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unixにおけるファイルとユーザ管理

Unix演習サーバへの接続

Unix(Linux)は、インターネットでのサーバとして広く活用されている。Linuxを試すには、Windows ならば WSL や Cygwin であったり、Mac でも使える仮想OSの VMware, VirrtualBox を使うこともできる。今回の演習では、全員が同じ環境で使うために、クラウド環境にサーバを準備し利用する。

ネットワークの向こう側にあるサーバを利用する場合、以下のような方法が使われる。

  • telnet (port 23)
    • キー入力を相手に送って、送られてくるデータを画面に表示する。
    • 通信データが暗号化されないので盗聴される心配があり、一般的には使用しない。
  • rsh (remote shell – port 514)
    • ネットワークを越えてコマンドを実行したりファイル転送ができる。
    • telnet 同様に暗号化されていないので、次に示す ssh を使うのが一般的。
  • ssh (secure shell – port 22)
    • rsh の処理を暗号化しながら実行。
    • ネットワークを越えた処理を行う際の基本だが、ssh を経由した攻撃が多いことから、通常のポート番号22以外を使ったり、アクセス制限を厳しく設定する必要がある。
  • remote Desktop
    • ネットワークの先のPCの画面をネットワーク越しに触れるようにしたもの。

教室のWiFi環境(fnct-student)では、HTTP(80) , HTTPS(443) の通信しか使えないことから、ssh(22) が通常利用できない。電子情報のWiFiアクセスポイント(nitfc-ei-student等)であれば、ssh などが使用できる。

今回授業の演習では、さくらインターネットのサーバ上のクラウドサーバを利用する。

ただし、さくらインターネットのクラウドサーバでは、ssh(port=22)が使用できるが、ssh 接続の際にログインパスワードの間違いなどが多発すると、ssh 経由の攻撃の可能性があると判断され、ssh(port=22)接続が一定時間使えなくなる対策がとられている。今回は、ゲストアカウントでパスワード入力ミスが多発することが想定されるので、port=22のsshは使用しない。

リモート接続を行う

Windows 10 or Windows 11 ならば、cmd.exe , macOS ならば、ターミナルソフトを起動し、以下の操作を行う。

$ ssh -p 443 ゲストID@演習サーバ
  • 443ポートは通常は https 用だが、今回はサーバで ssh プロトコルを 443 ポートで受け付けるように設定してある。かなり特殊な使い方なので要注意。
  • 演習サーバの接続方法(学内のみ) – サーバへの攻撃を極力へらすために非公開。
  • パスワード入力時は、打つたびに●●●といった文字は表示されません。
  • パスワード入力時にタイプミスした時は、Ctrl-U で最初から入力のやり直しができます。

ファイル操作の基本

まずは基本操作をしてみよう。ls コマンド(list) は、ディレクトリ内にあるファイルの一覧を表示する。cat コマンド(catalog)は、指定されたファイルの内容を表示する。

s53599xx@nitfcei:~$ ls
helloworld.c  Maildir  public_data  public_html

s53599xx@nitfcei:~$ ls -l
total 8
-rw-r--r-- 1 s53599xx students   76 Dec 21 14:30 helloworld.c
drwx------ 5 s53599xx students 4096 Dec 21 14:30 Maildir
(略)

s53599xx@nitfcei:~$ cat helloworld.c
#include <stdio.h>

int main() {
    printf( "Hello World\n" ) ;
    return 0 ;
}
s53599xx@nitfcei:~$

ファイルをコピーするには cp コマンド(copy)、不要なファイルを消すには rm コマンド(remove)を使う。

s53599xx@nitfcei:~$ cp helloworld.c test.c
s53599xx@nitfcei:~$ ls -l
total 8
-rw-r--r-- 1 s53599xx students   76 Dec 21 14:30 helloworld.c
drwx------ 5 s53599xx students 4096 Dec 21 14:30 Maildir
-rw-r--r-- 1 s53599xx students   76 Dec 21 14:40 test.c
(略)
s53599xx@nitfcei:~$ rm test.c
s53599xx@nitfcei:~$ ls -l
total 8
-rw-r--r-- 1 s53599xx students   76 Dec 21 14:30 helloworld.c
drwx------ 5 s53599xx students 4096 Dec 21 14:30 Maildir
s53599xx@nitfcei:~$

ファイル詳細表示の説明

ls -l で表示される詳細の内容は以下の通り。

属性 リンク数 所有者 グループ サイズ 日付 ファイル名
rw- r– r– 1 s53599xx students 76 Dec 21 14:30 helloworld.c
d rwx 5 s53599xx students 4096 Dec 21 14:30 Maildir
d -: 通常ファイル, d:ディレクトリ
rw- r,w,x 所有者が r:読み出し, w:書き込み, -: 権限なし
ファイルなら、x:実行可能
ディレクトリなら、x:ディレクトリに入れる
r – – – – – グループの rwx の属性 r– は 読み込みだけ許可
r – – – – – その他の rwx の属性  — は、読み書き禁止

基本的なファイル操作コマンド一覧

操作 Linux Windows
ディレクトリ一覧(list)
ディレクトリ詳細
ls 場所  ※
ls -l 場所
dir /w 場所  ※
dir 場所
※ 省略時はカレントディレクトリ
ファイル表示(catalog) cat 場所 type 場所
ファイルコピー(copy) cp コピー元 コピー先
cp コピー元 コピー先ディレクトリ
copy コピー元 コピー先
ファイル削除(remove) rm 場所 del 場所
ディレクトリ作成(make dir) mkdir 場所 md 場所
ディレクトリ削除(remove dir) rmdir 場所 rmdir 場所
カレントディレクトリ移動
(change directory)
cd 場所 cd 場所
ドライブの場合は
ドライブ名:
所有者を変更(change owner) chown 所有者 場所
グループを変更(change group) chgrp グループ 場所
属性を変更(change mode) chmod 属性 場所 ←属性の書き方

ワイルドカード文字

ls などのコマンドで、複数のファイルを対象とするとき、ワイルドカード文字が使える。

任意の1文字
?
(例)
$ ls          # 全部のファイル
aaa.c  ab.c    abc.c   bcd.c   defgh.c  hij.cxx
$ ls a?.c   # aで始まる2文字のC言語ファイル
ab.c
$ ls ???.c  # 3文字のC言語のファイル
aaa.c   abc.c   bcd.c
任意の文字
*
(例)
$ ls a*.c   # aで始まるC言語ファイル
aaa.c ab.c abc.c
$ ls *.cxx  # 拡張子が.cxxのファイル(C++)
hij.cxx

相対PATHと絶対PATH

ファイルの場所を指定するには、2つの方法がある。

絶対PATHは、木構造の根(ルートディレクトリ / で表す) からの経路のディレクトリ名を”/”で区切って書き連ねる。ルートディレクトリからの場所であることを示すために、先頭を / で始める。住所を /福井県/越前市/宮谷町/斉藤家 と書くようなもの。

相対PATHは、現在注目しているディレクトリ(カレントディレクトリと呼ぶ)からの経路を書く。住所でいうと、/福井県/越前市 に注目している状態で、宮谷町/斉藤家 と書くようなもの。

ただし、/福井県/福井市 に注目している状態で、片町/山本家 は1つのファイルでも、/福井県/福井市/片町/山本家 とは別に /石川県/金沢市/片町/山本家 があるかもしれない。

上記の絵であれば、/home/tsaitoh/helloworld.c を、相対PATHで書く場合、s53599xx の一つ上にさかのぼって場所を指定することもできる。一つ上のディレクトリ(親ディレクトリ).. (ピリオド2つ)

この場合、” $ cat ../tsaitoh/helloworld.c ” の様な相対PATHでもアクセスできる。

カレントディレクトリ自身を表す場合は、. (ピリオド1つ)を使う。

/home/s53599xx/helloworld.c の場所は、” $ cat ./helloworld.c ” と書くこともできる。

ユーザとグループ

unixでは、ユーザとグループでアクセス制限をすることができる。ユーザ情報は、/etc/passwd ファイルで確認できる。グループ情報は、/etc/group ファイルで確認できる。

