前回の授業のハノイの塔は、単純な再帰方程式で処理時間のオーダーが巨大となる一例として示した。そこで、プログラムの中でよく利用されるデータの並び替え(ソート)で処理時間の分析を行ってみる。
様々なソートアルゴリズム
データの有名な並び替えアルゴリズムとその処理時間のオーダーを示す。
- バブルソート O(N2)
- 選択法 O(N2/2)
- クイックソート O( N log N )
- マージソート O( N log N )
マージソートの分析
マージソートは、与えられたデータを2分割し、 その2つの山をそれぞれマージソートを行う。 この結果の2つの山の頂上から、大きい方を取り出す…という処理を繰り返すことで、 ソートを行う。
このことから、再帰方程式は、以下のようになる。
この再帰方程式を、N=1,2,4,8…と代入を繰り返していくと、 最終的に処理時間のオーダが、 となる。
:
よって、
選択法とクイックソートの処理時間の比較
データ数 N = 20 件でソート処理の時間を計測したら、選択法で 10msec 、クイックソートで 20msec であった。
- データ件数 N = 100 件では、選択法,クイックソートは、それぞれどの程度の時間がかかるか答えよ。
- データ件数何件以上なら、クイックソートの方が高速になるか答えよ。
設問2 は、通常の関数電卓では求まらないので、数値的に方程式を解く機能を持った電卓が必要。