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年別アーカイブ: 2011
newとdelete
そろそろ前期中間試験だけれど、オブジェクト指向の授業は3回のレポートの 実施予定のくせに、すでに2回目の課題も終わりそう。 今年の専攻科の受講生は、4人中3人はEIのOBだし、1名も最初の段階でも 構造体や文字列の話もそれなりに通じるし、1回目の課題でoperator() を 使って課題をしたり十分な理解力。このため授業進度が例年より早まっている。
ということで今日は、前々回の純粋基底クラスによるプログラムの例の中で、 詳しく説明していなかった new , delete について説明をしよう。 C言語の malloc() と free() について説明し、new int[ n ] やら、new Person( … ) といった使い方を紹介する予定。(今日は授業前にメモ作成)
配列の挿入削除問題
先週は、配列の固定長サイズによる問題の対応として、malloc() + free() による 動的メモリの管理手法の演習をしていたので、 その続きとして配列の欠点の挿入削除問題を説明。
配列に単純にデータを入れる処理でも、様々な方法がある。 最も簡単な方法は、配列とサイズを保存しデータを追加したい場合は、 末尾に入れる方法。
int array[ 100 ] ; int size = 0 ; void entry( int x ) { array[ size ] = x ; size++ ; }
しかしこの方法では、デタラメな順序でデータが与えられれば、配列内は デタラメな順序となり、中身のデータ検索は「単純検索」をするしかなくなり、 処理時間のオーダは、O(N)となってしまう。
データを素早く見つけたいのであれば、2分探索法をするためにも、 配列が昇順に並んでいなければならない。 そうなると、昇順に並んだデータ列の途中に、与えられた情報を挿入する 必要が出てくる。
理解力を確認するために、昇順配列への追加処理ではどんな処理をするか 聞いてみると、「末尾に追加してクイックソートすればいい…」といった 考えの人が多かった。クイックソートはほぼ昇順に並んでいるといった データは苦手であり、O(N^2)になるから極めて遅いって…
void insert( int index , int x ) { // 領域が重複している時は for( i = size ; i > index ; i-- ) // 後ろからコピーが必要かも。 array[ i ] = array[ i - 1 ] ; array[ index ] = x ; size++ ; }
しかし、この処理には、O(N)の処理時間を要する。
この対策として次のデータの場所を保存する方式であれば、 挿入作業はO(1)にできることを説明する。 実際のリスト構造でのプログラムは来週とし、 課題未消化のひとが多いので後半は課題時間とした。
ポインタと型
例年、文字列-数値変換(atoi,itoa)の課題をやっていると、 「型」という視点が弱いことがわかる。 そこで型など基本的な間違ったプログラム例をあげて、 型の違いで動かないという例を様々なパターンで説明する。 またポインタの概念についても説明を行う。
型の間違いの例の前に、関数でも引数の型の話の中で、 #include の説明も兼ねて、プロトタイプ宣言と古いK&R文法を紹介。 動かない例の中では、引数の型間違い,"C"と'C'の違い,未初期化ポインタの使用,配列あふれなどを説明する。
次に、ポインタの説明。 ポインタ+整数での指示場所の移動や、p[i] は *(p+i) と等価であることの説明など。 ポインタをずらしながらのループの説明がまだ。 for(…; p++ )
2011年5月29日(第218回)
- マニアックタイムズ 第3回 2年電子情報工学科 山田さん
最近のライトノベルについて - 台風2号の接近について
創造工学演習・テーマ提出
今日は、創造工学演習で自分たちがこの後作ろうとするシステムの アイデアをまとめた資料の提出日。 高専プロコンへの応募を想定しているので、その書式に沿ったパワポA4 x 12枚の資料。
でも提出資料だけれど、見て何をするシステムなのか、さっぱり解らない資料もぞろぞろ。 例年だったらプロコン応募締め切りがあるので、 ボツネタ回収になっちゃうけど今年は、時間的な余裕もあるのでダメだしを行う。
資料が解らない原因は、利用者がどう使うのかが明確に書かれていなかったり…。 機材をどう使うのか分かるような、イメージ図(ポンチ絵)とか、 利用者が実際に使う状況のシナリオとか重要だよねぇ〜…と伝える。