$ more /etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
daemon:x:1:1:daemon:/usr/sbin:/usr/sbin/nologin
bin:x:2:2:bin:/bin:/usr/sbin/nologin
(略)
guest00:x:1200:1200:guest00,,,:/home0/guests/guest00:/bin/bash

$ more /etc/group
root:x:0:
daemon:x:1:
bin:x:2:
(略)
guests:x:1200:guest00,guest01,guest02,...
/etc/passwd /etc/group
guest00 — ユーザID
x — 昔は暗号化されたパスワード
1200 — ユーザID番号
1200 — グループID番号(/etc/groupを参照)
guest00,,, — ユーザの正式名や電話番号など
/home0/guests/guest00 — ホームディレクトリ
/bin/bash — 使用する shell
guests — グループID
x — 昔は暗号化されたグループパスワード
1200 — グループID番号
guest00,guest01,guest02 — 所属するユーザ一覧

アクセス制限の実験

/home0/Challenge/AccesControl に、いくつかのファイルが保存してあり、t-saitoh が見ると、以下のようなファイルであった。tree コマンドでは、いくつかのディレクトリとその中のファイルが確認できる。しかし、ls -al にてファイルのアクセス権限が確認できる。tree コマンドで確認できるファイルにアクセスすると何が起こるか確認すること。

$ cd /home0/Challenge/AccessControl
$ id        # 自分のID,グループを確認
uid=1200(guest00) gid=1200(guests) groups=1200(guests)
$ tree      # ディレクトリ構造を表示
$ ls -al    # 権限情報を表示

Windows とアクセスコントロール

Unix のシステムでは、ファイル毎に、ユーザID,グループIDを割り当て、ユーザ, グループ, その他に対して、Read, Write などの制限をかける。Windows では、さらに細かくアクセス制限を加えることができる。Windows では、1つのファイルに対して、ユーザやグループのRead/Writeなどの制限をいくつでも設定できる。Access Control List と呼ばれる。

主要なディレクトリとファイルシステム

unix では、すべてのデバイスを / (ルートディレクトリ) 配下に木構造につなげて管理している。CD-ROM や USB ディスクなどは、指定したディレクトリに mount (マウント) して使用する。

ext4 は、Linux で採用されているファイルシステムで、システムの保存に使われる。

tmpfs は、主記憶(D-RAM) の一部を、ディスクと同じように扱えるようにしたファイルシステム。通称 ram disk(ラムディスク)。保存はメモリへのアクセスなので、保存やアクセスは極めて高速だが、保存領域は少ない。高速に扱えて、システムが再起動された時に消えても問題のない情報を保存するために使われる。

proc は、実行中のプロセス情報を、ハードディスクに保存されたファイルの様に参照できる。

vfat , exfat は、USBメモリ, SDカード のデータ保存で使われるファイルシステムで、Windows(MS-DOS) で使われている保存形式。ファイルにファイル所有者などの概念がない

ntfs は、Windows で使われているファイル形式。

swap は、仮想メモリのためのデータが保存される。主記憶メモリが不足した際に、使用頻度の少ないメモリ領域をハードディスクに保存するための領域。以下のような free コマンドで使用状況が確認できる。一般的に、主記憶メモリの数倍を割り当てる。

DCON2024 本選にて4EIチームが企業賞

DCON2024に4EIより数値計算部として岡本君,片岡さん,渡邉君 が 5/10(金),11(土)の両日渋谷ヒカリエホールにて開催された本選(最終審査会)に参加し、企業賞(アイング賞, QUICK賞) を受賞しました。

作品イメージ

(2024/5/20追記) 企業賞 QUICK さまの副賞を頂きました

{CAPTION}

(2024/5/21追記) DCON副賞 エナジードリンクが届きました。

{CAPTION}

ポインタと文字列処理

C言語でのポインター

#include <stdio.h>

int main() {
    int  x  = 123 ; //                             px [ 〇 ]
    int* px ;       // px はポインタ                      ↓
    px = &x ;       // x の変数の番地を px に代入      x [ 123 ]
    *px = 321 ;     // px の指し示す場所に 321 を代入
    printf( "%d\n" , x ) ; // 321 を出力
    return 0 ;
}

値渡し(pass by value)

// 値渡しのプログラム
void foo( int x ) {  // x は局所変数(仮引数は呼出時に
                     // 対応する実引数で初期化される。
   x++ ;
   printf( "%d¥n" , x ) ;
}
int main() {
   int a = 123 ;
   foo( a ) ;  // 124
               // 処理後も main::a は 123 のまま。
   foo( a ) ;  // 124
   return 0 ;
}

このプログラムでは、aの値は変化せずに、124,124 が表示される。
でも、プログラムによっては、124,125 と変化して欲しい場合もある。
どのように記述すべきだろうか?

// 大域変数を使う場合
int x ;
void foo() {
   x++ ;
   printf( "%d¥n" , x ) ;
}
int main() {
   x = 123 ;
   foo() ;  // 124
   foo() ;  // 125
   return 0 ;
}

しかし、このプログラムは大域変数を使うために、間違いを引き起こしやすい。

// 大域変数が原因で予想外の挙動をしめす簡単な例
int i ;
void foo() {
   for( i = 0 ; i < 2 ; i++ )
      printf( "A" ) ;
}
int main() {
   for( i = 0 ; i < 3 ; i++ )  // このプログラムでは、AA AA AA と
      foo() ;                   // 表示されない。
   return 0 ;
}

ポインタ渡し(pass by pointer)

C言語で引数を通して、呼び出し側の値を変化して欲しい場合は、変更して欲しい変数のアドレスを渡し、関数側では、ポインタ変数を使って受け取った変数のアドレスの示す場所の値を操作する。

// ポインタ渡しのプログラム
void foo( int* p ) {  // p はポインタ
   (*p)++ ;
   printf( "%d¥n" , *p ) ;
}
int main() {
   int a = 123 ;
   foo( &a ) ;  // 124
                // 処理後 main::a は 124 に増えている。
   foo( &a ) ;  // 124
   return 0 ;   // さらに125と増える
}

ポインタを利用して引数に副作用を与える方法は、ポインタを正しく理解していないプログラマーでは、危険な操作となる。C++では、ポインタ渡しを極力使わないようにするために、参照渡しを利用する。ただし、ポインタ渡しも参照渡しも、機械語レベルでは同じ処理にすぎない。

参照渡し(pass by reference)

// ポインタ渡しのプログラム
void foo( int& x ) {  // xは参照
   x++ ;
   printf( "%d¥n" , x ) ;
}
int main() {
   int a = 123 ;
   foo( a ) ;  // 124
               // 処理後 main::a は 124 に増えている。
   foo( a ) ;  // 124
   return 0 ;  // さらに125と増える。
}

ポインタの加算と配列アドレス

ポインタに整数値を加えることは、アクセスする場所が、指定された分だけ後ろにずれることを意味する。

// ポインタ加算の例
int a[ 5 ] = { 11 , 22 , 33 , 44 , 55 } ;

void main() {
   int* p ;
                               //            p∇
   p = &a[2] ;                 // a[] : 11,22,33,44,55
                               //       -2    +0 +1
   printf( "%d¥n" , *p ) ;     // 33  p[0]
   printf( "%d¥n" , *(p+1) ) ; // 44  p[1]
   printf( "%d¥n" , *(p-2) ) ; // 11  p[-2]

   p = a ;                  //      p∇
   printf( "%d¥n" , *p ) ;  // a[] : 11,22,33,44,55
   p++ ;                    //       → p∇
   printf( "%d¥n" , *p ) ;  // a[] : 11,22,33,44,55
   p += 2 ;                 //           → → p∇
   printf( "%d¥n" , *p ) ;  // a[] : 11,22,33,44,55
}

ここで、注意すべき点は、ポインタの加算した場所の参照と、配列の参照は同じ意味となる。

*(p + 整数式)p[ 整数式 ] は同じ意味 (参照”悪趣味なプログラム”)

特に配列 a[] の a だけを記述すると、配列の先頭を意味することに注意。

ポインタと文字列処理

#include <stdio.h>

void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '
#include <stdio.h>

void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

int main(void){
    char str[ 20 ] ;

    my_tolower( str , "AaBcDeF Hoge" ) ;
    printf( "%s\n" , str ) ;
    return 0 ;
}
' ; i++ ) if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' ) d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ; else d[i] = s[i] ; d[i] = '
#include <stdio.h>

void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

int main(void){
    char str[ 20 ] ;

    my_tolower( str , "AaBcDeF Hoge" ) ;
    printf( "%s\n" , str ) ;
    return 0 ;
}
' ; } int main(void){ char str[ 20 ] ; my_tolower( str , "AaBcDeF Hoge" ) ; printf( "%s\n" , str ) ; return 0 ; }

間違ったプログラム

C言語の面倒な点は、データがどのように格納されるのかを考えないと正しく動かない所であろう。

下記のプログラムの問題点がわかるだろうか?

