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専攻科インターンシップ報告会

10/9(水)に専攻科1年(電子情報系)のインターンシップ報告会が行われました。

今年は6名中2名が海外インターンシップに参加しており、国際感覚を体験してきた人もいます。発表は、目標をどのように考え、技術的な体験の内容など、興味深いものでした。

{CAPTION} {CAPTION}

nfsのソフトマウント

自室の Linux サーバでは、自分が管理している Azure 上のサーバのデータバックアップを取っているが、ハードディスク容量が巨大な訳でもないので、iMac に接続された Drobo (複数ディスクの改良RAID?) に保存させている。

このネットワーク越しのバックアップでのディスクアクセスになるが、iMac を時々再起動させると、その間に icinga のディスクチェック処理が走った際に、アクセスできないために df プロセスが大量に残るトラブルが発生していた。リトライするため CPU 負荷も高い状態で、一番簡単なのは サーバの再起動。(iMacを再起動したら、その後にLinuxサーバを再起動….無駄や…)

最初は、check_disk 処理で余計なところを見させないために、特定マウント先を無視するオプションを加えていたが、df がマウント先をしつこくアクセスをリトライするのが原因。

よく考えたら、ネットワーク越しのマウントだから、ハードマウント(ディスクアクセスに失敗したら何度もリトライ)ではなく、ソフトマウント(複数回リトライしたら諦める)にする必要がある。

ということで、automount オプションに、”soft” オプションを加えて解決。

2分探索木

配列やリスト構造のデータの中から、目的となるデータを探す場合、配列であれば2分探索法が用いられる。これにより、配列の中からデータを探す処理は、O(log N)となる。(ただし事前にデータが昇順に並んでいる必要あり)

// 2分探索法
int array[ 8 ] = { 11, 13 , 27, 38, 42, 64, 72 , 81 } ;

int bin_search( int a[] , int key , int L , int R ) {
   // Lは、範囲の左端
   // Rは、範囲の右端+1 (注意!!)
   while( R > L ) {
      int m = (L + R) / 2 ;
      if ( a[m] == key )
         return key ;
      else if ( a[m] > key )
         R = m ;
      else
         L = m + 1 ;
   }
   return -1 ; // 見つからなかった
}

void main() {
   printf( "%d¥n" , bin_search( array , 0 , 8 ) ) ;
}

一方、リスト構造ではデータ列の真ん中のデータを取り出すには、先頭からアクセスするしかないのでO(N)の処理時間がかかり、極めて効率が悪い。リスト構造のようにデータの追加が簡単な特徴をもったまま、もっとデータを高速に探すことはできないものか?

2分探索木

ここで、データを探すための効率の良い方法として、2分探索木(2分木)がある。以下の木のデータでは、分離する部分に1つのデータと、左の枝(下図赤)と右の枝(下図青)がある。

この枝の特徴は何だろうか?この枝では、中央のデータ例えば42の左の枝には、42未満の数字の枝葉が繋がっている。同じように、右の枝には、42より大きな数字の枝葉が繋がっている。この構造であれば、64を探したいなら、42より大きい→右の枝、72より小さい→左の枝、64が見つかった…と、いう風にデータを探すことができる。

特徴としては、1回の比較毎にデータ件数は、(N-1)/2件に減っていく。よって、この方法であれば、O(log N)での検索が可能となる。これを2分探索木とよぶ。

このデータ構造をプログラムで書いてみよう。

struct Tree {
   struct Tree* left ;
   int          data ;
   struct Tree* right ;
} ;

// 2分木を作る補助関数
struct Tree* tcons( struct Tree* L ,
                    int          d ,
                    struct Tree* R ) {
   struct Tree* n = (struct Tree*)malloc(
                       sizeof( struct Tree ) ) ;
   if ( n != NULL ) { /* (A) */
      n->left = L ;
      n->data = d ;
      n->right = R ;
   }
   return n ;
}

