ホーム » 2015 (ページ 10)
年別アーカイブ: 2015
2015年5月31日(第425回)
収録でお送りしました。
- まるトレ傑作選 第89便 「アホ・バカ分布図(前編)」(平成27年2月1日放送)
- 新入生の自己紹介
- 新入生への質問攻め
- 山田君からの勉強アドバイス
担当:小藤(2B、MIX)、山田(2B・MIX)、植村(2E)、鷲田(1EI)、西島(1E)、西(教員)
6/1よりOffice365ProPlusが使えます
高専機構とMicrosoft社との包括協定ですが、この6/1より本校学生の方は、 Office365 ProPlus が使えます。
Office 365 を使うと、 (1)メールやグループウェアとしての機能と、 (2)パソコンなどにアプリを入れることでWord,Excel,PowerPointなどが 使えるようになります。 今までは、Microsoftとの包括協定で売店でOSやOfficeのメディアを 安く購入し、学生さんの自宅パソコンにインストールが可能でした。 しかし、今後はこのOffice365によって、利用することになります。
Office365のアプリは、パソコン以外にも、iOSやAndroidのタブレット,スマート フォンでも提供されています。 Office365 ProPlus では、パソコン5台,タブレット5台,スマホ5台合計15台にイ ンストールできます。 データは、ユーザ認証のもとでOneDriveなどの機能を経由しながら、同期されます。
使い方
Office 365 をブラウザ上で使うには、https://portal.office.com/Home にアクセスし、 高専機構全体でのメールアドレスでloginします。 福井高専の方は、総合情報処理センターで利用するユーザIDの後ろに、"@fukui.kosen-ac.jp"をつけたものが、 Office365のメールアドレスになります。パスワードは、センターの端末と同じものを使ってください。
login: xxxxxxxx@fukui.kosen-ac.jp password: センターと同じ
ブラウザ上では、以下のような機能が利用できます。
先に示した、"xxxxxxxx@fukui.kousen-ac.jp" は、そのままメールアドレスとしても使えます。 左上のメニューボタンを押すと表示されるものの、「メール」を使うと以下のような画面になります。
パソコンにOffice365のインストール
高専機構でOffice365では、ブラウザ上だけでなくパソコンにOfficeをインストールして使うこともできます。
自宅の自分のパソコンで、前述の手順によりブラウザでログインすると、直後に以下の様な画面が表示されます。 この状態で「今すぐインストール」をクリックして下さい。
ブラウザ上のOffice365の機能を使っている状態では、ブラウザの画面上部の「アカウント」→「Office365の設定」→「ソフトウェア」 でインストール画面を出してください。
ここで、インストールを選ぶと、画面下に「Setup…..exe(xxxxMB)を実行または保存しますか?」と表示が出てくるので、「実行(R)」を選んでください。 Windowsであれば、「次のプログラムにこのコンピュータへの変更を許可しますか?」などの表示が出てきます。 あとは「はい(Y)」を選べばインストールが行われます。
派生と継承
隠ぺい化の次のステップとして、派生・継承を説明する。
派生を使わずに書くと…
元となるデータ構造(例えばPersonが名前と年齢)でプログラムを作っていて、 途中でその特殊パターンとして、所属と学年を加えた学生(Student)という データ構造を作るとする。
// 元となる構造体(Person) struct Person { char name[ 20 ] ; // 名前 int age ; // 年齢 } ; // 初期化関数 void set_Person( struct Person* p , char s[] , int x ) { strcpy( p->name , s ) ; p->age = x ; } // 表示関数 void print_Person( struct Person* p ) { printf( "%s %d\n" , p->name , p->age ) ; } void main() { struct Person saitoh ; set_Person( &saitoh , "t-saitoh" , 50 ) ; print_Person( &saitoh ) ; }
パターン1(そのまんま…)
上記のPersonに、所属と学年を加えるのであれば、以下の方法がある。 しかし以下パターン1は、要素名がname,ageという共通な部分があるようにみえるが、 プログラム上は、PersonとPersonStudent1は、まるっきり関係のない別の型にすぎない。
このため、元データと共通部分があっても、同じ処理を改めて書き直しになる。
// 元のデータに追加要素(パターン1) struct PersonStudent1 { char name[ 20 ] ; // 名前 int age ; // 年齢 char dep[ 20 ] ; // 所属 int grade ; // 学年 } ; void set_PersonStudent1( struct PersonStudent1* p , char s[] , int x , char d[] , int g ) { strcpy( p->name , s ) ; // 同じことを書いてる p->age = x ; strcpy( p->dep , d ) ; // 追加分はしかたない p->grade = g ; } // 名前と年齢だけ表示 void print_PersonStudent1( struct PersonStudent1* p ) { // また同じ処理を書いてる printf( "%s %d\n" , p->name , p->age ) ; } void main() { struct PersonStudent1 naka1 ; set_PersonStudent1( &naka1 , "naka" , 22 , "PS" , 2 ) ; print_PersonStudent1( &naka1 ) ; }