#include <stdio.h>

// 前述の my_tolower と同じ
void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '
#include <stdio.h>

// 前述の my_tolower と同じ
void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

// 引数に副作用のある my_tolower
char* my_tolower_1( char s[] ) {
    for( int i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            s[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
    return s ;
}

// 局所変数のメモリを帰してはダメ
char* my_tolower_2( char s[] ) {
    char str[ 20 ] ;
    int  i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            str[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            str[i] = s[i] ;
    str[i] = '\0' ;
    // printf( "in my_tolower_2 : %s\n" , str ) ;
    return str ;    
}

int main(void) {
    char str[ 20 ] = "Hoge" ; ;

    // case-1
    char* ptr ;
    my_tolower( ptr , "Piyo" ) ; // Illegal instruction (core dumped)

    // case-2
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( str ) ) ;
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( "Fuga" ) ) ; // 小文字にならない

    // csse-3
    printf( "%s\n" , my_tolower_2( "foo" ) ) ;  // ゴミが表示される
    return 0 ;
}
' ; i++ ) if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' ) d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ; else d[i] = s[i] ; d[i] = '
#include <stdio.h>

// 前述の my_tolower と同じ
void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

// 引数に副作用のある my_tolower
char* my_tolower_1( char s[] ) {
    for( int i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            s[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
    return s ;
}

// 局所変数のメモリを帰してはダメ
char* my_tolower_2( char s[] ) {
    char str[ 20 ] ;
    int  i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            str[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            str[i] = s[i] ;
    str[i] = '\0' ;
    // printf( "in my_tolower_2 : %s\n" , str ) ;
    return str ;    
}

int main(void) {
    char str[ 20 ] = "Hoge" ; ;

    // case-1
    char* ptr ;
    my_tolower( ptr , "Piyo" ) ; // Illegal instruction (core dumped)

    // case-2
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( str ) ) ;
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( "Fuga" ) ) ; // 小文字にならない

    // csse-3
    printf( "%s\n" , my_tolower_2( "foo" ) ) ;  // ゴミが表示される
    return 0 ;
}
' ; } // 引数に副作用のある my_tolower char* my_tolower_1( char s[] ) { for( int i = 0 ; s[i] != '
#include <stdio.h>

// 前述の my_tolower と同じ
void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

// 引数に副作用のある my_tolower
char* my_tolower_1( char s[] ) {
    for( int i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            s[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
    return s ;
}

// 局所変数のメモリを帰してはダメ
char* my_tolower_2( char s[] ) {
    char str[ 20 ] ;
    int  i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            str[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            str[i] = s[i] ;
    str[i] = '\0' ;
    // printf( "in my_tolower_2 : %s\n" , str ) ;
    return str ;    
}

int main(void) {
    char str[ 20 ] = "Hoge" ; ;

    // case-1
    char* ptr ;
    my_tolower( ptr , "Piyo" ) ; // Illegal instruction (core dumped)

    // case-2
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( str ) ) ;
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( "Fuga" ) ) ; // 小文字にならない

    // csse-3
    printf( "%s\n" , my_tolower_2( "foo" ) ) ;  // ゴミが表示される
    return 0 ;
}
' ; i++ ) if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' ) s[i] = s[i] - 'A' + 'a' ; return s ; } // 局所変数のメモリを帰してはダメ char* my_tolower_2( char s[] ) { char str[ 20 ] ; int i ; for( i = 0 ; s[i] != '
#include <stdio.h>

// 前述の my_tolower と同じ
void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

// 引数に副作用のある my_tolower
char* my_tolower_1( char s[] ) {
    for( int i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            s[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
    return s ;
}

// 局所変数のメモリを帰してはダメ
char* my_tolower_2( char s[] ) {
    char str[ 20 ] ;
    int  i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            str[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            str[i] = s[i] ;
    str[i] = '\0' ;
    // printf( "in my_tolower_2 : %s\n" , str ) ;
    return str ;    
}

int main(void) {
    char str[ 20 ] = "Hoge" ; ;

    // case-1
    char* ptr ;
    my_tolower( ptr , "Piyo" ) ; // Illegal instruction (core dumped)

    // case-2
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( str ) ) ;
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( "Fuga" ) ) ; // 小文字にならない

    // csse-3
    printf( "%s\n" , my_tolower_2( "foo" ) ) ;  // ゴミが表示される
    return 0 ;
}
' ; i++ ) if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' ) str[i] = s[i] - 'A' + 'a' ; else str[i] = s[i] ; str[i] = '
#include <stdio.h>

// 前述の my_tolower と同じ
void my_tolower( char d[] , char s[] ) {
    int i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            d[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            d[i] = s[i] ;
    d[i] = '\0' ;
}

// 引数に副作用のある my_tolower
char* my_tolower_1( char s[] ) {
    for( int i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            s[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
    return s ;
}

// 局所変数のメモリを帰してはダメ
char* my_tolower_2( char s[] ) {
    char str[ 20 ] ;
    int  i ;
    for( i = 0 ; s[i] != '\0' ; i++ )
        if ( 'A' <= s[i] && s[i] <= 'Z' )
            str[i] = s[i] - 'A' + 'a' ;
        else
            str[i] = s[i] ;
    str[i] = '\0' ;
    // printf( "in my_tolower_2 : %s\n" , str ) ;
    return str ;    
}

int main(void) {
    char str[ 20 ] = "Hoge" ; ;

    // case-1
    char* ptr ;
    my_tolower( ptr , "Piyo" ) ; // Illegal instruction (core dumped)

    // case-2
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( str ) ) ;
    printf( "%s\n" , my_tolower_1( "Fuga" ) ) ; // 小文字にならない

    // csse-3
    printf( "%s\n" , my_tolower_2( "foo" ) ) ;  // ゴミが表示される
    return 0 ;
}
' ; // printf( "in my_tolower_2 : %s\n" , str ) ; return str ; } int main(void) { char str[ 20 ] = "Hoge" ; ; // case-1 char* ptr ; my_tolower( ptr , "Piyo" ) ; // Illegal instruction (core dumped) // case-2 printf( "%s\n" , my_tolower_1( str ) ) ; printf( "%s\n" , my_tolower_1( "Fuga" ) ) ; // 小文字にならない // csse-3 printf( "%s\n" , my_tolower_2( "foo" ) ) ; // ゴミが表示される return 0 ; }

ポインタインクリメントと式

C言語では、ポインタを動かしながら処理を行う場合に以下のようなプログラムもよくでてくる。

// string copy 配列のイメージで記載
void strcpy( char d[] , char s[] ) {
   int i ;
   for( i = 0 ; s[ i ] != '
// string copy 配列のイメージで記載
void strcpy( char d[] , char s[] ) {
   int i ;
   for( i = 0 ; s[ i ] != '\0' ; i++ )
      d[ i ] = s[ i ] ;
   d[ i ] = '\0' ;
}

int main() {
   char a[] = "abcde" ;
   char b[ 10 ] ;
   strcpy( b , a ) ;
   printf( "%s\n" , b ) ;
   return 0 ;
}
' ; i++ ) d[ i ] = s[ i ] ; d[ i ] = '
// string copy 配列のイメージで記載
void strcpy( char d[] , char s[] ) {
   int i ;
   for( i = 0 ; s[ i ] != '\0' ; i++ )
      d[ i ] = s[ i ] ;
   d[ i ] = '\0' ;
}

int main() {
   char a[] = "abcde" ;
   char b[ 10 ] ;
   strcpy( b , a ) ;
   printf( "%s\n" , b ) ;
   return 0 ;
}
' ; } int main() { char a[] = "abcde" ; char b[ 10 ] ; strcpy( b , a ) ; printf( "%s\n" , b ) ; return 0 ; }