2011年5月22日(第217回)
- サイエンスクラブの活動について
- 修学旅行、工場見学旅行について
浮動小数点と、文字列数値変換プログラム
先週の整数型の数値範囲の続きということで、浮動小数点の数値の範囲の話の後、 数字の文字列を、N進数の考え方を元に数値に変換したり、 その逆の変換をするプログラムを説明。 来週は、演習室で数値変換の演習。 最後に時間が余ったので、#define 文などの説明を行う。
浮動小数点データの値の範囲
最初に浮動小数点データの正規化を分かってもらうために、 実験データの精度の話を行う。「1.2345の真値と1.222という実験値の誤差を求めよ」 と聞いてみると、みんな1.013%と答える。 でも実際には、桁落ちが発生し誤差を考えると1.0%と2桁で記載すべきことを説明する。
この桁落ちで、有効桁が減ったままだと後々の計算がさらに精度が悪くなるので、 浮動小数点では計算後で桁落ちなどがあった場合、 最初の意味のある桁まで小数点を移動すること…ということで正規化を説明する。
このように指数部を変化させながら…という説明をした後で、floatやdoubleが 以下のように数値を扱うことを説明。
符号(s) | 仮数部(e) | 指数部(d…) | 意味 | |
float | 1bit | 8bit | 23bit | |
double | 1bit | 11bit | 52bit |
文字列数値変換プログラム
次に、文字と文字コード、文字配列、N進数変換を理解するための定番のネタということで、文字列数値変換プログラムの説明。
// 文字列を数値に変換 int my_atoi( char s[] ) { int ans = 0 , i ; for( i = 0 ; s[i] != '¥0' && s[i] >= '0' && s[i] <= '9' ; i++ ) ans = ans * 10 + ( s[i] - '0' ) ; return ans ; } // 数値を文字列に変換 #define SINT_WIDTH 5 char* my_itoa( char ans[] , int x ) { int i ; ans[ SINT_WIDTH ] = '¥0' ; for( i = 0 ; i < SINT_WIDTH ; i++ ) { int d = x % 10 ; ans[ SINT_WIDTH - 1 - i ] = '0' + d ; x = x / 10 ; } return ans ; }
いつも授業中には「質問ありません?」としつこく聞くんだけど、授業が終わったら 何人かの学生が、my_itoa の返り値が char* な説明を聞きにくる。 このプログラムでは、printf( "%s" , my_itoa( temp , 1234 ) ) みたいな 使い方を想定していることを説明し、文字配列の先頭(ポインタ)を返していることを 説明。
#define文
説明後に時間も余っているし、来週の演習後に説明予定であった#defineの説明を 行う。プログラム中の利用目的が解らない定数は、一般的にマジックナンバーと呼ばれ、プログラム修正が困難になることを説明し、定数宣言が便利であると解説。
C言語でこれに相当するのが、#define… と言う前に、プリプロセッサ処理を 説明し、Cソース→[プリプロセッサ]→[コンパイラ]→中間コード→[リンカ]→機械語 といった流れも説明する。
#defineマクロについては、演習後に説明の予定。
ずーっと、講義録をMovableTypeでメモしており、数式部分には mimetex.cgi を使っている。しかしながら、MobableTypeのバージョンが上がったためか、最近、数式内で ¥times とかを書くと「¥」にエスケープ処理が入るため、正しく×が表示されない。 TeXで「¥」が使えなかったら、¥frac…ほとんどダメじゃん…
2011年5月15日(第216回)
- 鯖江のB級グルメについて
- 5月7日に行われたキャンパスウォークについて
- 寮祭について
ぐはっ…でも状況からす…(05/13)
- 05/13 ぐはっ…でも状況からすれば避けられん… #fnct 国家公務員給与:「10%減」 政府、労組と交渉へ – 毎日jp(毎日新聞) http://mainichi.jp/select/seiji/news/201… via @mainichijpnews
この記事は、 の @TohruSaitohに掲載した #fnct タグ付き記事を、まとめたものです。