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データベースガイダンス2023

インターネットの情報量

インターネット上の情報量の話として、2010年度に281EB(エクサバイト)=281✕1018B(参考:kMGTPEZY)で、2013年度で、1.2 ZB(ゼタバイト)=1.2✕1021B という情報があった。ムーアの法則の「2年で2倍」の概算にも、それなりに近い。 では、今年2023年であれば、どのくらいであろうか?

しかし、これらの情報をGoogleなどで探す場合、すぐにそれなりに情報を みつけてくれる。これらは、どの様に実装されているのか?

Webシステムとデータベース

まず、指定したキーワードの情報を見つけてくれるものとして、 検索システムがあるが、このデータベースはどのようにできているのか?

Web創成期の頃であれば、Yahooがディレクトリ型の検索システムを構築してくれている。(ページ作者がキーワードとURLを登録する方式) しかし、ディレクトリ型では、自分が考えたキーワードではページが 見つからないことが多い。

そこで、GoogleはWebロボット(クローラー)による検索システムを構築した。 Webロボットは、定期的に登録されているURLをアクセスし、 そのページ内の単語を分割しURLと共にデータベースに追加する。 さらに、ページ内にURLが含まれていると、そのURLの先で、 同様の処理を再帰的に繰り返す。

これにより、巨大なデータベースが構築されているが、これを普通のコンピュータで実現すると、処理速度が足りず、3秒ルール or 5秒ルール (Web利用者は次のページ表示が3秒を越えると、次に閲覧してくれない)を実現するための能力が不足してしまう。だからこそ、これらを処理するには負荷分散が重要となる。

Webシステムの負荷分散

一般的に、Webシステムを構築する場合には、 1段:Webサーバ、2段:動的ページ言語、3段:データベースとなる場合も 多い。この場合、OS=Linux,Web=Apache,DB=MySQL,動的ページ生成言語=PHPの組合せによる、 LAMP構成とする場合も多い。

                            OS = Linux
               [ Webサーバ   動的Web言語  データベース ]
   User - - - - - Apache ----- PHP ----- MySQL

一方で、大量のデータを処理するDBでは、フロントエンド,セカンダリDB(スレーブDB),プライマリDB(マスタDB)のWebシステムの3段スキーマ構成となることも多い。
フロントエンドは、大量のWebユーザからの問合せを受ける部分であり、必要に応じてセカンダリDBに問合せを行う。
大量のユーザからの問合せを1台のデータベースシステムで捌くには処理の負荷が高い場合、複数のデータベースで負荷分散を行う。プライマリDBは、複数のデータベースシステムの原本となるべきデータを保存される。負荷分散の為に分散されたセカンダリDBは、プライマリDBと内容の同期をとりながらフロントエンドからの問合せに応答する。

データベースシステム

データベースには、ファイル内のデータを扱うためのライブラリの BerkleyDB といった場合もあるが、複雑なデータの問い合わせを実現する 場合には、リレーショナル・データベース(RDB)を用いる。 RDBでは、データをすべて表形式であらわし、SQLというデータベース 問い合わせ言語でデータを扱う。 また、問い合わせは、ネットワーク越しに実現可能であり、こういった RDBで有名なものとして、Oracle , MySQL , PostgreSQL などがある。 単一コンピュータ内でのデータベースには、SQLite などがある。

リレーショナルデータベースの串刺し

商品名 単価 個数 価格
りんご 200 2 400
みかん 50 6 300
アイスクリーム 125 1 125
みかん 50 3 150

このような表データでは、たとえば「みかん」の単価が変更になると、2行目,4行目を変更しなければいけなくなる。巨大な表の場合、これらの変更は大変。

そこで、この表を2つに分類する。

単価表
商品ID 商品名 単価
1010 りんご 125
1011 みかん 50
2101 アイスクリーム 125
販売表
商品ID 個数
1010 2
1011 6
2101 1
1011 3
必要に応じて、2つの表から、以下のような SQL の命令で、データを抽出する。

select 単価表.商品名, 単価表.単価, 販売表.個数, 単価表.単価*販売表.個数
    from 単価表, 販売表 ;

 

データベースに求められるのACID特性

データベースシステムと呼ばれるには、ACID特性が重要となる。(次に述べるデータベースが無かったら…を参照)

  • A: 原子性 (Atomicity) – 処理はすべて実行するか / しない のどちらか。
  • C: 一貫性 (Consistency) – 整合性とも呼ばれ、与えられたデータのルールを常に満たすこと。
  • I: 独立性 (Isolation) – 処理順序が違っても結果が変わらない。それぞれの処理が独立している。
  • D: 永続性 (Durability) – データが失われることがない(故障でデータが無くならないとか)

しかし、RDBでは複雑なデータの問い合わせはできるが、 大量のデータ処理のシステムでは、フロントエンド,セカンダリDB,プライマリDB の同期が問題となる。この複雑さへの対応として、最近は NoSQL(RDB以外のDB) が 注目されている。(例: Google の BigTable)

データベースが無かったら

これらのデータベースが無かったら、どのようなプログラムを作る 必要があるのか?