しかし、この strcpy は、ポインタを使って書くと以下のように書ける。

// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ) { *p = *q ; p++ ; q++ ; } *p = '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ; } // ポインタ加算と代入を一度に書く void strcpy( char* p , char* q ) { while( *q != '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ) *p++ = *q++ ; // *(p++) = *(q++) *p = '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ; } // ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く void strcpy( char* p , char* q ) { while( (*p++ = *q++) != '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ) // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い ; }

 

キャンパスウォーク2024電子情報工学科

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フローチャートと整数型

学際科目の情報制御基礎において、プログラムの基本としてフローチャートと基本的な処理を説明し、数値型の注意点を説明。

フローチャートの基本

プログラムの処理の順序を理解するには、初心者であればフローチャート(流れ図)を使う。

処理の1つ1つを箱で表し、流れを箱の間の矢印で示すことでアルゴリズム(プログラムの考え方)や処理順序を表現する。処理単位の箱は、命令の種類によって箱の書き方が決まっている。

上図右側のフローチャートの例では、以下の説明のように実行され、0,1,2,…,9 が表示され、最終的に変数 i が10以上になり処理を停止する。

(1) 変数 i に 0 を保存
(2) 変数 i は10未満なら(3)、10以上なら終了
(3) 変数 i を表示
(4) i = i + 1 右辺の計算結果を、左辺に代入iが0から1に変化
(5) 処理(2)から繰り返し。

上記のようなプログラムは、C言語であれば以下のようになる。

#include <stdio.h>                 | 入出力関数を使うための準備

int main() {                       | 最初に main() という関数が呼び出される。
   int i ;                         | 変数 i の入れ物を準備
   for( i = 0 ; i < 10 ; i++ ) {   | 最初に i = 0 を行い、i < 10 の条件を満たす間繰り返し、
                                   |       繰り返しの度に i を1つ増やす
      printf( "%d\n" , i ) ;       |    i の値を表示
   }
   return 0 ;                      | 正しく終わったら0を返す。
}

練習問題1

以下のフローチャートの処理A,処理B,処理C,処理Dの実行結果を答えよ。

  • 電気電子工学科,電子情報工学科の学生は、出席番号が偶数は処理C,奇数は処理Dについて回答せよ。
  • それ以外の学科の学生は、出席番号が偶数は処理A,奇数は処理Bの結果について回答せよ。
  • このプログラムではどういった意味の値を求めようとしているのか答えよ。

情報量の単位

データを覚える最小単位は、0と1の2通りで表される1bit (ビット)と呼ぶ。単位として書く場合には b で表す。さらに、その1bitを8個組み合わせると、256通りの情報を保存できる。256通りあれば一般的な英数字などの記号を1文字保存する入れ物として便利であり、この単位を 1byte (バイト) と呼ぶ。単位として書く場合には B で表す。

通信関係の人は8bit=1byteを1オクテットと呼ぶことも多い。日本語を表現するには、かなや漢字を使うため16bit = 2byte = 1word(ワード) で表現することが多い。(ただしワードは32bitを意味することもあるので要注意, double word=32bit, quad word=64bit という呼び方もある。)

物理では単位が大きくなると、103=kキロ,106=Mメガ,109=Gギガ,1012=Tテラ を使うが、コンピュータの世界では、103≒210=1024 なので、1kB(キロバイト)というと1024Bを意味することが多い。明確に区別する時は、1024B(バイト)=1KiB(キビバイト), 10242B=1MiB(メビバイト), 10243B=1GiB(ギビバイト) などと記載する。

2進数,8進数,16進数

プログラムの中で整数値を覚える場合は、2進数の複数桁で記憶する。例えば、2進数3桁(3bit)であれば、000, 001, 010, 011, 100, 101, 110, 111 で、10進数であれば 0~7 の8通りの値が扱える。(8進数)

2進数4桁(4bit)であれば、0000, 0001, 0010, 0011, 0100, 0101, 0110, 0111, 1000, 1001, 1010, 1011, 1100, 1101, 1110, 1111 の16通りを表現できる(16進数)。これを1桁で表現するために、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F を使って表現する。

例  8進数    16進数
    0123    0x123     ※C言語では、
  +  026   + 0xEA      8進数を表す場合、先頭に0をつけて表す。
 -------- --------     16進数を表す場合、先頭に0xをつけて表す。
    0151    0x20D      0x3+0xA = 0xD
                       0x2+0xE = 2+14 = 16 = 0x0 + 桁上がり
                       0x1+桁上がり = 0x2

整数型と扱える値の範囲

コンピュータの開発が進むにつれ計算の単位となるデータ幅は、8bit, 16bit, 32bit, 64bit と増えていった。整数型データには、正の値しか覚えられない符号無し整数と、2の補数で負の数を覚える符号付き整数に分けられる。

プログラムを作るためのC言語では、それぞれ 8bitの文字型(char)、16bitの short int型、32bitの int 型、64bitの long int 型(C言語では long int で宣言すると32bitの環境も多いので要注意)があり、それぞれに符号なし整数(unsigned), 符号あり整数(signed: C言語の宣言では書かない)がある。

精度 符号あり 符号なし
8bit(1byte) char (int8_t) unsigned char (uint8_t)
16bit(2byte) short int (int16_t) unsigned short int (uint16_t)
32bit(4byte) int (int32_t) unsigned int (uint32_t)
64bit(8byte) long int (int64_t) unsigned long int (uint64_t)

符号付きのデータは、負の数は2の補数によって保存され、2進数の最上位bit(符号ビット)負の数であれば1、正の数であれば0となる。

整数型で扱える数

(例) 符号なしの1byte(8bit)であれば、いくつの数を扱えるであろうか?

符号なしの N bit の整数であれば2N通りの値を表現でき、0(2N-1) までの値が扱える。

bit数 符号なし(unsigned)
8 unsigned char 0~28-1 0~255
16 unsigned short int 0~216-1 0~65535
32 unsigned int 0~232-1 0~4294967295

符号付きの N bit の整数であれば、2の補数表現では最上位ビットが符号を表すために使われる。

100)10 64)16 0110,0100)2
-100)10 9C)16 1001,1100)2

正の数なら残りの(N-1)bitで扱うため 0〜2N-1-1を表現できる。負の数は2N-1通りを表現できるので、N bit の符号つき整数は、-2N-1 〜0〜 2N-1-1の範囲の値を覚えられる。

bit数 符号あり(signed)
8 char -27~0~27-1 -128~127
16 short int -215~0~215-1 -32768~32767
32 int -231~0~231-1 -2147483648~2147483647

2の べき乗 の概算

プログラムを作る場合、2のべき乗がだいたいどの位の値なのか知りたいことが多い。この場合の計算方法として、2つの方法を紹介する。

  • 232 = 22 × (210)3 = 4 × 10243 ≒ 4,000,000,000
  • 232をN桁10進数で表すとすれば なので、両辺のlog10を求める。

      (つまり、bit数に0.3をかければ10進数の桁数が求まる。)

数値の範囲の問題で動かないプログラム

この話だけだと、扱える数値の上限について実感がわかないかもしれないので、以下のプログラムをみてみよう。(C言語の詳細は説明していないので、問題点がイメージできるだけでいい。)

組み込み系のコンピュータでは、int 型で宣言される変数でも、16bitの場合もある。以下のプログラムは期待した値が計算できない例である。以下の例では、16bit int型として short int で示す。

// ✳️コード1
#include <stdio.h>
#include <math.h>

int main() { // 原点から座標(x,y)までの距離を求める
   short int x  = 200 ;
   short int y  = 200 ;
   short int r2 = x*x + y*y ;  // (x,y)までの距離の2乗
   short int r  = sqrt( r2 ) ; // sqrt() 平方根
   printf( "%d\n" , r ) ;      // 何が求まるか?
   return 0 ;                  // (例) 200√2 = 282ではなく、120が表示された。
}

コンピュータで一定時間かかる処理を考えてみる。

// コード2.1
// 1 [msec] かかる処理が以下のように書いてあったとする。
short int i ;
for( i = 0 ; i < 1000 ; i++ )
   NOP() ; // NOP() = 約1μsecかかる処理とする。

// ✳️コード2.2
// 0.5 [sec]かかる処理を以下のようにかいた。
short int i ;
for( i = 0 ; i < 500000 ; i++ )
   NOP() ;
// でもこの処理は16bitコンピュータでは、1μsecもかからずに終了する。なぜか?

