ホーム » スタッフ » 斉藤徹 » 講義録 » 情報構造論 » malloc()とfree()

2019年5月
« 4月   6月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

最近の投稿(電子情報)

アーカイブ

カテゴリー

malloc()とfree()

malloc()とfree()

malloc() は、動的(ヒープ領域)にメモリを確保する命令で、データを保存したい時に malloc() を実行し、不要になった時に free() を実行する。

malloc() では、alloca() と同じように、格納したいデータの byte 数を指定する。また、malloc() は、確保したメモリ領域の先頭を返すが、ヒープメモリが残っていない場合 NULL ポインタを返す。処理が終わってデータ領域をもう使わなくなったら、free() で解放する必要がある。

基本的には、確保したメモリ領域を使い終わった後 free() を実行しないと、再利用できないメモリ領域が残ってしまう。こういう処理を繰り返すと、次第にメモリを食いつぶし、仮想メモリ機能によりハードディスクの読み書きで性能が低下したり、最終的にOSが正しく動けなくなる可能性もある。こういった free() 忘れはメモリーリークと呼ばれ、malloc(),free()に慣れない初心者プログラマーによく見られる。

ヒープメモリは、プロセスの起動と共に確保され、プログラムの終了と同時にOSに返却される。このため、malloc()と処理のあとすぐにプロセスが終了するようなプログラムであれば、free() を忘れても問題はない。授業では、メモリーリークによる重大な問題を理解してもらうため、原則 free() は明記する。

文字列を保存する場合

#include <stdlib.h>
char* names[ 10 ] ;
char  buff[ 1000 ] ;

// 名前を10件読み込む
void inputs() {
   for( int i = 0 ; i < 10 ; i++ ) {
      if ( fgets( buff ,
                  sizeof( buff ) ,
                  stdin ) != NULL ) {
         names[ i ]
            = (char*)malloc( strlen(buff)+1 ) ;
         if ( names[ i ] != NULL )
            strcpy( names[ i ] , buff ) ;
      }
   }
}
// 名前を出力する
void prints() {
   for( int i = 0 ; i < 10 ; i++ )
      printf( "%s" , names[ i ] ) ;
}
void main() {
   // 文字列の入力&出力
   inputs() ;
   prints() ;
   // 使い終わったら、free() で解放
   for( int i = 0 ; i < 10 ; i++ )
      free( names[ i ] ) ;
}

文字列を保存する場合には、上記の names[i] への代入のような malloc() と strcpy() を使うことが多い。
このための専用の関数として、strdup() がある。基本的には、以下のような機能である。

char* strdup( char* s ) {
   char* p ;
   if ( (p = (char*)malloc( strlen(s)+1 )) != NULL )
      strcpy( p , s ) ;
   return p ;
}

また、入力した文字列をポインタで保存する場合、以下のようなプログラムを書いてしまいがちであるが、図に示すような状態になることから、別領域にコピーする必要がある。

char  buff[ 1000 ] ;
char* name[10] ;
for( int i = 0 ; i < 10 ; i++ ) {
   if ( fgets( buff , sizeof(buff) , stdin ) != NULL )
      name = buff ;
}

配列に保存する場合

任意サイズの配列を作りたい場合には、malloc() で一括してデータの領域を作成し、その先頭アドレスを用いて配列として扱う。

#include <stdlib.h>
void main() {
   int size ;
   int* array ;
   // 処理するデータ件数を入力
   scanf( "%d" , &size ) ;

   // 整数配列を作る
   if ( (array = (int*)malloc( sizeof(int) * size )) != NULL ) {
      int i ;
      for( i = 0 ; i < size ; i++ )
         array[i] = i*i ; // あんまり意味がないけど
      for( i = 0 ; i < size ; i++ )
         printf( "%d¥n" , array[i] ) ;

      // mallocしたら必ずfree
      free( array ) ;
   }
}

構造体の配列

同じように、任意サイズの構造体の配列を作りたいのであれば、配列サイズに「sizeof( struct Complex ) * データ件数」を指定すればいい。

#include <stdlib.h>
struct Complex {
   double re , im ;
} ;

// 指定した場所にComplexを読み込む。
int input_Complex( struct Complex* p ) {
   return scanf( "%f %f" ,
                 &(p->re) , &(p->re) ) == 2 ;
}

// 指定したComplexを出力
void print_Complex( struct Complex* p ) {
   printf( "%f+j%f¥n" , p->re , p->im ) ;
}
void main() {
   int size ;
   struct Complex* array ;
   // 処理する件数を入力
   scanf( "%d" , &size ) ;
   // 配列を確保して、データの入力&出力
   if ( (array = (struct Complex*)malloc(
                    sizeof(struct Complex) * size )) != NULL ) {
      int i ;
      for( i = 0 ; i < size ; i++ )
         if ( !input_Complex( &array[i] ) )
            break ;
      for( i = 0 ; i < size ; i++ )
         print_Complex( &array[i] ) ;

      // mallocしたら必ずfree
      free( array ) ;
   }
}