれば、 flockなどを使ったプログラムが 必要となる。
計算機システムガイダンス+歴史
専攻科1年の計算機システムの初回。 生産システム全員+環境システム1名で始まった。
計算機システムの授業などについて、シラバスを使って説明した後、 最初の授業として、コンピュータの歴史などを概説。
計算機の歴史
ENIACに始まり、演算素子の変化から、 第一世代(真空管)、第二世代(半導体)、 第三世代(IC)、第3.5世代(LSI)、第四世代(VLSI)との変遷を説明する。
次に学生自身が縁の深いということで、パソコンの歴史などを説明する。 電卓向けのi4004から、8bitコンピュータi8008が発生し、 パソコンの普及で、i8080(Z80を含む)、MC6800(6502,6809)などが 使われていく。
性能があがり、16bitコンピュータに移行する際には、i8086のIBM-AT機 向けに MS-DOS(Microsoft) が開発される。この際に機械語の命令互換性 を考慮したことから、この後、Intel のプロセッサが広く普及していく。 一方、モトローラの16bitコンピュータ68000は、命令互換性が低く、 売れ行きが伸びないながらも、Apple社のMacintoshに採用され、 GUIの操作性の良さから教育機関などでは普及が進んだ。 MacintoshのGUIの成功は、Microsoft社にも及び、Windows が開発される。
MacintoshやWindowsのGUIが普及すると、複数のアプリケーションを使う ことが当たり前となり、これまでのシングルユーザ・シングルタスクな OSでは不十分となり、マルチユーザ・マルチタスクなOSが必要となった。 これらのOSでは、他のアプリケーションの不具合の影響を受けないために、 メモリ保護機能などが重要となってきた。 GUIのために十分な処理速度とメモリ保護機能などを備える必要から、 32bitコンピュータが出てきた。
32bitコンピュータとして、Intelの80386やモトローラの68030などが 生まれるが、16bit移行時の市場を Intel が握っていた。 このため、WindowsとIntelの影響力が大きいことから、Wintelといった 言葉で揶揄されることも多かった。
32bitコンピュータの普及と共に、Windowsでは、シングルタスク・ シングルユーザのWindows/95などから、マルチタスク・マルチユーザな、 Windows NT/2000/Xp に移行していく。
一方、このWintelの市場の独占には、情報開示とサードパーティによる 競争が大きく影響している。16bitコンピュータでi8086が普及したのは、 IBMがAT機のハードウェアの情報を広く開示し、それにそってAT互換機が 開発され、大量生産による価格競争と性能競争がおこり、安価で高性能 なものが大量に作られたことが原因となっている。
16bitコンピュータが普及する頃には、インターネットの普及も進んだ。 特に、Windows/95 が普及に貢献している。 この一方、OS では、汎用機の高性能なマルチユーザマルチタスク機能の、 Multics を小型コンピュータに移植した unix が生まれている。 これらは、インターネットを支えるサーバなどで広く普及している。
そして、unix は 32bitのi80386で動くようにと、Linux が開発される。 特に、Linuxは、GNUライセンス(無償利用可、改良を加えたら必ず改良物も 公開)であったため、インターネットの普及とともに広く利用されるように なっている。最近では、Android 携帯に Linux が使われている。
2013年9月29日(第340回)
- まるよし Train Pops ~ 国語と遊ぼう! 第24便 「外国語と外来語」
- 「夏休みが終わる」というお話
- 鯖江CM大賞について
担当:前田勝(4EI)、松島(2C)、山野(2C)、西(教員)
科研費に関する講演会
科研費の最近の動向
アメリカのNSF、NIHと比べてまだまだ少ない。
科研費への「基金化」の導入。前倒しや繰越が容易になった。
11月上旬までに調書提出、12月第一段審査、2月第二段審査、3月内定。
審査員は大量の審査を行うので、専門過ぎない説明や図を活用した説明が重要。 新規性や優位性をわかりやすく。 評価は、学術的重要性、妥当性、研究計画方法の妥当性、 独創性革新性、波及効果普遍性、研究遂行能力と研究環境の適切性。
不正使用に関する事例。捏造、改竄、盗用。
研究成果の公開。研究成果報告書、謝辞で科研費を明示。
高専の持ち味を生かして手中に収める科研費
VOS塾形式/グループディスカッションをすることが重要。
# 活力(Vitality)、独創力(Originality)及び世のための奉仕(Services)
科研費は予算申請書。欲しいものにアイデアを出す。
グループディスカッションの方法。5分で理解できる内容か、ワクワクする内容か。 パワポA4×1枚を5分で説明する資料にできるか。
キーワードには専門用語と数字を交えた具体性。 2年目3年目の実験が、目に見えるように。PDF資料で審査されるんだから資料にリンク埋め込みもあり。 自身の実験を踏まえた秘密のような具体性を示す。