上記の例は、性能の低い16bit コンピュータの問題で、最近は32bit 整数型のコンピュータが普通だし、特に問題ないと思うかもしれない。でも、32bit でも扱える数の範囲で動かなくなるプログラムを示す。

OS(unix) では、1970年1月1日からの経過秒数で時間(unix時間)を扱う。ここで、以下のプログラムは、正しい値が計算できなかった有名な例である。(2004年1月11日にATMが動かなくなるトラブルの原因だった)

// ✳️コード3.1
int t1 = 1554735600 ; // 2019年4月09日,00:00
int t2 = 1555340400 ; // 2019年4月16日,00:00

// この2日の真ん中の日を求める。
//  t1       |        t2
//  |--------+--------|
//  |      t_mid      |
//  以下のプログラムは、正しい 2019年4月12日12:00 が求まらない。なぜか?
int t_mid = (t1 + t2) / 2;  // (例) 1951年03月25日 08:45 になった。

// コード3.2
//  以下のプログラムは正しく動く。 time_t 型(時間処理用の64bit整数)を使えば問題ない。
time_t t1 = 1554735600 ; // 2019年4月09日,00:00
time_t t2 = 1555340400 ; // 2019年4月16日,00:00

// time_t型が32bitであったとしても桁溢れない式
time_t t_mid = t1 + (t2 - t1) / 2 ;

練習問題2

以下の整数の範囲を具体的な値で答えよ。
出席番号・自分の誕生日(の日にち)に合わせて該当する2問について答えること。

  1. 7bitの符号なし整数で扱える数値の範囲 (出席番号が偶数)
  2. 12bitの符号あり整数で扱える数値の範囲 (出席番号が奇数)
  3. 20bitの符号なし整数で扱える数値の範囲 (誕生日の日づけが偶数)
  4. 24bitの符号あり整数で扱える数値の範囲 (誕生日の日づけが奇数)

練習問題3

先に示した数値の範囲が原因で動かないプログラム(コード1,コード2.2,コード3.1)の中から1つを選んで、計算結果が正しく求まらない原因を、具体的な値を示しながら説明せよ。

練習問題1,練習問題2,練習問題3について、レポートとして提出せよ。

Teamsのこちらの共有フォルダに、回答記入用のひな型がおいてあるので、この書式を参考に各自レポートにまとめ、同フォルダに提出してください。

PHPとデータベースによるバックエンドプログラミング

前回の講義では、Webページの作り方として、JavaScriptを用いたブラウザで動くプログラミングについて説明を行った。今回の授業では、データを管理しているサーバ側(バックエンド)で使われるプログラミング言語 PHP についての紹介と、データを管理するためのプログラム言語 SQL について説明し、簡単な演習をレポート課題とする。

PHPとデータベースによるバックエンドプログラミング

値渡しと参照渡しとポインター

Javaでの引数に対する副作用

Javaでのプログラムにおいて、下記のように関数に引数でデータが渡された場合、呼び出し元の変数が変化する/変化しないの違いが分かるであろうか?

import java.util.*;

class A {
    private int a ;
    public A( int x ) { a = x ; }
    public void set( int x ) { a = x ; }
    public int get() { return a ; }
}

public class Main {
    public static void foo( int x , Integer y , String s , int z[] , A a ) {
        x = 12345 ;        // プリミティブな引数の書き換え
        y = 23456 ;        // イミュータブルな引数の書き換え
        s = "hoge" ;
        z[0] = 34567 ;     // 参照で渡されたオブジェクトの書き換え
        a.set( 45678 ) ;
    }
    public static void main(String[] args) throws Exception {
        int     mx = 11111 ;        // プリミティブなデータ
        Integer my = 22222 ;        // イミュータブルなオブジェクト
        String  ms = "aaa" ;
        int     mz[] = { 33333 } ;  // それ以外のオブジェクト
        A       ma = new A( 44444 ) ;

        foo( mx , my , ms , mz , ma ) ;

        System.out.println( "mx="+mx+",my="+my+",ms="+ms+",mz[0]="+mz[0]+",ma="+ma.get() );
    }
}

上記のプログラムでは、foo() の第1引数 mx は、プリミティブ型なので関数の引数に渡される際には、コピーが生成されて渡されるため、呼び出し元の変数 mx の値は変化していない。

Javaでは、プリミティブ型以外のデータは、ヒープ領域に実体が保存され、そのデータの場所(ポインタ)によって管理される。

しかし、Integer型のオブジェクト my や、String型のオブジェクト ms は、参照(データの場所)が渡されるが、イミュータブルな(変更できない)オブジェクトなので、値の代入が発生すると新しいオブジェクトが生成され、そのアドレスが参照を保存している変数(ポインタ)に代入される。このため、呼び出し元の my や ms は値が変化しない。

これに対し、配列 mz や クラスオブジェクト ma は、オブジェクトの中身を関数 foo で値を変更すると、呼び出し元の変数の内容が変更される。こういった関数やメソッドの呼び出しによって、呼び出し元の値が変化することは「副作用」と呼ばれる。

こういった参照のメカニズムは、データの管理の仕方を正しく理解する必要があることから、もっと原始的な C 言語にて理解を目指す。

C言語の基礎

#include <stdio.h>

int main() {
   int n ;
   scanf( "%d" , &n ) ;  // 標準入力から整数をnに保存
   int m = 1 ;
   for( int i = 1 ; i <= n ; i++ )
      m *= i ;
   printf( "%d! = %d\n" , n , m ) ; // 
   return 0 ;
}

printf の最初の引数は、表示する際のフォーマットであり、%d の部分には対応する引数の値に置き換えて表示される。

   型                |   基数             |   型            |   表示方式
  long int      %ld  |  10進数        %d  |  double    %lf  |  固定小数点表示 %f  12.34
  int           %d   |  16進数        %x  |  float     %f   |  指数小数点表示 %e  1.234e+1
  short int     %hd  |   8進数        %o  |                 |  固定/指数自動  %g
  char          %c   |                    |  printf( "%5.2f" , 1.2345 ) ; □1.23
  char[], char* %s   |                    |
// Compile by C++
#include <stdio.h>

int main(void) {
    long int  x = 123456789L ;
    int       y = 1234567 ;
    short int z = 32767 ;
    printf( "%ld %d %hd\n" , x , y , z ) ;
    //      123456789 1234567 32767
    printf( "%d %x %o\n" , 0x1000 , 32767 , 32767 ) ;
    //      4096 7fff 77777
  
    double    p = 123.45678L ;
    float     q = 12.345 ;

    printf( "%lf %f\n" , p , q ) ;
    //      123.456780 12.345000
    printf( "(%lf) (%8.3lf) (%le)\n" , p , p , p ) ;
    //      (123.456780) ( 123.457) (1.234568e+02)   

    char      c = 0x41 ;
    char      s[] = "ABCDE" ;
    char      t[] = { 0x41 , 0x42 , 0x43 , 0x0 } ; // C言語の文字列の末尾には'
// Compile by C++
#include <stdio.h>

int main(void) {
    long int  x = 123456789L ;
    int       y = 1234567 ;
    short int z = 32767 ;
    printf( "%ld %d %hd\n" , x , y , z ) ;
    //      123456789 1234567 32767
    printf( "%d %x %o\n" , 0x1000 , 32767 , 32767 ) ;
    //      4096 7fff 77777
  
    double    p = 123.45678L ;
    float     q = 12.345 ;

    printf( "%lf %f\n" , p , q ) ;
    //      123.456780 12.345000
    printf( "(%lf) (%8.3lf) (%le)\n" , p , p , p ) ;
    //      (123.456780) ( 123.457) (1.234568e+02)   

    char      c = 0x41 ;
    char      s[] = "ABCDE" ;
    char      t[] = { 0x41 , 0x42 , 0x43 , 0x0 } ; // C言語の文字列の末尾には'\0'が必要

    printf( "(%c) (%s) (%s)\n" , c , s , t ) ;   
    //       (A) (ABCDE) (ABC)
    return 0 ;
}
'が必要 printf( "(%c) (%s) (%s)\n" , c , s , t ) ; // (A) (ABCDE) (ABC) return 0 ; }

