UMLの歴史と意味
プログラミングでの演習もほぼ終わり、オブジェクト指向での設計の話へ。 オブジェクト指向でUMLの書き方は、統一した図法という意味で重要であることを 示しながら、全体の説明を行う。
最初に、UML以前の説明として、フローチャート図やPADの説明を行う。 処理の流れを記載するものとして、使われてきているがデータ構造の設計も重要。
UMLは、ランボーによるOMT(Object Modeling Technique どちらかというとOOA中心?)と、 ヤコブソンによるオブジェクト指向ソフトウェア工学(OOSE)を元に1990年頃に 発生し、ブーチのBooch法(どちらかというとOOD中心?)の考えをまとめて、 UML(Unified Modeling Language)としてでてきた。
OMTでは、OOA(Object Oriented Analyze:分析中心)として(1)問題記述、(2)オブジェクトモデルの記述、(3)状態遷移図の作成、(4)データフロー図の作成といったプロセスが行われる。 これに、OOD(Object Oriented Design:実装目的)でOOA段階の図法に加え、 ユースケース図、シーケンス図などを加えながら設計を行う。 この2つをOOADとまとめる場合も多い。
UMLでよく使われる図を列記すると、以下の物が挙げられる。
- 構造図
- クラス図
- コンポーネント図
- 配置図
- オブジェクト図
- パッケージ図
- 振る舞い図
- アクティビティ図
- ユースケース図
- ステートチャート図(状態遷移図)
- 相互作用図
- シーケンス図
- コミュニケーション図(コラボレーション図)
リストの考え方の導入
テストを明日からに控え、新しい所に入りたくはないけど、 配列の利点や欠点を理解するためにも、ランダムアクセスやシーケンシャルアクセスの 話を取り混ぜながら、導入説明を行う。
配列の添字でリスト
struct List { int data ; int next ; } ; int top = 2 ; struct List table[] = { { 56 , 1 } , // 0 { 78 , -1 } , // 1 { 12 , 3 } , // 2 { 34 , 0 } , // 3 } for( int p = top ; p >= 0 ; p = table[ p ].next ) { printf( "%d" , table[ p ].data ) ; }
次のアドレスでリスト
struct List { int data ; struct List* next ; } ; struct List* top ; top = (struct List*)malloc( sizeof( struct List ) ) ; top->data = 12 ; top->next = (struct List*)malloc( sizeof( struct List ) ) ; top->next->data = 34 ; top->next->next = (struct List*)malloc( sizeof( struct List ) ) ; top->next->next->data = 56 ; top->next->next->next = NULL ; struct List* p ; for( p = top ; p != NULL ; p = p->next ) printf( "%d" , p->data ) ;
ポインタで配列をスキャン&bit演算
例年のテスト問題の範囲を確認して、bit演算の話をしたけど、 先週の授業でのポインタのネタが不完全だったので、 その続きを後半で説明をした。
ポインタで配列をスキャン
ポインタの説明ということで、今週はアドレス渡しによるプログラムを説明。 分かりやすい例ということで、swap()を説明し、動作イメージを解説。
void swap( int* a , int* b ) { int temp = *a ; *a = *b ; *b = temp ; } void main() { int x = 11 , y = 22 , z = 33 ; swap( &x , &y ) ; swap( &y , &z ) ; }
次に、配列をポインタでスキャンするような処理で、 ポインタのインクリメントの説明。
分かりやすい事例として、配列末尾に終了目印(0)がついている内容の加算を考える。
int a[] = { 11 , 22 , 33 , 0 } ; int sum( int a[] ) { // 配列で書いてみる int s = 0 ; for( int i = 0 ; a[i] != 0 ; i++ ) s += a[i] ; return s ; } int sum( int* p ) { // ポインタで書いてみる int s = 0 ; for( ; *p != 0 ; p++ ) s += *p ; return s ; } int sum( int* p ) { // もっと短く int s = 0 ; while( *p != 0 ) s += *p++ ; return s ; }
ビット演算
2進数の理屈が分かっていれば、コンピュータ内部の電子回路的に行われている 掛算もプログラムで記述できる。この時、2進数の数値の処理ということで、 ビット演算が重要。
int mul( int x , int y ) { int s = 0 ; while( y != 0 ) { if ( y & 1 != 0 ) s += x ; x <<= 1 ; y >>= 1 ; } return s ; }
2011年6月5日(第219回)
テスト期間中につき、数学科 長水先生、電子情報工学科 西の2名でお送りしました!
