libpafeで行き先表示板
linuxで、Felica(Edy)の読み込みのできるライブラリ libpafe が単純で、使いやすそうだったので、ちょいと遊んでみた。 1秒間隔でポーリングさせ、Edyが認識できる度に"(在室)"と"(不在)"が切り替わるようにしてみた。Edy認識のプログラムを20行ほどと、判断+表示切替のShell Script を20行ほど、書いてみた。
下の電光掲示板は、随分前にサーバで制御できるようにしてあったので、 かなり簡単にできてます。
// felica.cxx // // EdyのIDを1秒間隔でポーリング。 // 見つけたらIDを表示して停止 #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <unistd.h> #include <signal.h> extern "C" { #include <libpafe/libpafe.h> #include <libpafe/pasori_command.h> #include <libpafe/felica_command.h> } // 停止判定 volatile int flag_abort = 0 ; // ^C による停止の処理 void func_sigterm( int x ) { flag_abort = 1 ; } int main() { pasori* p ; // PaSoRiを初期化 if ( (p = pasori_open()) != NULL ) { felica* f ; sighandler_t old ; pasori_init( p ) ; // pasori_set_timeout( p , 0 ) ; // timeout forever // イベントハンドラの切り替え old = signal( SIGTERM , func_sigterm ) ; while( !flag_abort ) { // Felicaがあるかチェックする(Edyのみ) if ( (f = felica_polling( p , FELICA_POLLING_EDY , 0 , 1 )) != NULL ) { uint8 idm[ 16 ] ; // IDmを取得する felica_get_idm( f , idm ) ; printf( "%02x:%02x:%02x:%02x:%02x:%02x:%02x:%02x\n" , idm[ 0 ] , idm[ 1 ] , idm[ 2 ] , idm[ 3 ] , idm[ 4 ] , idm[ 5 ] , idm[ 6 ] , idm[ 7 ] ) ; // felica_free()があるはずなんだけど... free( f ) ; // 強制終了 flag_abort = 1 ; break ; } // 1秒間隔 usleep( 1000000 ) ; } // イベントハンドラを戻す signal( SIGTERM , old ) ; // PaSoRiを閉じる pasori_close( p ) ; } return 0 ; }
これを処理する Shell Script。
#!/bin/bash MY_EDY_ID="11:22:33:44:55:66:77:88" EDY_ID="/usr/local/bin/edy_id" EABADGE="/usr/local/bin/eabadge.pl" STATE="HERE" while [ "$STATE" != "" ]; do case $STATE in HERE ) $EABADGE -f "(在室)" ;; OUT ) $EABADGE -f "(不在)" ;; esac GET_ID=`$EDY_ID` while [ "$GET_ID" != "$MY_EDY_ID" ]; do GET_ID=`$EDY_ID` done case $STATE in HERE ) STATE="OUT" ;; OUT ) STATE="HERE" ;; esac done
1文字/1行・入出力関数
ファイル入出力の課題中であるが、並行して1文字/1行・入出力関数の説明を行う。
1文字入出力関数
1文字単位の入出力関数は、以下のとおり。
int fgetc( fp ) // ファイルから1文字入力 getchar() // 標準入力から1文字入力 fputc( c , fp ) // ファイルに1文字出力 putchar( c ) // 標準出力に1文字出力
fgetc,getcharは、読み込みデータがこれ以上無い場合には、EOF(#defineで-1)が 帰ってくる。使い方の一例は以下のとおり。
FILE* fp ; if ( (fp = fopen( "hoge.txt" , "rt" )) != NULL ) { int c ; while( (c = fgetc( fp )) != EOF ) { putchar( c ) ; // ファイルからのデータを標準出力に } fclose( fp ) ; }
fgetc(),getchar() は、読み込んだ1文字データの文字コードを返す。 これ以上読むデータが無い場合は、-1(EOF)を返す。 このため、文字コード(256通り)と"-1"を合わせた257通りが考えられるため、 読み込んだ値を保存する c は、char型でなくint型でなければならない。
入力バッファリング