C言語でのポインター

#include <stdio.h>

int main() {
    int  x  = 123 ; //                             px [ 〇 ]
    int* px ;       // px はポインタ                      ↓
    px = &x ;       // x の変数の番地を px に代入      x [ 123 ]
    *px = 321 ;     // px の指し示す場所に 321 を代入
    printf( "%d\n" , x ) ; // 321 を出力
    return 0 ;
}

ポインタの加算と配列アドレス

ポインタに整数値を加えることは、アクセスする場所が、指定された分だけ後ろにずれることを意味する。

// ポインタ加算の例
int a[ 5 ] = { 11 , 22 , 33 , 44 , 55 } ;

void main() {
   int* p ;
                               //            p∇
   p = &a[2] ;                 // a[] : 11,22,33,44,55
                               //       -2    +0 +1
   printf( "%d¥n" , *p ) ;     // 33  p[0]
   printf( "%d¥n" , *(p+1) ) ; // 44  p[1]
   printf( "%d¥n" , *(p-2) ) ; // 11  p[-2]

   p = a ;                  //      p∇
   printf( "%d¥n" , *p ) ;  // a[] : 11,22,33,44,55
   p++ ;                    //       → p∇
   printf( "%d¥n" , *p ) ;  // a[] : 11,22,33,44,55
   p += 2 ;                 //           → → p∇
   printf( "%d¥n" , *p ) ;  // a[] : 11,22,33,44,55
}

ここで、注意すべき点は、ポインタの加算した場所の参照と、配列の参照は同じ意味となる。

*(p + 整数式)p[ 整数式 ] は同じ意味 (参照”悪趣味なプログラム”)

特に配列 a[] の a だけを記述すると、配列の先頭を意味することに注意。

ポインタインクリメントと式

C言語では、ポインタを動かしながら処理を行う場合に以下のようなプログラムもよくでてくる。

// string copy 配列のイメージで記載
void strcpy( char d[] , char s[] ) {
   int i ;
   for( i = 0 ; s[ i ] != '
// string copy 配列のイメージで記載
void strcpy( char d[] , char s[] ) {
   int i ;
   for( i = 0 ; s[ i ] != '\0' ; i++ )
      d[ i ] = s[ i ] ;
   d[ i ] = '¥0' ;
}

int main() {
   char a[] = "abcde" ;
   char b[ 10 ] ;
   strcpy( b , a ) ;
   printf( "%s\n" , b ) ;
   return 0 ;
}
' ; i++ ) d[ i ] = s[ i ] ; d[ i ] = '¥0' ; } int main() { char a[] = "abcde" ; char b[ 10 ] ; strcpy( b , a ) ; printf( "%s\n" , b ) ; return 0 ; }

しかし、この strcpy は、ポインタを使って書くと以下のように書ける。

// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ) { *p = *q ; p++ ; q++ ; } *p = '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ; } // ポインタ加算と代入を一度に書く void strcpy( char* p , char* q ) { while( *q != '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ) *p++ = *q++ ; // *(p++) = *(q++) } // ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く void strcpy( char* p , char* q ) { while( (*p++ = *q++) != '
// string copy ポインタのイメージで記載
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' ) {
      *p = *q ;
      p++ ;
      q++ ;
   }
   *p = '\0' ;
}
// ポインタ加算と代入を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( *q != '\0' )
      *p++ = *q++ ;    // *(p++) = *(q++)
}
// ポインタ加算と代入と'¥0'判定を一度に書く
void strcpy( char* p , char* q ) {
   while( (*p++ = *q++) != '\0' )   // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い
      ;
}
' ) // while( *p++ = *q++ ) ; でも良い ; }

 

コンピュータとN進数

3年の情報制御基礎の授業の一回目。この授業では、情報系以外の学生も受講することから、基礎的な共通的な話題を中心に説明を行う。

情報制御基礎のシラバス

情報制御基礎では、ここに上げたシラバス(2023)に沿って授業を行う。

基本的に、センサーから読み取ったデータを使って動く制御系システムを作る場合の基礎知識ということで、アナログ量・デジタル量の話から、移動平均やデータ差分といった数値処理や、そこで求まった値を制御に用いるための基礎的な話を行う。

コンピュータと組み込み系

最近では、コンピュータといっても様々な所で使われている。

  1. 科学技術計算用の大型コンピュータ(最近なら富岳が有名)や
  2. インターネットの処理を行うサーバ群
    (必要に応じてサービスとして提供されるものはクラウドコンピューティングと呼ぶ)、
  3. デスクトップパソコン・ノートパソコン
  4. タブレットPCやスマートフォンのような端末、
  5. 電化製品の中に収まるようなワンチップコンピュータ

などがある。(3)のパソコンでもグラフィックス表示機能のために GPU(Graphics Processing Unit) を搭載したものは(ゲームでの3次元表示用)、高速計算に使われることも多い。


(2) サーバ:ブレードサーバ

(5) ワンチップコンピュータ:PIC

身近で使われている情報制御という点では、(5)のような小型のコンピュータも多く、こういったものは組み込み型コンピュータとも呼ばれる。しかし、こういったコンピュータは、小さく機能も限られているので、

  • 組み込み系では、扱える数値が整数で 8bit や 16bit といった精度しかなかったり、
  • 実数を伴う複雑な計算をするには、処理時間がかかったりする

ため、注意が必要である。

この情報制御基礎の授業では、組み込み系のコンピュータでも数値を正しく扱うための知識や、こういった小さいコンピュータで制御を行うことを踏まえたプログラミングの基礎となる知識を中心に説明を行う。


2進数と10進数

コンピュータの中では、電圧が高い/低いといった状態で0と1の2通りの状態を表し、その 0/1 を組み合わせて、大きな数字を表す(2進数)。

練習として、2進数を10進数で表したり、10進数を2進数に直してみよう。

N進数を10進数に変換

N進数で “abcde” があったとする。(2進数で”10101)2“とか、10進数で”12345)10“とか)

この値は、以下のような式で表せる。

(例1)

(例2)

10進数をN進数に変換

N進数のは、前式を変形すると、以下のような式で表せることから、

値をNで割った余りを求めると、N進数の最下位桁eを取り出せる。

このため、10進数で与えられた35を2進数に変換するのであれば、35を2で次々と割った余りを、下の桁から書きならべれば2進数100011)2が得られる。

実数の場合

途中に小数点を含むN進数のab.cde)Nであれば、以下の値を意味する。

ここで、小数点以下だけを取り出した、0.cde)Nを考えると、

の値に、Nをかけると、次のように変形できる。

この式を見ると、小数部にNをかけると、整数部分に小数点以下1桁目が取り出せる

このため、10進数で与えられた、0.625を2進数に変換するのであれば、0.625に次々と2をかけて、その整数部を上の桁から書きならべれば、2進数0.101)2が得られる。

ただし、10進数で0.1という値で、上記の計算を行うと、延々と繰り返しが発生する。つまり、無限小数になるので注意せよ。

2の補数と負の数

コンピュータの中で引き算を行う場合には、2の補数がよく使われる。2の補数とは、2進数の0と1を入替えた結果(1の補数)に、1を加えた数である。

元の数に2の補数を加えると(2進数が8bitの数であれば)、どのような数でも1,0000,0000という値になる。この先頭の9bit目が必ずはみ出し、この値を覚えないのであれば、元の数+2の補数=0とみなすことができる。このことから、2の補数= (-元の数) であり、負の数を扱うのに都合が良い。

練習問題

(1) 自分の誕生日で、整数部を誕生日の日、小数点以下を誕生日の月とした値について、2進数に変換せよ。(例えば、2月7日の場合は、”7.02″という小数点を含む10進数とする。)

変換の際には、上の説明の中にあるような計算手順を示すこと。また、その2進数を10進数に直し、元の値と同じか確認すること。(ただし、結果の2進数が無限小数になる場合最大7桁まで求めれば良い。同じ値か確認する際には無限少数の場合は近い値になるか確認すること)