// 2分探索木よりデータを探す
int tree_search( struct List* p , int key ) {
   while( p != NULL ) {
      if ( p->data == key )
         return key ;
      else if ( p->data &gt key )
         p = p->left ;
      else
         p = p->right ;
   }
   return -1 ; // 見つからなかった
}
struct Tree* top = NULL ;

void main() {
   // 木構造をtcons()を使って直接生成 (B)
   top = tcons( tcons( tcons( NULL , 13 , NULL ) ,
                       27 ,
                       tcons( NULL , 38 , NULL ) ) ,
                42 ,
                tcons( tcons( NULL , 64 , NULL ) ,
                       72 ,
                       tcons( NULL , 81 , NULL ) ) ) ;
   printf( "%d¥n" , tree_search( top , 64 ) ) ;
}

この方式の注目すべき点は、struct Tree {…} で宣言しているデータ構造は、2つのポインタと1つのデータを持つという点では、双方向リストとまるっきり同じである。データ構造の特徴の使い方が違うだけである。

理解度確認

  • 上記プログラム中の、補助関数tcons() の(A)の部分 “if ( n != NULL )…” の判定が必要な理由を答えよ。
  • 同じくmain() の (B) の部分 “top = tcons(…)” において、末端部に NULL を入れる理由を答えよ。

2分木に対する処理

2分探索木に対する簡単な処理を記述してみよう。

// データを探す
int search( struct Tree* p , int key ) {
   // 見つかったらその値、見つからないと-1
   while( p != NULL ) {
      if ( p->data == key )
         return key ;
      else if ( p->data > key )
         p = p->left ;
      else
         p = p->right ;
   }
   return -1 ;
}
// データを全表示
void print( struct Tree* p ) {
   if ( p != NULL ) {
      print( p->left ) ;
      printf( "%d¥n" , p->data ) ;
      print( p->right ) ;
   }
}
// データ件数を求める
int count( struct Tree* p ) {
   if ( p == NULL )
      return 0 ;
   else
      return 1
             + count( p->left )
             + count( p->right ) ;
}
// データの合計を求める
int sum( struct Tree* p ) {
   if ( p == NULL )
      return 0 ;
   else
      return p->data
             + count( p->left )
             + count( p->right ) ;
}
// データの最大値
int max( struct Tree* p ) {
   while( p->right != NULL )
      p = p->right ;
   return p->data ;
}

これらの関数では、木構造の全てに対する処理を実行する場合には、再帰呼び出しが必要となる。

データベースの用語など

データベースの機能

データベースを考える時、利用者の視点で分類すると、(1) データベースの管理者(データベース全体の管理)、(2) 応用プログラマ(SQLなどを使って目的のアプリケーションに合わせた処理を行う)、(3) エンドユーザ(データベース処理の専門家でなく、DBシステムのGUIを使ってデータベースを操作する)となる。

データベース管理システム(DBMS)では、データとプログラムを分離してプログラムを書けるように、データ操作言語(SQL)で記述する。

また、データは独立して扱えるようにすることで、データへの物理的なアクセス方法があっても、プログラムの変更が不要となるようにします。

データベースは、利用者から頻繁に不定期にアクセスされる。このため、データの一貫性が重要となる。これらを満たすためには、(a) データの正当性の確認、(b) 同時実行制御(排他制御)、(c) 障害回復の機能が重要となる。

これ以外にも、データベースからデータを高速に扱えるためには、検索キーに応じてインデックスファイルを管理してくれる機能や、データベースをネットワーク越しに使える機能などが求められる。

データベースに対する視点

実体のデータをそれぞれの利用者からデータベースを記述したものはスキーマと呼ばれる。そのスキーマも3つに分けられ、これを3層スキーマアーキテクチャと呼ぶ。

  • 外部スキーマ – エンドユーザからどんなデータに見えるのか
  • 概念スキーマ – 応用プログラマからは、どんな表の組み合わせで見えるのか、表の中身はどんなものなのか。
  • 内部スキーマ – データベース管理者から、どんなファイル名でどんな形式でどう保存されているのか