getchar() の例として、入力の小文字を大文字に変換するプログラムは、 以下のようになる。このプログラムを動かすと、本来であれば1文字入力・変換・出力 の繰り返しであり、キーボードで"abc"と入力すれば、1文字毎に大文字が出力され、 画面には、"aAbBcC"と表示されると思われがちである。
int c ; while( (c = getchar()) != EOF ) { if ( c >= 'a' && c <= 'z' ) c = c-'a' + 'A' ; putchar( c ) ; }
しかしながら、getchar()などの関数は、バッファリングが行われるため、 特にgetcharでは、行単位のバッファリングが行われる。 プログラムで入力処理が始まると、1行分のデータが溜まるまで、getchar()からは 値が読み取れない。1行のデータが溜まった時点で、その蓄えられたバッファから、 1文字づつ読み取られ処理が繰り返される。
1行入出力関数
1行単位のファイル入出力では、fgets() , fputs() が使われる。 標準出力の文字列出力では、puts()が使われる。
FILE* fp ; if ( (fp = fopen( "in.txt" , "rt" )) != NULL ) { char str[ 100 ] ; while( fgets( str , sizeof( str ) , fp ) != NULL ) { puts( str ) ; } fclose( fp ) ; }
待ち行列(QUEUE)、2進数を使った集合
前回の授業でStack(LIFO)を説明したので、 今日はQueue(FIFO)を説明する。
待ち行列Queue
待ち行列(Queue)は、FIFO(First In First Out)を配列で実装する場合、 一般的には、以下のようになる。 ただしエラー対策は記載していないので、要注意。
int que[ 100 ] ; int wp = 0 ; // 書き込み用ポインタ int rp = 0 ; // 読み出し用ポインタ void put( int x ) { que[ wp ] = x ; wp = (wp + 1) % 100 ; // 循環させる } int get() { int ans = que[ rp ] ; rp = (rp + 1) % 100 ; // 循環させる return ans ; }
このような配列の領域を使い切ったら、先頭から再利用するような方法は、 リングバッファなどと呼ばれる。 このような待ち行列は、キー入力バッファや、プロセス待ち行列などに よく利用される。 しかし、このプログラムでも、配列サイズ以上の データは保存できないので、 リストを用いる。
struct List* top = NULL ; struct List** tail = &top ; void put( int x ) { *tail = cons( x , NULL ) ; tail = &( (*tail)->next ) ; } int get() { int ans = top->data ; struct List* del = top ; top = top->next ; free( del ) ; return ans ; }
ただし、このプログラムは、 常に1件以上データがリストに入っている場合は 問題がないが、 get() を実行して、データ件数が0件になると、 tail の指す先が おかしくなるので注意が必要。
また、待ち行列では、先頭ポインタと末尾ポインタの2つが必要であるが、 リスト構造の末尾のNULLを、先頭データを指すようにする循環リストと する場合も多い。 特に、プロセス待ち行列を実装するときのラウンドロビン方式 などでは、 末尾まで処理が及んだ次は先頭に戻って処理を行うため、 循環リストは都合がいい。
集合と2進数
集合を扱うプログラムでもリスト構造はよく利用される。 しかし、対比のためにまずは、2進数を使った集合処理を考える。
// 数学的な集合計算 A = { 1,2,3,5,7 } B = { 1,2,4,8 } A∩B = { 1,2 } // 積集合 A∪B = { 1,2,3,4,5,7,8 } // 和集合 A-B = { 3,5,7 } // 差集合
この例のような数値の集合であれば、2進数を使ったテクニックで簡単。
int a = (1<<1) | (1<<2) | (1<<3) | (1<<5) | (1<<7) ; int b = (1<<1) | (1<<2) | (1<<4) | (1<<8) ; int a_cap_b = a & b ; int a_cup_b = a | b ; int n = 値 ; // nがaに含まれるか? if ( a & (1<<n) != 0 ) nがaに含まれる ;
ファイル処理演習と安全な入力
ファイル処理に関する説明が終わったので、 ファイル処理の演習を行う。 演習にあたって、バッファオーバフローの危険性やその対応方法などの説明も行う。
演習とファイル入出力
演習は、ファイルの入出力であることから、あらかじめ作っておいたデータファイルを 読み込み、何らかの加工を加えてファイルに出力とする。 データは、名前+点数5科目、名前+身長体重、名前+生年月日より、 出席番号に応じて課題に取り組む。
ファイル入力+出力の処理の大まかは、以下のとおりになるだろう。
FILE* fp_in ; FILE* fp_out ; if ( (fp_in = fopen( "..." , "rt" )) != NULL ) { if ( (fp_out = fopen( "..." , "wt" )) != NULL ) { while( fscanf( fp_in , .... ) != ... ) { fprintf( fp_out , .... ) ; } fclose( fp_out ) ; } fclose( fp_in ) ; }