(2) 自分の誕生日の日と、自分の学籍番号の下2桁の値を加えた値について、8bitの2進数で表わせ。(2月7日生まれの出席番号13番なら7+13=21)

その後、8bitの2進数として、2の補数を求めよ。また、元の数と2の補数を加えた値についても検証すること。

レポートの提出先は、こちらのリンクを参照(この中にレポート書式のひな型を置いてあります)

複素数クラスによる演習

複素数クラスの例

隠蔽化と基本的なオブジェクト指向の練習課題として、前回の授業では、直交座標系による複素数クラスを示した。今回の授業では、演習を行うとともに直交座標系を極座標系にクラス内部を変更したことにより、隠蔽化の効果について考えてもらい、第1回レポートとする。

直交座標系

前回の授業で示した直交座標系のクラス。比較対象とするために再掲。

#include <stdio.h>
#include <math.h>

// 直交座標系の複素数クラス
class Complex {
private:
   double re ; // 実部
   double im ; // 虚部
public:
   void print() {
      printf( "%lf + j%lf¥n" , re , im ) ;
   }
   Complex( double r , double i ) // 実部虚部のコンストラクタ
     : re( r ) , im( i ) {}
   Complex()                      // デフォルトコンストラクタ
     : re( 0.0 ) , im( 0.0 ) {} 
   void add( Complex z ) {
      // 加算は、直交座標系だと極めてシンプル
      re = re + z.re ;
      im = im + z.im ;
   }
   void mul( Complex z ) {
      // 乗算は、直交座標系だと、ちょっと煩雑
      double r = re * z.re - im * z.im ;
      double i = re * z.im + im * z.re ;
      re = r ;
      im = i ;
   }
   double get_re() {
      return re ;
   }
   double get_im() {
      return im ;
   }
   double get_abs() { // 絶対値
      return sqrt( re*re + im*im ) ;
   }
   double get_arg() { // 偏角
      return atan2( im , re ) ;
   }
} ; // ←何度も繰り返すけど、ここのセミコロン忘れないでね
int main() {
   // 複素数を作る
   Complex a( 1.0 , 2.0 ) ;
   Complex b( 2.0 , 3.0 ) ;

   // 複素数の計算
   a.print() ;
   a.add( b ) ;
   a.print() ;
   a.mul( b ) ;
   a.print() ;

   return 0 ;
}

極座標系

上記の直交座標系の Complex クラスは、加減算の関数は単純だけど、乗除算の関数を書く時には面倒になってくる。この場合、極座標系でプログラムを書いたほうが判りやすいかもしれない。

// 局座標系の複素数クラス
class Complex {
private:
   double r ;  // 絶対値 r
   double th ; // 偏角   θ
public:
   void print() {
      printf( "%lf ∠ %lf¥n" , r , th / 3.14159265 * 180.0 ) ;
   }
   Complex() // デフォルトコンストラクタ
     : r( 0.0 ) , th( 0.0 ) {}

   // 表面的には、同じ使い方ができるように
   //  直交座標系でのコンストラクタ
   Complex( double x , double y ) {
      r  = sqrt( x*x + y*y ) ;
      th = atan2( y , x ) ;    // 象限を考慮したatan()
   }
   // 極座標系だと、わかりやすい処理
   void mul( Complex z ) {
      // 極座標系での乗算は
      r = r * z.r ;    // 絶対値の積
      th = th + z.th ; // 偏角の和
   } 
   // 反対に、加算は面倒な処理になってしまう。
   void add( Complex z ) {
      ; // 自分で考えて
   }
   // ゲッターメソッド
   double get_abs() {
      return r ;
   }
   double get_arg() {
      return th ;
   }
   double get_re() {  // 直交座標系との互換性のためのゲッターメソッド
      return r * cos( th ) ;
   }
   double get_im() {
      return r * sin( th ) ;
   }
} ; // ←しつこく繰り返すけど、セミコロン忘れないでね(^_^;

このように、プログラムを開発していると、当初は直交座標系でプログラムを記述していたが、途中で極座標系の方がプログラムが書きやすいという局面となるかもしれない。しかし、オブジェクト指向による隠蔽化を正しく行っていれば、利用者に影響なく「データ構造」や「その手続き(メソッド)」を書換えることも可能となる。

このように、プログラムをさらに良いものとなるべく書換えることは、オブジェクト指向ではリファクタリングと呼ぶ。
正しくクラスを作っていれば、クラス利用者への影響が最小にしながらリファクタリングが可能となる。

const 指定 (経験者向け解説)

C++ では、間違って値を書き換えるような処理を書けないようにするための、const 指定の機能がある。

void bar( char* s ) {       // void bar( const char* s ) {...}
   printf( "%s\n" , s ) ;   //  で宣言すべき。
}

void foo( const int x ) {
   //     ~~~~~~~~~~~
   x++ ; // 定数を書き換えることはできない。
   printf( "%d\n" , x ) ;
}
int main() {
   const double pi = 3.141592 ;
   // C言語で #define PI 3.141592 と同等

   bar( "This is a pen" ) ; // Warning: string constant to 'char*' の警告
   int a = 123 ;
   foo( a ) ;

   return 0 ;
}

前述の、getter メソッドの例では要素を参照するだけで、オブジェクトの中身が変化しない。逆に言えば、getter のメソッド内にはオブジェクトに副作用のある処理を書いてはいけない。こういった用途に、オブジェクトを変化させないメソッド宣言がある。先の、get_re() は、

class ... {
   :
   inline double get_re() const {
               //         ~~~~~
      re = 0 ; // 文法エラー
      return re ;
   }
} ;

クラスオブジェクトを引数にする場合

前述の add() メソッドでは、”void add( Complex z ) { … }” にて宣言をしていた。しかし、引数となる変数 z の実体が巨大な場合、この書き方では値渡しになるため、データの複製の処理時間が問題となる場合がある。この場合は、(書き方1)のように、z の参照渡しにすることで、データ複製の時間を軽減する。また、この例では、引数 z の中身を間違って add() の中で変化させる処理を書いてしまうかもしれない。そこで、この事例では(書き方2)のように const 指定もすべきである。

// (書き方1)
class Complex {
   :
   void add( Complex& z ) {
      re += z.re ;
      im += z.im ;
   }
} ;
// (書き方2)
class Complex {
   :
   void add( const Complex& z )
   {  //     ~~~~~~~~~~~~~~~~
      re += z.re ;
      im += z.im ;
   }
} ;

レポート1(複素数の加減乗除)

授業中に示した、直交座標系・極座標系の複素数のプログラムをベースに、記載されていない減算・除算のプログラムを作成し、レポートを作成する。 レポートには、下記のものを記載すること。

  • プログラムリスト
  • プログラムへの説明
  • 動作確認の結果
  • プログラムより理解できること。
  • 実際にプログラムを書いてみて分かった問題点など…

オブジェクト指向の基本プログラムと複素数クラス

C++のクラスで表現

前回の講義での、構造体のポインタ渡しをC++の基本的なクラスで記述した場合のプログラムを再掲する。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

// この部分はクラス設計者が書く
class Person {
private: // クラス外からアクセスできない部分
   // データ構造を記述
   char name[10] ; // メンバーの宣言
   int  age ;
public: // クラス外から使える部分
   // データに対する処理を記述
   void set( char s[] , int a ) { // メソッドの宣言
      // pのように対象のオブジェクトを明記する必要はない。
      strcpy( name , s ) ;
      age = a ;
   }
   void print() {
      printf( "%s %d¥n" , name , age ) ;
   }
} ; // ← 注意ここのセミコロンを書き忘れないこと。

// この部分はクラス利用者が書く
int main() {
   Person saitoh ;
   saitoh.set( "saitoh" , 55 ) ;
   saitoh.print() ;

   // 文法エラーの例
   printf( "%d¥n" , saitoh.age ) ; // phoneはprivateなので参照できない。
   return 0 ;
}

この様にC++のプログラムに書き換えたが、内部の処理は元のC言語と同じであり、オブジェクトへの関数呼び出し saitoh.set(…) などが呼び出されても、set() は、オブジェクトのポインタを引数して持つ関数として、機械語が生成されるだけである。