データモデル

データを表現するモデルには、いくつかのモデルがある。

  • 階層モデル – 木構造で枝葉に行くにつれて細かい内容
  • ネットワークモデル – データの一部が他のデータ構造と関係している。
  • 関係モデル – すべてを表形式で表す

データベースの基礎

データベースは、1970年頃に、E.F.コッド博士によりデータベースのための数学的な理論が確立された。

  • 集合 A, B – 様々なデータ
  • 直積 AB = { (x,y| xA , yB } 集合A,Bのすべての組み合わせ
  • 関係 R(A,B) すべての組み合わせのうち、関係があるもの。直積A,Bの部分集合

例えば、A={ s,t,u } , B={ p,q } (定義域) なら、

A✕B = { (s,p) , (s,q) , (t,p) , (t,q) , (u,p) , (u,q) }

このうち、Aが名前(sさん,tさん,uさん)、Bが性別(p=男性,q=女性)を表すなら、

R(A,B) = { (s,p) , (t,q) , (u,p) }   (例)
(例):(sさん,男性) , (tさん,女性) , (uさん,男性)

理解確認

  • データベースにおける3層スキーマアーキテクチャについて説明せよ
  • 集合A,Bが与えられた時、関係R(A,B) はどのようなものか、数学定義や実例をあげて説明せよ。

双方向リスト

リストを使った集合演算のように、データを連ねたリストは、単純リストとか線形リストと呼ばれる。特徴はデータ数に応じてメモリを確保する点や、途中へのデータの挿入削除が得意な点があげられる。一方で、配列は想定最大データ件数で宣言してしまうと、実際のデータ数が少ない場合、メモリの無駄も発生する。しかし、想定件数と実データ件数がそれなりに一致していれば、無駄も必要最小限となる。リスト構造では、次のデータへのポインタを必要とすることから、常にポインタ分のメモリは、データにのみ注目すれば無駄となる。

シーケンシャルアクセス・ランダムアクセス

もう1つの欠点がシーケンシャルアクセスとなる。テープ上に記録された情報を読む場合、後ろのデータを読むには途中データを読み飛ばす必要があり、データ件数に比例したアクセス時間を要する。このような N番目 データ参照に、O(N)の時間を要するものは、シーケンシャルアクセスと呼ばれる。

一方、配列はどの場所であれ、一定時間でデータの参照が可能であり、これは ランダムアクセスと呼ばれる。N番目のアクセス時間がO(1)を要する。

このため、プログラム・エディタの文字データの管理などに単純リストを用いた場合、1つ前の行に移動するには、先頭から編集行までの移動で O(N) の時間がかかり、大量の行数の編集では、使いものにならない。ここで、シーケンシャルアクセスでも1つ前にもどるだけでも処理時間を改善してみよう。

単純リストから双方向リストへ

ここまで説明してきた単純リストは、次のデータへのポインタを持つ。ここで、1つ後ろのデータ(N番目からN+1番目)をアクセスするのは簡単だけど、1つ前のデータ(N-1番目)を参照しようと思ったら、先頭から(N-1)番目を辿るしかない。でも、これは O(N) の処理であり時間がかかる処理。
ではどうすればよいのか?

この場合、一つ前のデータの場所を覚えているポインタがあれば良い。

// 双方向リストの宣言
struct BD_List {
    struct BD_List* prev ; // 1つ前のデータへのポインタ
    int             data ;
    struct BD_List* next ; // 次のデータへのポインタ
} ;

このデータ構造は、双方向リスト(bi-directional list)と呼ばれる。では、簡単なプログラムを書いてみよう。双方向リストのデータを簡単に生成するための補助関数から書いてみる。