パターン2(元データの処理を少し使って…)
パターン1では、同じような処理を何度も書くことになり、面倒なので、 元データ用の関数をうまく使うように書いてみる。
// 元のデータに追加要素(パターン2) struct PersonStudent2 { struct Person person ; char dep[ 20 ] ; int grade ; } ; void set_PersonStudent2( struct PersonStudent2* p , char s[] , int x , char d[] , int g ) { // Personの関数を部分的に使う set_Person( &(p->person) , s , x ) ; // 追加分はしかたない strcpy( p->dep , d ) ; p->grade = g ; } void print_PersonStudent2( struct PersonStudent2* p ) { // Personの関数を使う。 print_Person( &p->person ) ; } void main() { struct PersonStudent2 naka2 ; set_PersonStudent2( &naka2 , "naka" , 22 , "PS" , 2 ) ; print_PersonStudent2( &naka2 ) ; }
このパターン2であれば、元データ Person の処理をうまく使っているので、 プログラムの記述量を減らすことはできるようになった。
しかし、print_PersonStudent2() のような処理は、元データ構造が同じなのに、 いちいちプログラムを記述するのは面倒ではないか?
そこで、元データの処理を拡張し、処理の流用ができないであろうか?
基底クラスから派生クラスを作る
オブジェクト指向では、元データ(基底クラス)に新たな要素を加えたクラス(派生クラス)を 作ることを「派生」と呼ぶ。派生クラスを定義するときは、クラス名の後ろに、 「:」「public/protected/private」基底クラス名を書く。
// 基底クラス class Person { private: char name[ 20 ] ; int age ; public: Person( const char s[] , int x ) { strcpy( name , s ) ; age = x ; } void print() { printf( "%s %d\n" , name , age ) ; } } ; // 派生クラス class Student : public Person { private: char dep[ 20 ] ; int grade ; public: Student( const char s[] , int x , const char d[] , int g ) : Person( s , x ) // 基底クラスのコンストラクタ { strcpy( dep , d ) ; grade = g ; } } ; void main() { Person saitoh( "t-saitoh" , 50 ) ; saitoh.print() ; Student naka( "naka" , 22 , "PS" , 2 ) ; naka.print() ; }
ここで注目すべき点は、main()の中で、Studentクラス"naka"に対し、naka.print() を呼び出しているが、パターン2であれば、print_PersonStudent2()に相当するプログラムを 記述していない。 しかし、この派生を使うと Person の print() が自動的に流用することができる。 これは、基底クラスのメソッドを「継承」しているから、 このように書け、名前と年齢「naka 22」が表示される。
さらに、Student の中に、以下のような Student 専用の新しい print()を記述してもよい。
class Student ...略... { ...略... void print() { Person::print() ; printf( "%s %d\n" , dep , grade ) ; } } ; void main() { ...略... Student naka( "naka" , 22 , "PS" , 2 ) ; naka.print() ; }
この場合は、継承ではなく機能が上書き(オーバーライト)されるので、 「naka 22 / PS 2」が表示される。
派生クラスを作る際の後ろに記述した、public は、他にも protected , private を 記述できる。
public だれもがアクセス可能。 protected であれば、派生クラスからアクセスが可能。 派生クラスであれば、通常は protected で使うのが一般的。 private 派生クラスでもアクセス不可。
2015年5月24日(第424回)
収録でお送りしました。
- まるトレ傑作選 第68便「タイトル(中編)」(平成26年8月24日放送)
- 新入生の自己紹介
- 新入生への質問攻め
担当:松島(4C)、稲葉(2EI・MC)、山田(2B・MIX)、木下(2EI)、水島(1C)、西(教員)
2015年5月17日(第423回)
- まるトレ傑作選 第32便「主語(前編)」(平成25年11月24日放送)
- 専門教科について
- レポートの書き方について
- 放送メディア研究会の年間活動計画について
担当:松島(4C・MC)、植村(2E・MIX)、川﨑(2EI)、西(教員)
2015年5月10日(第422回)
- まるトレ傑作選 第16便「新幹線の名前」(平成25年7月26日放送)
- キャンパスウォークについて
- 体育祭の応援の話
- 母の日について
担当:松島(4C・MIX)、田嶋(3C)、川﨑(2EI・MC)、西(教員)
2015年5月3日(第421回)
つつじ祭り会場の西山公園のたんなんFM特設スタジオから生放送!!