用語の解説:C++のプログラムでは、データ構造とデータの処理を、並行しながら記述する。 データ構造に対する処理は、メソッド(method)と呼ばれる。 データ構造とメソッドを同時に記載したものは、クラス(class)と呼ぶ。 そのデータに対し具体的な値や記憶域が割り当てられたものオブジェクト(object)と呼ぶ。

C++では隠蔽化をさらに明確にするために、private:public: といったアクセス制限を指定できる。private: は、そのメソッドの中でしか使うことができない要素や関数であり、public: は、メソッド以外からでも参照したり呼出したりできる。オブジェクト指向でプログラムを書くとき、データ構造や関数の処理方法は、クラス内部の設計者しか触れないようにしておけば、その内部を改良することができる。しかし、クラスの利用者が勝手に内部データを触っていると、内部設計者が改良するとそのプログラムは動かないものになってしまう。

隠蔽化を的確に行うことで、クラスの利用者はクラスの内部構造を触ることができなくなる。一方でクラス設計者はクラスの外部への挙動が変化しないようにクラス内部を修正することに心がければ、クラス利用者への影響がないままクラスの内部を改良できる。このように利用者への影響を最小に、常にプログラムを修正することリファクタリングと呼ぶ。

クラス限定子

前述のプログラムでは、class 宣言の中に関数内部の処理を記述していた。しかし関数の記述が長い場合は、書ききれないこういう場合はクラス限定子を使って、メソッドの具体的な処理をクラス宣言の外に記載する。

class Person {
private:
   char name[10] ;
   int  age ;
public:
   // メソッドのプロトタイプ宣言
   void set( char s[] , int a) ;
   void print() ;
} ;

// メソッドの実体をクラス宣言の外に記載する。
void Person::set( char s[] , int a ) {  // Person::set() 
   strcpy( name , s ) ;
   age = a ;
}
void Person::print() {                  // Person::print()
   printf( "%s %d¥n" , name , age ) ;
}

inline 関数と開いたサブルーチン

オブジェクト指向では、きわめて簡単な処理な関数を使うことも多い。
例えば、上記のプログラム例で、クラス利用者に年齢を読み出すことは許しても書き込みをさせたくない場合、以下のような、inline 関数を定義する。(getterメソッド)
# 逆に、値の代入専用のメソッドは、setterメソッドと呼ぶ

class Person {
private:
   char name[10] ;
   int  age ;
public:
   // メソッドのプロトタイプ宣言
   inline int get_age() { return age ; } // getter
   inline void set_age( int a ) { age = a ; } // setter
} ;

ここで inline とは、開いた関数(開いたサブルーチン)を作る指定子である。通常、機械語を生成するとき中身を参照するだけの機械語と、get_age() を呼出したときに関数呼び出しを行う機械語が作られる(閉じたサブルーチン)が、age を参照するだけのために関数呼び出しの機械語はムダが多い。inline を指定すると、入り口出口のある関数は生成されず、get_age() の処理にふさわしい age を参照するだけの機械語が生成される。

# 質問:C言語で開いたサブルーチンを使うためにはどういった機能があるか?

コンストラクタとデストラクタ

プログラムを記述する際、データの初期化忘れや終了処理忘れで、プログラムの誤動作の原因になることが多い。

このための機能がコンストラクタ(構築子)とデストラクタ(破壊子)という。

コンストラクタは、返り値を記載しない関数でクラス名(仮引数…)の形式で宣言し、オブジェクトの宣言時に初期化を行う処理として呼び出される。デストラクタは、~クラス名() の形式で宣言し、オブジェクトが不要となる際に、自動的に呼び出し処理が埋め込まれる。

class Person {
private:
   // データ構造を記述
   char name[10] ;
   int  age ;
public:
   Person() { // (A) 引数なしのコンストラクタ
      name[0] = '
class Person {
private:
   // データ構造を記述
   char name[10] ;
   int  age ;
public:
   Person() { // (A) 引数なしのコンストラクタ
      name[0] = '\0' ;
      age = 0 ;
   }
   Person( char s[] , int a ) { // (B) 引数ありのコンストラクタ
      strcpy( name , s ) ;
      age = a ;
   }
   ~Person() { // デストラクタ
      print() ;
   }
   void print() {
      printf( "'%s' = %d¥n" , name , age ) ;
   }
} ;

int main() {
   Person saitoh( "saitoh" , 55 ) ; // オブジェクトsaitohを"saitoh"と55で初期化
   Person tomoko ;  // 引数なしのコンストラクタで初期化される。
   return 0 ;
   // main を抜ける時にオブジェクトsaitohは不要になるので、
   // デストラクタが自動的に呼び出され、'saitoh' = 55 が表示。
   // 同様に tomoko のデストラクタでは、'' = 0 を表示。
}
' ; age = 0 ; } Person( char s[] , int a ) { // (B) 引数ありのコンストラクタ strcpy( name , s ) ; age = a ; } ~Person() { // デストラクタ print() ; } void print() { printf( "'%s' = %d¥n" , name , age ) ; } } ; int main() { Person saitoh( "saitoh" , 55 ) ; // オブジェクトsaitohを"saitoh"と55で初期化 Person tomoko ; // 引数なしのコンストラクタで初期化される。 return 0 ; // main を抜ける時にオブジェクトsaitohは不要になるので、 // デストラクタが自動的に呼び出され、'saitoh' = 55 が表示。 // 同様に tomoko のデストラクタでは、'' = 0 を表示。 }

このクラスの中には、(A)引数無しのコンストラクタと、(B)引数ありのコンストラクタが出てくる。C++では、同じ名前の関数でも引数の数や型に応じて呼出す関数を適切に選んでくれる。(関数のオーバーロード)

デストラクタは、データが不要となった時に自動的に呼び出してくれる関数で、一般的にはC言語でのファイルの fopen() , fclose() のようなものを使う処理で、コンストラクタで fopen() , デストラクタで fclose() を呼出すように使うことが多いだろう。同じように、コンストラクタで malloc() を呼出し、デストラクタで free() を呼出すというのが定番の使い方だろう。

複素数クラスの例

隠蔽化と基本的なオブジェクト指向の練習課題として、複素数クラスをあげる。ここでは、複素数の加算・乗算を例に説明をするので、減算・除算などの処理を記述することで、クラスの扱いに慣れてもらう。

直交座標系の複素数クラス

#include <stdio.h>
#include <math.h>

// 直交座標系の複素数クラス
class Complex {
private:
   double re ; // 実部
   double im ; // 虚部
public:
   void print() {
      printf( "%lf + j%lf¥n" , re , im ) ;
   }
   Complex( double r , double i )  // コンストラクタで要素の
     : re( r ) , im( i ) {         //  初期化はこのように書いてもいい
   }                               // re = r ; im = i ; の意味
   Complex()      // デフォルトコンストラクタ
     : re( 0.0 ) , im( 0.0 ) {
   }

   void add( Complex z ) {
      // 加算は、直交座標系だと極めてシンプル
      re = re + z.re ;
      im = im + z.im ;
   }
   void mul( Complex z ) {
      // 乗算は、直交座標系だと、ちょっと煩雑
      double r = re * z.re - im * z.im ;
      double i = re * z.im + im * z.re ;
      re = r ;
      im = i ;
   }
   double get_re() {
      return re ;
   }
   double get_im() {
      return im ;
   }
   double get_abs() { // 絶対値
      return sqrt( re*re + im*im ) ;
   }
   double get_arg() { // 偏角
      return atan2( im , re ) ;
   }
} ; // ←何度も繰り返すけど、ここのセミコロン忘れないでね
int main() {
   // 複素数を作る
   Complex a( 1.0 , 2.0 ) ;
   Complex b( 2.0 , 3.0 ) ;

   // 複素数の計算
   a.print() ;
   a.add( b ) ;
   a.print() ;
   a.mul( b ) ;
   a.print() ;

   return 0 ;
}

練習課題

  • 上記の直交座標系の複素数のクラスのプログラムを入力し、動作を確認せよ。
  • このプログラムに減算や除算の処理を追加せよ。

この練習課題は、次週に予定している「曲座標系の複素数クラス」に変更となった場合のプログラムを加え、第1回のレポート課題となります。

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