- バララッド大学交換留学報告会の様子
- ロボコン審査会の様子
ArduinoでGPSデータ取れ…(06/03)
- 06/03 ArduinoでGPSデータ取れちゃうのね。"Arduinoで遊ぼう-GPSで現在位置を取得する" http://arms22.blog91.fc2.com/blog-entry-… #fnct
この記事は、 の @TohruSaitohに掲載した #fnct タグ付き記事を、まとめたものです。
newとdelete
そろそろ前期中間試験だけれど、オブジェクト指向の授業は3回のレポートの 実施予定のくせに、すでに2回目の課題も終わりそう。 今年の専攻科の受講生は、4人中3人はEIのOBだし、1名も最初の段階でも 構造体や文字列の話もそれなりに通じるし、1回目の課題でoperator() を 使って課題をしたり十分な理解力。このため授業進度が例年より早まっている。
ということで今日は、前々回の純粋基底クラスによるプログラムの例の中で、 詳しく説明していなかった new , delete について説明をしよう。 C言語の malloc() と free() について説明し、new int[ n ] やら、new Person( … ) といった使い方を紹介する予定。(今日は授業前にメモ作成)
配列の挿入削除問題
先週は、配列の固定長サイズによる問題の対応として、malloc() + free() による 動的メモリの管理手法の演習をしていたので、 その続きとして配列の欠点の挿入削除問題を説明。
配列に単純にデータを入れる処理でも、様々な方法がある。 最も簡単な方法は、配列とサイズを保存しデータを追加したい場合は、 末尾に入れる方法。
int array[ 100 ] ; int size = 0 ; void entry( int x ) { array[ size ] = x ; size++ ; }
しかしこの方法では、デタラメな順序でデータが与えられれば、配列内は デタラメな順序となり、中身のデータ検索は「単純検索」をするしかなくなり、 処理時間のオーダは、O(N)となってしまう。
データを素早く見つけたいのであれば、2分探索法をするためにも、 配列が昇順に並んでいなければならない。 そうなると、昇順に並んだデータ列の途中に、与えられた情報を挿入する 必要が出てくる。
理解力を確認するために、昇順配列への追加処理ではどんな処理をするか 聞いてみると、「末尾に追加してクイックソートすればいい…」といった 考えの人が多かった。クイックソートはほぼ昇順に並んでいるといった データは苦手であり、O(N^2)になるから極めて遅いって…
void insert( int index , int x ) { // 領域が重複している時は for( i = size ; i > index ; i-- ) // 後ろからコピーが必要かも。 array[ i ] = array[ i - 1 ] ; array[ index ] = x ; size++ ; }
しかし、この処理には、O(N)の処理時間を要する。
この対策として次のデータの場所を保存する方式であれば、 挿入作業はO(1)にできることを説明する。 実際のリスト構造でのプログラムは来週とし、 課題未消化のひとが多いので後半は課題時間とした。
ポインタと型
例年、文字列-数値変換(atoi,itoa)の課題をやっていると、 「型」という視点が弱いことがわかる。 そこで型など基本的な間違ったプログラム例をあげて、 型の違いで動かないという例を様々なパターンで説明する。 またポインタの概念についても説明を行う。
型の間違いの例の前に、関数でも引数の型の話の中で、 #include の説明も兼ねて、プロトタイプ宣言と古いK&R文法を紹介。 動かない例の中では、引数の型間違い,"C"と'C'の違い,未初期化ポインタの使用,配列あふれなどを説明する。
次に、ポインタの説明。 ポインタ+整数での指示場所の移動や、p[i] は *(p+i) と等価であることの説明など。 ポインタをずらしながらのループの説明がまだ。 for(…; p++ )