卒業論文について
起承転結のはっきりした文章を書いてください—————
起 まえがき
- 背景と目的
何がおもしろくて, そのテーマを追求するのか, そのテーマの追求によって、どのような進歩が期待されているのか? - 先行研究 *1
scienceなら、今までに、何がわかっていて、何がわかっていないのか? technologyなら、何ができていて、何ができていないのか? - 目標
この研究では,どこまで達成するのか? 以後の章の概要
承 基礎となる理論
自分の主張を論理的に展開するために必要な基礎理論、用語の定義, 公理や定理, 実験法 *2 などの説明 (卒論の場合は、一般の研究論文と異なり、勉学の記録でもあるので、後の論理展開に、直接必要のないものが、多少、あってもよい)
転 論理的展開
承で述べた道具を使って, 自分の研究内容を飛躍,誇張,矛盾,循環がないように論理的に展開したうえで、結果の記述.*3
結 結論,考察, 今後の課題と展望
- まとめ,
承と転で述べてきたことの要点. - 結論
目標は達成されたのか, この論文で新たに加わった知見や技術と、その意義を具体的に述べる. - 今後の課題,展望
この論文では、明らかになっていない、もしくは、達成できていない課題とそれらをクリアするための方法や今後の研究展開の可能性について考察.
*1 *2
参考(引用)文献は, 余すところなく, 本論に現れる順番で挙げること.*2 *3
幾何学の証明問題と同じで, その時点までの既出の用語, 式, 概念を使って論理展開すること. 説明の都合上、用語などが現れる順番が前後する場合には, 「このことについては、…章…節で詳説する」などの断り書きを入れること.
明らかに、推敲不足の文章は、添削しません————
自分だけがわかる研究メモ程度の文章を卒論として提出してはいけません. どんなに素晴らしい研究をしても、人に読んでもらって理解してもらわなければ、研究していないのと同じことになってしまいます. 会ったことのない読者にも、わかってもらえる文章になっているか、つまり、コンテンツの順番は最適か? 不足しているものがないか? 複数の解釈や誤解の恐れのある文章はないか? 誤字はないか? 式や用語を間違って使っていないか?
グラフや図の配置やキャプションが適切か, また, それらを本論できちんと記述しているか? 式やグラフの番号が間違っていないか? 何十回も推敲し、その中で 最善の文章を求めて、躊躇することなく書き換えを行うこと.
** 下條先生の卒業研究学生のメモを斉藤が代理で掲載