福井高専のドメイン名
そろそろ前期期末の成績締め切り。学生さんがレポート課題提出で先生にメールを送ることも多いが、メールアドレスの書き間違いでメールがエラーになって届かないトラブルがちらほら。
メールアドレスをどう書き間違えているのか確認すると、hoge@fukui-nct–ac.jp と書いていたりする。高専機構のドメイン名は、hoge@fukui.kosen-ac.jp で、ac の前がハイフンに間違えてるんだろうな。
まずは結論
高専機構(福井)のメールアドレスは、hoge@fukui.kosen–ac.jp です。
福井高専のメールアドレスは、hoge@fukui–nct.ac.jp です。
ということで、以下解説。
ドメイン名の一般ルール
ちなみに、日本のドメイン名は古くは、組織ドメイン.種別ドメイン.国ドメイン の形式。
組織ドメイン=fukui-nct , 種別ドメイン=ac(教育機関) , 国ドメイン=jp(日本)
種別ドメインには、.co.jp(会社) , .ne.jp(ネットワークサービス) , .or.jp(団体) , .go.jp(政府機関) といったものがあるが、企業のサービスだと、.co.jp なのか .ne.jp なのか曖昧だったりするので、最近は省略したものを申請できるようになっている。
国ドメインは、アメリカはネットを作った所なので、国ドメインは省略され、.us(アメリカ) を使うことはめったに無い。一方、国ドメインも、.jp(日本) , .uk(イギリス) , .ch(中国) とかあっても、世界中に拠点を持つ企業では、.jp なのかよくわからないので、国ドメインを持たない種別ドメイン .com (企業) を取得することも多い。
高専機構のドメイン名
日本では最近様々な形式の学校が出てきたため、.ac.jp のドメインを取る時の審査は厳しくなっている。
このため、高専機構では、kosen.ac.jp を取得したいが審査が通らず、しかたがないので kosen–ac.jp を取得している。
組織ドメイン=kosen-ac , 種別ドメイン=なし , 国ドメイン=jp(日本)
ちなみに、”-ac.jp” といった変則的なドメイン名は、教育機関を偽装したドメイン名と勘違いされやすく、kosen-ac.jp のドメイン名を見て「怪しい…」と思う人も多い。
福井高専のドメイン名
一方、高専機構ができた後の福井高専の英語の正式名称は、“National Institute of Technology, Fukui College” であり、福井高専のドメイン名としては、本来 “nit-fukui.ac.jp” を取得したい。
組織ドメインの綴りのルールは無いので、大学でも 大学名-u.ac.jp だったり u-大学名.ac.jp など色々あるが、最近は後者が主流となっている。(福井大学も以前は、fukui-u.ac.jp だったが、最近は u-fukui.ac.jp に変更されている)
しかし、.ac.jp の審査が厳しく、高専機構の1組織っぽい nit-fukui.ac.jp は審査が通らない可能性が非常に高く、どの高専も以前のドメイン名をそのまま使用しているのが現状である。
CTF講座・K-SEC第3ブロック学生向け講習会に参加
高専機構の情報セキュリティ人材育成プロジェクトの一環として、岐阜大学サテライトキャンパス(岐阜高専主幹)にて8/28(水)に開催された、CTF講座・K-SEC第3ブロック学生向け講習会に3EI学生1名が参加しました。
CTFとは
CTFとは、Capture The Flags という、情報セキュリティの知識を使ってクイズを解く競技です。
例えば、簡単なものでは、
- PGS{fnzcyr} からフラグを見つけよ。# rot13暗号化
- SQLインジェクションでデータ漏洩が発生するWebシステムが用意されていて、SQLインジェクションが発生するようなデータを入力させて情報を見る。
といった問題があります。複雑な問題では、
- C言語で生成された機械語があって、通常では何も表示されないけど、逆アセンブルして条件判断の一部をバイパスさせて、データを表示させる。
といった、OSや機械語の知識が要求されるものもあります。
初心者には大変だったかな
今回、4年はインターンシップなどで参加者があつまらず、初心者の3年の学生さんに参加してもらいました。CTFの初心者向け講習会ということで、基礎的演習もあるかと思いましたが、いきなりの簡易版CTF大会となりました。知識が不足していて、苦労していましたが基礎的問題をいくつか解けていたようです。
最後に、講習会の修了証をもらいました。
ダナンでの海外インターンシップ
専攻科1年でのインターンシップでは、海外インターンシップにも参加している。
