緊急連絡システムの組織間連携分析
丹南地区向けの緊急連絡システムでは、同胞通信で受信した記事をそのまま自組織向けに 再送が簡単にできる機能を設けている。 越前市や鯖江市ではこの機能を利用し、市役所が各学校長向けに安全防災情報を送り、 学校長が保護者にすぐに通知すべきと判断すると、記事が再配信される。 これ以外にも近隣の学校での害獣などの情報を自校向けに再配信といった使われ方もしている。
そこで、各組織間でどういった記事が再配信されるのか分析を行った。 再配信の際には、各学校で若干の編集を加えて配信する場合も多いため、 各記事の内容を単語分割し、最大マッチした単語数で記事の一致性を数値化し、 一定値以上の類似記事とみなされた件数と発生時期をグラフ化した。
ただし配信テストのような記事は、あらかじめ除外した。
他組織へ転送された内容
他組織で再配信された記事の分類結果をしたグラフを以下に示す。 不審者や害獣に関する情報は、市全域で安全を共有する観点で、70%が再配信 されている。 訃報は、転属が多い学校において学校関係者間の連絡として使われているものである。
面白い特徴発見! 不審者や害獣情報は組織間で転送されている頻度が高い。 しかしながら前分析で第3位の利用頻度であった感染に関係する情報は、 転送される頻度が不審者・害獣情報に比べて極めて少ない。
感染の情報は、保護者向けには学校の状況を伝えるために高頻度で利用されているが、 じわじわと拡大していくために時間的な緊急性が低くく、 他組織に転送する必要性が低いと認識されていると思われる。
他組織への転送の頻度
記事が他組織で再配信された時期と、再配信された組織数で時系列に示したグラフを 以下に示す。 害獣や感染に関係する情報は季節性が予想されたが、不審者情報も含めると、 時期との関連性は顕著にあらわれていない様に思われる。
2010/12/15追記: 上の分析では、あまり状況が解らなかったので、記事の種類に応じてマーカーを 色分けしてみた。 これを見てみると、害獣ネタの季節性が見えてきた。 また、不審者に関する情報は、2010年度は減ってきていることが解る。 その反面、平和だからこそなのかもしれないけど、学校の先生間の訃報の連絡 の頻度が高まっているようである。 また、2009年度は新型インフルエンザの影響で、広く配信された記事が見受けられる。 このほかにも、2006年の福井豪雨や害獣の情報が広く配信されたことが分かる。
データベースの論理設計・物理設計
データベースの設計の続きとして、 最初に先週説明が不完全であったボトムアップ設計の説明を追加する。 特にボトムアップ設計で、項目をレベルに分類し、データグループを作成・分離・統合 といった作業を説明する。
データベースの論理設計では、実際に出来上がったER図などから関係モデルに変換される。 しかし、実際には業務に応じて、処理のタイミング・処理の量・トラヒック、処理の要求条件 などを勘案しながら問題点を整理することを説明する。 テーブルの統合の検討として、複数のリレーションの直積(結合)をとりながらの 処理は、時間のかかる処理であったりするため、業務によっては統合が必要となったりする。 また、テーブルの分解の検討として、 同じリレーションへの処理の集中、特に更新作業が頻発する場合は、排他処理などが 発生し、データロックなどで処理が停滞する場合もあるため、必要に応じてテーブルの分解が 必要になるかもしれない。 インデックス情報の検討として、 参照の高速化ではインデックスファイルを用いたりする。しかしながら更新作業によっては、 インデックスファイルの更新の負荷が高まる場合もある。
データベースの物理設計では、実際にハードディスクの容量見積もり、メモリの容量見積もり、 ログファイルの見積もりなどが必要となる。 特にハードディスクの容量見積もりでは、PCTFREE(可変長データの増加による実体の移動を減らすためのデータ間のギャップ)や、PCTUSED(ページ内に空きが発生した時に他のレコードを収容するか?)に伴う、空き領域も勘案すべきである。