- まるよし Train Pops ~ 国語と遊ぼう! グランドフィナーレ
- まるとれの定期運行は最終日となりました。これまでのご愛顧、ありがとうございました。新しいコーナーを企画中です。それまでは、「まるとれ傑作選」をお送りします。
- 体育祭の結果について
- キャンパスウォークについて
ゲスト:電子情報工学科卒業生 前田様
担当:田嶋(3C・MIX)、川﨑(2EI・MC)、中村(教員)、西(教員)
数値の範囲とトラブル事例
先日の数値の範囲の説明で、浮動小数点型(float,double)などについても説明を行う。
16bitコンピュータの時代…
簡単な桁あふれの事例として、古いコンピュータ16bitの時代の事例。
// int は16bitとする。 // パソコン画面上の2点の距離を計算したい。 int x1 , y1 ; int x2 , y2 ; int r = (int) sqrt( (x1-x2)*(x1-x2) + (y1-y2)*(y1-y2) ) ;
このプログラムは、負の値の平方根を求めた…というエラーメッセージで止まってしまう。
これは、座標が200ドット離れていれば、2乗の和を求めた段階で、40000となるが、 16bit 符号付き整数であれば、最大数が32767 なので桁あふれして、負の数として扱われている。
2038年問題
次に、20XX年問題の説明。 2000年問題とは、古いプログラムで西暦末尾2桁で年を扱っていたプログラムが誤動作を 起こす可能性の問題。
同じように数値の範囲が原因となるものとして、2038年問題を紹介する。 OS unix では、時間を1970年からの経過秒数で表す。 この時、32bit(符号付きint型)であれば、2^31-1が扱える最大数であり、 (2^31-1) / (3600*24*365.22)を求めると、約68年となる。 つまり、32bit int であった場合は、2038年以降は桁あふれで時間を正しく扱えなくなる可能性がある。
しかし、計算の途中の段階で桁あふれして動かない事例はある。 以下の事例は、2004年に実際に発生したトラブルと同様の簡単なコードである。
// intは32bitとする // 2つの時間の中央時間を計算するコード int t1 , t2 ; int tm = (t1 + t2) / 2 ;
32bitの時間情報では、2004年以降は、 t1,t2の上位ビットが01XX……となっているため、 t1+t2 を計算すると最上位ビット(符号ビット)が1となり この後の計算は、負の値として扱われた。
上記のコードは、次のように記述するか、64bit化されたtime_t型で 記述すべきである。
// 32bitでも動く int tm = t1 + (t2 - t1) / 2 ; // 64bitのtime_t型 time_t t1 , t2 ; time_t tm = (t1 + t2) / 2 ; // △ time_t tm = t1 + difftime( t2 , t1 ) / 2 ; // ◎
248日問題
丁度ニュースで、「ボーイング787が248日以上連続稼働すると、電源停止で制御不能となる」というネタが 紹介されている。点検などがあるから、実際はあり得ない状況だとは思えるが、 これもint型の桁あふれが原因らしい。 あり得ないとはいえ、フライバイワイヤ(操縦桿を電気信号で制御)の最新機は、電源が落ちれば即墜落。 これは、10msec単位で、OSの経過時間をint型(32bit)で制御しているのが 原因らしい。10msec*(2^31)=248日で桁あふれが発生して、電源稼働経過時間を誤認するらしい。 これと同様の事象は、Windows Xpなどが出た頃にも発生している。 787ほど深刻な墜落はないにしても、サーバ機なら248日稼働ぐらいはよくある話。
浮動小数点型と演算順位の問題
float型やdouble型は、浮動小数点で実数の小さな値から大きな値まで扱える。
しかしながら、プログラム中の式の順序によっては、注意が必要となる。
int a[ 5 ] = { 10 , 10 , 10 , 10 , 11 } ; int s = 0 , size = 5 ; for( int i = 0 ; i < size ; i++ ) s += a[ i ] ; printf( "%lf¥n" , s / size ) ; // × %lf はdouble型、s/size はint型で異常な値が表示される。 printf( "%lf¥n" , (double)( s / size ) ) ; // × s/sizeはint型で、小数点以下が求まらない。 printf( "%lf¥n" , (double)s / (double)size ) ; // ◎
#define PI 3.141592 double x ; for( x = 0.0 ; x < 2*PI ; x += (1/6) * PI ) { printf( "%lf %lf¥n" , x , sin( x ) ) ; }
このプログラムは、1/6が整数型で行われるため(つまり0とPIを掛ける)、 xの値が変化しない。 これは、"x += (1.0/6.0) * PI" と書かなければならない。