// リスト生成補助関数
struct BD_List* bd_cons( struct BD_List* p ,
                         int d ,
                         struct BD_List* n ) {
    struct BD_List* ans ;
    ans = (struct BD_List*)malloc(
                         sizeof( struct BD_List ) ) ;
    if ( ans != NULL ) {
        ans->prev = p ;
        ans->data = d ;
        ans->next = n ;
    }
    return ans ;
}
void main() {
    struct BD_List* top ;
    struct BD_List* p ;

    // 順方向のポインタでリストを生成
    top = bd_cons( NULL , 1 ,
          bd_cons( NULL , 2 ,
          bd_cons( NULL , 3 , NULL ) ) ) ;
    // 逆方向のポインタを埋める
    top->next->prev = top ;
    top->next->next->prev = top->gt;next ;

    // リストを辿る処理
    for( p = top ; p->next != NULL ; p = p->next )
        printf( "%d\n" , p->data ) ;
    for(         ; p->prev != NULL ; p = p->prev )
        printf( "%d\n" , p->data ) ;
}

双方向リストの関数作成

以上の説明で、双方向の基礎的なプログラムの意味が分かった所で、練習問題。

先のプログラムでは、1,2,3 を要素とするリストを、ナマで記述していた。実際には、どんなデータがくるか分からないし、指定したポインタ p の後ろに、データを1件挿入する処理 bd_insert( p , 値 ) , また、p の後ろのデータを消す処理 bd_delete( p ) を書いてみよう。

// 双方向リストの指定場所 p の後ろに、値 d を要素とするデータを挿入せよ。
void bd_insert( struct BD_List* p , int d ) {
   struct BD_List*n = bd_cons( p , d , p->next ) ;
   if ( n != NULL ) {
      p->next->prev = n ;
      p->next = n ;
   }
}

// 双方向リストの指定場所 p の後ろのデータを消す処理は?
void bd_delete( struct BD_List* p ) {
   struct BD_List* d = p->next ;
   d->next->prev = p ;
   p->next = d->next ;
   free( d ) ;
}

// この手のリスト処理のプログラムでは、命令の順序が重要となる。
// コツとしては、修正したい箇所の遠くの部分を操作する処理から
// 書いていくと間違いが少ない。

番兵と双方向循環リスト

前述の bd_insert() だが、データの先頭にデータを挿入したい場合は、どう呼び出せば良いだろうか?
bd_insert() で、末尾にデータを挿入する処理は、正しく動くだろうか?

同じく、bd_delete() だが、データの先頭のデータを消したい場合は、どう呼び出せば良いだろうか?
また、データを消す場合、最後の1件のデータが消えて、データが0件になる場合、bd_delete() は正しく動くだろうか?

こういった問題が発生した場合、データが先頭・末尾で思ったように動かない時、0件になる場合に動かない時、特別処理でプログラムを書くことは、プログラムを読みづらくしてしまう。そこで、一般的には 循環リストの時にも紹介したが、番兵(Sentinel) を置くことが多い。

しかし、先頭用の番兵、末尾用の番兵を2つ用意するぐらいなら、循環リストにした方が便利となる。このような双方向リストでの循環した構造は、双方向循環リスト(bi-directional ring list)と呼ばれる。

この双方向循環リストを使うと、(1)先頭にデータを挿入(unshift)、(2)先頭のデータを取り出す(shift)、(3)末尾にデータを追加(push)、(4)末尾のデータを取り出す(pop)、といった処理が簡単に記述できる。この4つの処理を使うと、単純リスト構造で説明した、待ち行列(queue)やスタック(stack) が実現できる。この特徴を持つデータ構造は、先頭・末尾の両端を持つ待ち行列ということで、deque (double ended queue) とも呼ばれる。

理解確認

  • 双方向リストとはどのようなデータ構造か図を示しながら説明せよ。
  • 双方向リストの利点と欠点はなにか?
  • 番兵を用いる利点を説明せよ。
  • deque の機能と、それを実現するためのデータをリストを用いて実装するには、どうするか?
  • 双方向リストが使われる処理の例としてどのようなものがあるか?

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