安全な入力
ファイルの説明にあたり、scanf() の %s , %d の入力の仕組みとして、 「基本は空白があれば読み飛ばし、空白を見つけるまでをデータとして格納」 といった説明を、ファイルポインタ(FILE*という意味でなく、ファイル上の読み書き位置の意味)を交えながら解説する。
char str[ 10 ] ; scanf( "%s" , str ) ;
安全な入力対策として、上記のような入力は、10文字以上のデータを与えた場合、 危険であることを説明する。 特に、文字配列が局所変数であれば、近辺にある"関数からの戻り番地"も破壊される 可能性がある。さらに配列をはみ出す領域に、悪意のあるプログラム(機械語)を配置し、 関数戻り番地をそのプログラムに合わせることができれば、悪意のあるプログラムを 起動できることを説明する。(一般的にバッファオーバフローと呼ばれる)
このため、バッファオーバフローを起こさないためにも、入力文字制限の 可能な fgets() を使用するなどのテクニックも紹介する。
FILE* fp ; // 何らかのファイル char buff[ 100 ] ; while( fgets( buff , sizeof( buff ) , fp ) != NULL ) { char name[ 100 ] ; int data ; if ( sscanf( buff , "%s%d" , name , &data ) == 2 ) { // name,dataを使った処理 } }
リスト処理を用いたスタック
前回の課題の演習が終わっていない人も多いので、 前半を講義で、後半は演習課題の続きとした。
配列のスタック
int stack[ 100 ] ; int *sp = stack ; void push( int x ) { *sp = x ; sp++ ; } int pop() { sp-- ; return *sp ; } void main() { push( 1 ) ; push( 2 ) ; push( 3 ) ; printf( "%d" , pop() ) ; // 3 printf( "%d" , pop() ) ; // 2 printf( "%d" , pop() ) ; // 1 }
この様なプログラムでは、最後に入れたデータを最初に取り出せるということで、 "Last In First Out(LIFO)"と呼ぶ。一般的にはスタック。
このようなスタックは、関数の戻り番地や局所変数管理に使われる。 また、上記のプログラムでは、stackの配列が100件分しかないので、 push()が連続100回呼び出されれば、配列をはみ出してしまう。
リストのスタック
前述のとおり、配列の大きさ以上のpush()できないので、 必要に応じてメモリを確保するリスト構造を使ってpush() , pop()を書いてみる。
struct List* sp = NULL ; void push( int x ) { // mallocに慣れてほしいので、わざと補助関数consを使わずに struct List* n ; n = (struct List*)malloc( sizeof( struct List ) ) ; if ( n != NULL ) { n->data = x ; n->next = sp ; sp = n ; } } int pop() { struct List* d = sp ; int ans = sp->data ; sp = sp->next ; free( d ) ; return ans ; }
絶対PATH/相対PATH演習+C言語のファイル
今週は公開授業週間ということで、私のプログラミング応用も見学を受けた。 同じ学科の先生だし妙な緊張もなく、いつもどおり。
# 気合が少し入ったのか声の大きさは20%増しだったかも。
先週の絶対/相対PATHの演習ということで、 最初にコマンドラインでのファイル・ディレクトリ生成・削除を説明し、 配布資料に説明した、ディレクトリ構造をコマンドラインで生成する演習。
cd PATH dir PATH type PATH mkdir PATH rmdir PATH echo DATA > PATH del PATH
C言語のファイル
ファイルに関連する話ということで、 最初にFILE型を説明し、fopen,fclose,fscanf,fprint などを解説。
fopenの説明では、テキストモード・バイナリモードなども交えて解説する。 第一引数のファイル指定では、Windowsのディレクトリ区切り文字に 対する注意点なども交えて解説を行う。
FILE* fp ; if( (fp = fopen( "¥¥Windows¥¥PATH¥¥abc.txt" "rt" )) != NULL ) { int x ; while( fscanf( fp , "%d" , &x ) == 1 ) { printf( "%d" , x ) ; } fclose( fp ) ; }
公開授業週間
今週は公開授業週間という、他の先生の授業を見学することで 自分の授業方法の改善につなげよう….という授業見学を行う週。 私自身も、ベテランの先生と若手の先生の授業を見学させてもらった。 他の方の見学があると、なかなか緊張し、 私自身が教員としての最初の授業で、 手が微妙に震えていたことを思い出す。