隠蔽化の課題(複素数クラスを例に)
前回の隠蔽化の話を受け、実際のプログラムの例を課題に説明。 複素数クラスを(実部,虚部)で実装した後に、(絶対値,偏角)に直したら…
基本プログラム(実部と虚部)
複素数を扱うクラスを作るのであれば、基本的には以下の様なコードとなるだろう。 複素数どうしの簡単な加算・乗算を記載する。
class Complex { private: double re , im ; public: Complex( double x , double y ) { re = x ; im = y ; } // 上記コンストラクタは、以下のようにも書ける。 // Complex( double x , double y ) // : re( x ) , im( y ) // { メンバ以外の初期化... } void print() { printf( "%lf+j%lf¥n" , re , im ) ; } void add( Complex &z ) { re = re + z.re ; im = im + z.im ; } void mul( Complex &z ) { double x = re * z.re - im * z.im ; double y = re * z.im + im * z.re ; re = x ; im = y ; } } ; int main() { Complex a( 1 , 2 ) ; Complex b( 2 , 3 ) ; a.add( b ) ; a.print() ; a.mul( b ) ; a.print() ; return 0 ; }
Complexクラス内部をリファクタリング
しかし、前述プログラムでは、mul()メソッドは、add()メソッドよりは、 複雑なものとなっている。 しかし、複素数の乗算は、(絶対値と偏角)を用いれば、絶対値の乗算・偏角の加算で 処理は簡単に記述できる。そこで、クラス内部を乗算と偏角で処理をするように変更してみる。
class Complex { private: double r , th ; public: Complex( double x , double y ) { r = sqrt( x*x + y*y ) ; th = atan2( y , x ) ; // atan2は象限を考慮してくれる } void print() { printf( "%lf ∠ %lf¥n" , r , th / 3.141592 * 180.0 ) ; } void add( Complex &z ) { // ここは面倒な式になっちゃう } void mul( Complex &z ) { r = r * z.r ; th = th + z.th ; } } ; int main() { Complex a( 1 , 2 ) ; Complex b( 2 , 3 ) ; a.add( b ) ; a.print() ; a.mul( b ) ; a.print() ; return 0 ; }
ここで重要なポイントは、2つめの絶対値∠偏角のプログラムの呼び出し側 main() は、 1つめのプログラムとまるっきり同じである。
このように、オブジェクト指向の隠蔽化を行っていれば、当初のクラス設計が悪くて後で変更 したくなった場合、利用者側からの見た目の動作を変更せずに、内部のデータ構造や処理メソッドを 変更が可能となる。 このように、利用者側からの見た目を変更せずに処理の内部を変更すること、 リファクタリング と呼ぶ。これにより、プログラムの不備や問題点があっても、積極的にプログラムを 改良できることから、不備の少ない安全なプログラムを作れるようになる。
隠蔽化の課題
以上の2つのプログラムで複素数の計算メソッド、加算(add),除算(sub),乗算(mul),除算(div)…その他を (実部,虚部)、(絶対値,偏角)で記載し、適切に記述をすれば、呼び出し側main()を まるっきり同じものにできることを通して、隠蔽化についてレポートにまとめよ。
レポートでは、以下の点を記載すること。(レポートは、本科中間試験の頃までに提出が望ましい)
- 2つの方式でのプログラム例
- 上記プログラムに対する説明
- 上記プログラムが正しく動作していたことが判る結果
- この課題から判る考察
パスワードの有効期限…
福井高専の様々なWebシステムを利用している場合、 パスワードなどの認証は、UnifIDone というシステムに 統合されています。
このシステムでは、安易なパスワード管理による不正アクセス を防止するために、パスワードの有効期限が400日に設定されています。
このため、年度が改まる頃には、システムにアクセスする際には、 パスワード有効期限の警告が表示されます。 この際には、パスワードの変更をお願いします。
教職員の場合には、UnifIDone のパスワード変更へのリンクは、 グループウェア Garoon の右下にあるリンク集の所に、 「パスワード変更」のリンクがあります。
学生の場合には、ブラウザのブックマーク先頭に、 「パスワード変更」が登録されています。