情報構造論ではC言語でデータベースっぽいことをしていたが、 大量のデータを永続的に扱うのであれば、ファイルへのデータの読み書き 修正ができるプログラムが必要となる。

こういったデータをファイルで扱う場合には、1件のデータ長が途中で 変化すると、N番目のデータは何処?といった現象が発生する。 このため、簡単なデータベースを自力で書くには、1件あたりのデータ量を 固定し、lseek() , fwrite() , fread() などの 関数でランダムアクセスのプログラムを書く必要がある。

また、データの読み書きが複数同時発生する場合には、排他処理(独立性)も 重要となる。例えば、銀行での預け金10万の時、3万入金と、2万引落としが 同時に発生したらどうなるか? 最悪なケースでは、 (1)入金処理で、残金10万を読み出し、 (2)引落し処理で、残金10万を読み出し、 (3)入金処理で10万に+3万で、13万円を書き込み、 (4)引落し処理で、残金10万-2万で、8万円を書き込み。 で、本来なら11万になるべき結果が、8万になるかもしれない。

さらに、コンピュータといってもハードディスクの故障などは発生する。 障害が発生してもデータの原子性永続性を保つためには、バックアップや 障害対応が重要となる。

情報ネットワーク基礎・ガイダンス

情報ネットワーク基礎では、インターネットがどのような仕組みなのか、どのようにして動いているのかを説明する。TCP/IPって何? IPアドレスって何? セキュリティって何?

あなたが使っているネットワーク機能は?

共有:ネットワークプリンタ、ファイル共有…
(ハードウェアや情報を共有)

分散:大量のコンピュータで負荷分散リスク分散
(仕事を分散し全体で高速化, 沢山のコンピュータの1台が壊れても全体は動く)

ネットワークの歴史

昔のコンピュータは、開発にお金がかかるため1台のコンピュータを全員で使うもの(TSS: Time Sharing System/時分割システム)だった。冷戦の時代、軍の重要な処理を行うコンピュータでは、コンピュータのある所に核攻撃を加えられ、軍の機能がすべて動かなくなることは問題だった。1970年頃にアメリカ国防総省ARPANETがインターネットの原型(TCP/IP)を作る。

1980年代には、パソコンが同じ組織内でネットワークで繋がるようになる(LAN – Local Area Network)。1990年代には、LANどうしを遠隔地接続をするWAN(Wide Area Network)が発達。欧州原子核研究機構(CERN)で、ティム・バーナーズ=リーWorld Wide Web/httpを開発(1989)。1995年、マイクロソフトの家庭用パソコンのOS Windows95の普及と共にWWWが普及する。

※1980年代:パソコン通信、1997年:weblog,1998年:Google検索、1999年:2ch、2003年:SNSの誕生、2006年:Twitter,Facebook(一般開放)

コンピュータインタフェースとネットワーク(物理層)

ネットワークにおける情報伝達において、伝送媒体(電気信号,光)にて0/1を伝えるための取り決めは、物理層という。まずは、コンピュータと機器の接続について考えると、シリアル通信パラレル通信に分類できる。(シリアル通信は時間を細かく区切って複数の信号を送ることから時分割多重通信と呼ぶこともある)

通信の高速化に伴い、伝送の配線はコンデンサやインダクタンスを考慮したインピーダンスマッチングが重要となる。このため、高速通信のインタフェース両端は終端抵抗(ターミネータ)が必要だった。

1本の信号線で単位時間あたりのデータ通信速度が同じであれば、パラレル通信の方が高速であるが、長い通信路ではノイズ対策が重要でありノイズ対策をきちんとした線が複数本あるとケーブルが太くなることから、長い通信路ではシリアル通信が使われる。少ない信号線に対してノイズ対策をきちんと施すことができるので、長い通信路ではシリアル通信の方が高速となる。

パラレル通信の例:パラレルポート(プリンタ用)IEEE 1284、ハードディスクATA(IDE)、計測器GP-IB

シリアル通信の例:RS-232C、USB1.1、IEEE1394(FireWire)、USB2.0、USB3.0、USB3.1 Gen2、USB3.2 Gen2x2、Ethernet

Ethernetの種別

  • 半二重通信 – 送信/受信を1本の信号線でおこなう。
  • 全二重通信 – 送信用の信号線、受信用の信号線がそれぞれ別。送信受信を同時にできる。
  • 10BASE/* – 10Mbit/sec
    • 10BASE/5 – ケーブルに針を刺して増設 – 半二重通信/ターミネータが必要
    • 10BASE/2 – T型BNCケーブルで延長 – 半二重通信/ターミネータが必要
    • 10BASE/T – HUBで分配(終端抵抗などの問題はHUBが解決してくれる) – 全二重通信
  • 100BASE-T – 100Mbit/sec / CAT5
    • 信号線のノイズ対策は、シールドで覆う、信号線を”より線”(ツイストペア)にするなどの対策が重要
      • シールドや”より線”の方式でカテゴリー CAT5,CAT6,CAT7 などで分類される
  • 1000BASE-T ギガビット – 1000Mbit/sec = 1Gbit/sec / CAT6
  • 10000BASE , 10GBase – 10Gbit/sec / CAT7

同軸ケーブル

ツイストペアケーブル

理解確認

  • ネットワークにおける共有と分散について例をあげて説明せよ。
  • TSSのような通信によるコンピュータと、TCP/IPによる通信網を比べ何がどう良いのか?
  • シリアル通信とパラレル通信、それぞれの利点欠点は?
  • 10BASE/5,10BASE/2,10BASE/Tのそれぞれの問題点は?
  • CD1枚のデータを1000BASE-Tのネットワークで転送するのに何秒かかる?
    • サンプリングレート44.1kHz,16bit,ステレオ2ch,74分

体育祭、電子情報応援

9/27(水)に、体育祭が行われました。電子情報(緑組)の応援も4年を中心に頑張って行われました。
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システム

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