今年は、本校電子情報工学科のベトナムからの留学生のOBのダン氏がベトナム・ダナンで起業したD-SOFTさんにお願いし、電子情報系専攻科生1年が4週間にて参加となりました。D-SOFTさんでのインターンシップは初めての受け入れのため、私も初日に同行すべくダナンに行きました。
キャンパスツアー2019(in電子情報)
8/11(日)には、福井高専のキャンパスツアーが開催され、電子情報工学科でも様々な展示を行いました。
ログ解析とSOC演習(in 石川高専)
高専機構の情報セキュリティ人材育成イベントK-SECにて、主管の石川高専さんにて、「ログ解析とSOC演習」の講習会がありました。
ログ解析
セキュリティ機器の設定や組織内のルールにて、防衛を行うことはできるが、完全に脅威を検知・防御することは難しい。通信ログやアクセス履歴などの取得・蓄積しログから脅威を検出することが重要。
ログ解析演習
Raspberry-Pi のサーバが学生1人毎に準備してあり、演習用のログデータから目的となる情報を探す演習を行なった。
$ ls -R ~pi/log/event1-5/pcap/sqlinjection.pcap ~pi/log/event1-5/web-log/access_log_yyyymmdd.log
まずは基本コマンド
$ cd log/event1-5/web-log/ $ ls -al access_log_yyyymmdd.log $ cat access_log_yyyymmdd.log | more
ユーザーエージェントの確認
$ cat access_log_yyyymmdd.log | cut -d ' ' -f 12- | more # cut 特定の項目を抜き出すコマンド # -d ' ' データの区切り文字は ' ' 空白 # -f 12- 12項目以降を出力 # more 出力をページ単位で出力 # 大量のLOGだと、長時間かかるよぉ…
ディレクトリパストラバーサルの確認
$ grep "¥.¥./" access_log_yyyymmdd.log # grep 特定の文字を含む行を抜粋して表示 # アクセス履歴のPATHを確認 $ grep "¥.¥./" access_log_yyyymmdd.log | awk '{print $7}' # awk '{print $7}' 各行の7番目を出力 ( cut -d ' ' -f 7 と同じ ) # アクセス成功の確認 $ grep "¥./" access_log_yyyymmdd.log | grep "¥" 200" # Webサーバのアクセスログには、データ取得成功=200 が記載されている行を抜粋 # 特殊なアクセスPATHを確認 $ grep /proc/cpuinfo access_log_yyyymmdd.log # 脆弱なphp,cgiだとアクセスのURLに、アクセスしたいPATHが含まれる # /proc/cpuinfo は、CPUの種別などの情報が取れる # 攻撃者のIPアドレスを確認 $ grep -h "¥./" access_log_yyyymmdd.log | awk '{print $1}' | sort | uniq -c # アクセスログの先頭 $1 には、IPアドレスが書いてある。 # sort 出力をソートする(同じ行を集めるためにソート) # uniq -c 同じ行が繰り返す行数をカウント
OSコマンドインジェクションの確認
脆弱性のあるメール送信ページへの攻撃の確認 # addressを含む行で@を含まないものを検索 $ grep -h address access_log-yyyymm*.log | grep -v @ # grep # -h 複数ファイルの処理で、ファイル名を出力させない # -v 含まない行を出力する。 $ grep -h address access_log-yyyymmdd.log | grep -v @ ¥ | awk '{print $7}' | nkf -w --url-input # nkf 漢字などの文字コードを変換 # -w UTF-8 で出力 # --url-input %20みたいなURLエンコードを復号 この実行結果には以下のようなものがあるかもしれない。 "address=;/bin/echo Permit_RootLogin yes >> /etc/ssh/sshd_config"
SQLインジェクションの確認
- 不正ログイン、情報漏洩、完全性損失、可用性損失 の可能性
SOC演習
大量のログでは、unixコマンドで解析するにしても、コマンド組み合わせを考えるのは大変。企業では、ログ解析専用ソフトを用いて解析を行う。ただし、専用の解析ソフトは高価。今回は、K-SEC事業で一時的な借り物で演習。